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構成管理こそIT活用の“礎”

煩雑なITインフラ管理の大幅効率化を実現したソフトバンク。
改革成功の鍵を握った「Device42」による自動化
ソフトバンクでは、以前よりIT構成管理の重要性に着目し、数万台ある自社サーバーの管理に内製システムを活用していた。しかし、その運用やメンテナンスに高い維持費がかかり、状況を正しく把握できない部分もあるなどの課題を抱えていた。そこで、エーバイスリーセキュアシステムが提供する「Device42」を導入。従来別々であったCMDB(構成管理データベース)、ITAM(IT資産管理)、DCIM(データセンター内の資産管理)、IPAM(IPアドレス管理)の4システムを統合した結果、業務効率の向上や約25%のTCO削減を実現した。本稿では、同社のITインフラ管理の大きな改革となった本プロジェクトについて、IT構成管理の重要性とともに解説する。

煩雑なITインフラ管理を効率化するべく、
「Device42」を採用

ソフトバンク株式会社 
コーポレートIT本部 ITインフラ統括部 ITインフラ部 部長代行 
前田 高尚 氏
ソフトバンク株式会社
コーポレートIT本部 ITインフラ統括部 ITインフラ部 部長代行
前田 高尚 氏

 ソフトバンクは、企業価値向上のため、ITサービスを迅速に提供することをミッションにしている。特に近年では、成長戦略「Beyond Carrier」を掲げ、ITを武器にしながら、従来の通信事業のビジネスモデルを超えた革新的なサービスを次々と提案している。

 同社のITインフラを企画・設計・構築しているのが、コーポレートIT本部 ITインフラ統括部 ITインフラ部(以下、ITインフラ部)で、その担当領域はサーバーやストレージ、自社のデータセンター施設、本社を含めた100以上のネットワーク拠点など多岐にわたる。同じくITインフラ統括部のITインフラ開発部(以下、ITインフラ開発部)では、インフラ設定の自動化などのシステム開発を行っている。

 ソフトバンクは、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルが合併してできた企業であるため、10年ほど前まではITインフラ管理は前身となる各社がExcelなどで個別に管理していた。しかし、管理するサーバーが1万台を超えたころから管理が困難になりはじめた。そこでExcelにあったデータをデータベースに移管して、Webインターフェースから登録するシステムを内製した。

 「2015年ごろからサーバーの構成情報を自分たちで自動収集するシステムを内製開発して使っていましたが、メンテナンスの工数がかかっていました。CMDB、ITAM、DCIM、IPAMの4領域でシステム化を進めていたものの、それぞれの領域でさまざまな課題がありました」と語るのは、ITインフラ部 部長代行の前田 高尚氏だ。

無駄な工数・コストやデータ品質、対応スピードに課題を抱えていた
無駄な工数・コストやデータ品質、対応スピードに課題を抱えていた
ソフトバンク株式会社 
コーポレートIT本部 ITインフラ統括部 ITインフラ開発部 インフラシステム開発課 課長 
山根 研一 氏
ソフトバンク株式会社
コーポレートIT本部 ITインフラ統括部 ITインフラ開発部
インフラシステム開発課 課長
山根 研一 氏

 内製開発のCMDBでは、さまざまなサーバーのOSバージョンやシステム状況をリアルタイムに集めることが難しく、自動収集ができるのは全体の7〜8割程度であった。IPAMでも、手作業による更新漏れや入力間違いがあり、疎通確認をすると整合性がとれないといった問題があった。

 インフラ開発部 インフラシステム開発課 課長の山根 研一氏は「細かく確認するとデータ差異がありました。そうなると全体の情報が疑わしく思えて確認の工数が増えます。データをうまく統合して自動化することで、管理品質を上げたかった」と話す。

 こうして2019年頃から、ITインフラ管理システム刷新のプロジェクトが始まった。オープンソースをベースに内製開発を検討したり、市販の構成管理ツールを選定したりするなか、「Device42」とめぐりあう。それまで別々のシステムに分かれていたCMDB、ITAM、DCIM、IPAMの4領域を網羅的にカバーするとなると、「Device42」一択だった。

 「『Device42』はオンプレミスやパブリッククラウド、コンテナの対応も含めて幅広くカバーしている製品であったため、新しい技術にもキャッチアップしていけると感じました」(山根氏)

検証の結果、25%程度のコスト削減を見込む

 「Device42」の選定にあたり、エーバイスリーセキュアシステムによる支援の下、数千台規模のサーバーから構成情報を取得し、従来の業務にあわせた業務シナリオの作成や、操作方法の研修やワークショップなどPoC(概念実証)を実施した。

 ソフトバンクは、実証を経てから採用に向けてコストを試算。山根氏は「導入するとライセンスのコストが単純に増加しますが、内製開発のコストや運用の工数などを加味して試算したところ、5年間にかかる費用の25%削減が見込めました。コスト削減に加えてデータの品質向上も実現できると思いました」と述べた。また、システムを統合するため、従来二重に管理していた項目などの工数が削減され、そのぶんを付加価値の高い業務に充てられると考えた。

 本格導入は、CMDB移行のフェーズ1と、DCIM、ITAM、IPAMの移行のフェーズ2に分けて行われた。

 フェーズ1では、管理する機器から構成情報を取得して「Device42」に登録し、従来のシステムで取得した構成情報との間に差がないかを判定して切り替えた。この段階では約2万台の機器が対象となった。

 フェーズ2では、ソフトバンク側の担当者が既存システムからデータをエクスポートして更新しなおす実作業に移っていった。その中で従来の運用方法と比較して効率が悪くなる部分についてはエーバイスリーセキュアシステムから改善策の提案を受けた。そして、1カ月間、新旧システムを並行稼働させたのち本格稼働となった。この段階では約5万台以上が「Device42」によって管理されることになった。

 「Device42」を扱うエーバイスリーセキュアシステム第三システム部 部長の鈴木 義崇氏は「従来は構成情報を収集するために一部で数日かかっている処理もありましたが、『Device42』によってタスクの組み方や負荷分散を調整するなどして効率を高め、夜間帯のみで完了するようにできました」と述べた。

構成管理は、IT・デジタル活用の「礎(いしずえ)」

 「Device42」は、CMDB、ITAM、DCIM、IPAMの機能をカバーし、企業のITシステムのライフサイクルを一貫して管理できる。管理項目もカスタマイズが可能で、ユーザー独自の管理ルールにも柔軟に対応ができる。世界では1,000社以上に選ばれている実績をもつ。

「Device42」はアメリカ政府機関をはじめ、60カ国以上で導入されている
「Device42」はアメリカ政府機関をはじめ、60カ国以上で導入されている

 鈴木氏は「企業規模にかかわらず、どんなお客さまもインフラの構成管理に課題を抱えている場合が多いようです。人的コストがかかるだけでなく、構成管理が行き届かないために脆弱性の対処に時間がかかるというセキュリティリスクも課題となっています」と説明した。

 ITインフラ管理で常に発生する業務としては、年次の保守更新や脆弱性のチェック、OSのバグ対応に加え、機器が壊れた際にどのような影響があるのかも知っておかなければならない。ソフトバンクが「Device42」を導入した背景は、これらの無駄な工数を省き、価値ある活動に時間を割きたいというモチベーションからだ。

エーバイスリーセキュアシステム株式会社 
第三システム部 部長
鈴木 義崇 氏
エーバイスリーセキュアシステム株式会社
第三システム部 部長
鈴木 義崇 氏

 前田氏は「私も10年以上ネットワーク管理をしていて、管理のための対応リストを作る業務が多かったことを覚えています。私はこれらすべてを無駄な工数と考えています。設定作業の自動化をするにしても、構成情報が不確かだと各機器が正確に設定されているかを都度判断しなければなりません。ですから、構成管理というのは業務の『礎(いしずえ)』だと考えています。インフラ運用・管理の大半は、構成管理と関連しています。構成情報の品質が低いと、他の業務もすべて影響を受けるのです」と構成管理の重要性を説いた。

 「Device42」の移行によってITインフラの礎を築くことができたソフトバンクでは、25%のコスト削減とデータ統合による管理品質の向上を達成した。山根氏は「従来80%程度だった自動管理が95%程度まで上がったことで社内の情報活用度が大きく改善しました。これまでは構成情報がない場合にクレームがあったのですが、データの精度が高まってクレームがかなり減りました。現場で機器の状態を把握して計画を立てられるようになったのは非常に大きい成果です」と導入効果を話す。

コスト削減や最新の構成情報の管理を実現し、新たな指標も取得可能となった
コスト削減や最新の構成情報の管理を実現し、新たな指標も取得可能となった

 構成管理の自動化を実現したソフトバンクでは、今後さらなる情報収集による合理化を目指しており、サーバーの構成情報だけでなく、ストレージの構成や使用率、データセンターのファシリティの自動棚卸などへ応用できるツールの登場を期待している。これに対し、「Device42」との連携ソリューションの提供にも、独自にエーバイスリーセキュアシステムが取り組んでいくという。

 今回の移行プロジェクトでのエーバイスリーセキュアシステムの対応について前田氏は「性能面での要望などに、提供元と粘り強く交渉して設計をしなおしていただくこともありました。従来のシステムにあって、『Device42』にない機能についても個別のツールで対応いただき、従来と遜色のない業務ができています。今後も日本の顧客の細かな要望をくみとって、『Device42』の製品価値向上に取り組んでいただきたい」と期待を寄せる。

提供:エーバイスリーセキュアシステム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2022年4月30日
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