貿易業務の進捗管理・一元管理を実現するポイントは? 複雑な業務でもデジタル化できる「Business b-ridge」

刻々と変わる法規制や急変する社会情勢を背景に、貿易業務のデジタル化が急務となっている。複数の部門をまたいでアナログに運用されることで属人化と複雑化が進んだ業務を効率化し、変化対応力を高めることが目的だ。それを目指す多くの企業から支持を得ているクラウド型業務アプリケーションプラットフォーム「Business b-ridge」を提供し、貿易業務システムの導入から活用まで支援するビジネスエンジニアリングが、貿易業務の実態や解決事例を紹介する。

変革が求められる企業の貿易業務

ビジネスエンジニアリング株式会社ソリューション事業本部 デジタルサプライチェーン本部 SCMソリューション2部 プロジェクトマネージャー平井理博氏
ビジネスエンジニアリング株式会社
ソリューション事業本部
デジタルサプライチェーン本部
SCMソリューション2部
プロジェクトマネージャー
平井理博氏

 企業の貿易業務が変革の時を迎えている。背景の1つは社会情勢の変化だ。グローバルサプライチェーンの拡大やデジタル変革(DX)の進展により、多くの企業では貿易業務の改善が求められている。

 また、近年はコロナウイルスの世界的な流行(パンデミック)やロシアのウクライナ侵攻など、ビジネス環境が激変する事態が頻発している。先行きの不透明感が高まる中、貿易業務には今後起こりうる変化に柔軟かつ迅速に対応する力が強く求められている。

 さらに、貿易業務を取り巻く情勢も大きく変わったとビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)で製造業などのDX/業務改革を支援している平井理博氏(ソリューション事業本部 デジタルサプライチェーン本部 SCMソリューション2部 プロジェクトマネージャー)は話す。

 「常に変化する各国の貿易制度へのスピーディな対応が求められるのに加えて、国内では電子帳簿保存法が改正され、紙からデジタルへの移行機運が高まっています。さらに、他の業界と同様に働き手が不足しており、仕事をより効率的に回していく必要性も高まっています」(平井氏)

アナログで属人化したままの業務スタイルの弊害

 貿易業務に固有の特性も、業務の仕組みや業務スタイルの変革を促している。

 貿易業務の特徴は、企業内外のさまざまな組織が連動しながら仕事が進む点だ。例えば、受注担当、発注担当、工場の製造担当、出荷担当、さらには協力会社であるフォワーダーや輸出先の事業者、海外現地法人など、さまざまな組織が関与しながら商流・物流が進んでいく。「そのため、業務が煩雑になり、属人的な対応が生じざるをえない面があることが課題となっています」と平井氏は説明する。

 その煩雑さや属人化に拍車をかけているのが、従来からのアナログな業務スタイルだ。貿易業務ではさまざまな書類を作成するが、その際の書式や記入項目などはフォワーダーや品目によって多種多様である。それらの書類をWordなどで作り、メールやFAX、郵送などでやり取りしている組織は多いだろう。各案件の進捗管理をExcelで行っているケースも少なくない。

 「業務の大半が手作業であり、それが入力間違いや手戻りなどのミスが発生しやすい原因となっています。それらの些細なミスが、リードタイムの長期化や在庫の過剰/不足、品目違いの手配といった大きなトラブルにつながるリスクを常にはらんでいるのです。『個々の担当者がメールで書類のやり取りなどを行っているため、それぞれの業務がどこまで進み、どのような状況にあるのかが他のメンバーにわからない』といった悩みもよくお聞きします」(平井氏)

多くの組織をまたいで運用される貿易業務でよく見られる課題
多くの組織をまたいで運用される貿易業務でよく見られる課題

 このように見通しが悪くミスが生じやすい業務環境は、コンプライアンス上も好ましくない。それに、税関による事後調査にて何らかの誤り・不正が指摘された場合、罰則や重加算税などのペナルティにより、ビジネスに損害を与えてしまう恐れもある。

解決の鍵はデジタル化による業務進捗管理・データ一元管理

 貿易業務が直面しているこれらの課題を解消するにはどうすべきか? 「デジタル化を進める以外に方法はありません」と平井氏は断言する。その具体的な方法としては、現在利用している基幹システムを生かしたアプローチが最適だ。

 「多くの企業は貿易業務の上流に当たる受発注/生産/入出荷業務などで基幹システムをすでに利用していると思います。それらのシステムで入力/蓄積したデータを活用し、貿易業務で必要となる帳票の作成や進捗管理が行えるシステムを導入するのです」(平井氏)

 このアプローチで貿易業務をデジタル化する際に核となる機能は2つある。1つは案件ごとの「進捗管理」であり、この機能により「今どこに、どの商品があり、いつどこに着くのか」の見通しと実績を把握できるようになる。もう1つは、見通しと実績をチーム内や部署間など社内で「一元管理」する機能だ。同機能により、各業務の状況をいつでも誰でも確認できるようになる。

 加えて、もう1つ重要なことがある。それは「貿易業務に精通したベンダーの支援を受けること」である。例えば、製造業のある企業は、貿易業務に関して抱えていた前掲のような課題を解消すべく貿易業務システムの導入を決断。それに向けてベンダー各社に提示したRFI(Request For Information)で掲げたのが、「進捗管理と一元管理ができること」に加えて「貿易業務に知見や実績があり、法的要件や設計に関して相談が可能である」ことだった。

 「昨今はノーコード/ローコードツールを使ってユーザー企業自身で簡単な業務アプリケーションを作るケースが増えていますが、貿易のように専門性の高い業務のシステム構築/運用では、専門知識や実績のあるベンダーの支援を受けたいという企業が大半です。『取引相手国の税制や規制に準拠するには、システムをどう作るべきか』といったことは、貿易業務を理解しているベンダーに相談した方が失敗のリスクが低いです」(平井氏)

貿易業務のデジタル化を加速するBusiness b-ridge

 現在、上記のようなアプローチで貿易業務のデジタル化を目指す企業の支持を集めている業務アプリケーションプラットフォームが、B-EN-Gの「Business b-ridge」だ。クラウドービスとして提供されるBusiness b-ridgeは、機能面とサポート面でさまざまな特徴/メリットを備えている。

Business b-ridgeで部門/会社をまたぐ業務連携を効率化
Business b-ridgeで部門/会社をまたぐ業務連携を効率化

 機能面の特徴の1つは、ノーコードによりプログラミングなどの専門スキルがなくとも貿易業務用のアプリケーションを構築できる点だ。「その利点は、お客様自身で柔軟に変更が行えることです。システム導入後に法令が変わったとしても、簡単な設定変更でスピーディな対応ができます」と平井氏は説明する。もちろん、電子帳簿保存法や各国税関の要件にも対応が可能だ。クラウドプラットフォームとしてMicrosoft Azureを利用しており、セキュリティやガバナンスの面でも安心して利用できる。

 もう1つの大きな特徴は、貿易業務のデジタル化に必須なシステム機能として先に挙げた「進捗管理」と「一元管理」を備えていることだ。進捗管理については作業期限のアラート発信ができることや、承認ワークフローを用いてデータを回覧することなどにより、業務の進捗状況を適切に管理・把握できる。一元管理については他システムとの連携によりデータを集約して実現するが、その際にユーザーの権限に応じてきめ細かなデータアクセス制御が行える。

 B-EN-Gは製造業のERPパッケージや生産管理システムを中心に、さまざまな業界へのシステム導入実績を有しており、広範なシステムとの連携に対応できることも大きなポイントだ。「ERPの出荷データや受注管理システムのデータを基にして輸出関連の帳票を作成するなど、基幹システムの情報を活用しながら効率的に業務を進められる点は、Business b-ridgeならではのメリットだと自負しています」と平井氏は胸を張る。

 最初は一部の業務や部門などに導入し、導入成果を確認しながら段階的に導入範囲を広げていくスモールスタートが可能なことも大きな特徴だ。例えば、ある企業は第一段階としてExcelで行っていた進捗管理をBusiness b-ridgeの標準機能でデジタル化し、第二段階として帳票出力や他システム連携などを自社に合わせて作り込んだ。独自形式の帳票や他システム連携などを除いた標準機能を約3カ月で導入した企業もあるという。

貿易業務に深い知見とノウハウを持つエキスパートが活用を支援

 一方、サポート面における最大の特徴は、提供元であるB-EN-Gが貿易業務に関して豊富な知見と実績を持ち、システムの導入/活用に関する法的要件や設計について何でも相談できることにある。

 「当社は製造業のお客様のご支援で広範な実績を有し、特に食品・製薬・精密機器などの業界は深い知見と支援実績が多くあります。それらの知見とシステム構築ノウハウを生かし、導入から活用、NACCSを含む他システム連携などの拡張まで、全ライフサイクルにわたってご支援いたします」(平井氏)

 また、Business b-ridgeは貿易業務のほかに購買、物流、生産管理、設計/開発、生産技術、品質管理/保証、カスタマーサポート、営業/マーケティング、人事/総務など、企業の多様な業務をカバーしている。そのため、まずは貿易業務から導入し、成果を確認しながら他の業務にも適用領域を広げて業務のデジタル化/標準化を推進するプラットフォームとしても活用できる。

 「各種の業務テンプレートをご用意しており、短時間で導入して業務の標準化などでご活用いただけます。Business b-ridgeはサブスクリプション型のクラウドサービスであり、お客様が効果を実感しながら末永くお使いいただけます。それぞれの業務に深い知見を持つ当社のコンサルタントがシステム運用・活用をしっかりとサポートいたします」(平井氏)

業務に深い知見を持つコンサルタントが段階的な活用をサポート
業務に深い知見を持つコンサルタントが段階的な活用をサポート

中外製薬では複数部門をまたぐ輸出業務ワークフロー基盤として活用

 これらの特徴を備えるBusiness b-ridgeを輸出業務で活用する1社が、大手医薬品メーカーの中外製薬だ。

 同社の海外営業推進部は、貿易書類の作成や関連データの一元管理、複数部門にまたがる業務ワークフローの仕組みとしてBusiness b-ridgeを導入した。導入担当者は採用理由の1つとして、業務に応じたデータモデル(データベース)を容易かつコストを抑えて構築でき、全社で使っている基幹システム(SAP ERP)と連携させながら利用できることを挙げている。

 また、業務の特性上、自部門のみならず生産工場や物流部門などとも情報共有を図る必要があるが、各組織がデータを閲覧する際には役割に応じた閲覧制御(権限管理)が必要となる。Business b-ridgeは簡単な設定によって権限管理が行えるうえ、変更に柔軟に対応可能な点も評価された。

 「さらに、海外営業推進部様ではこれまで、貿易書類の作成業務を属人的に管理しており、業務フローの平準化や関連データ/書類の一元管理を実現できていませんでした。これをBusiness b-ridge上で実行することで、各案件の進捗の見える化を実現。情報管理が容易になり、貿易書類作成プロセスの効率化と関連データ/書類の一元管理を達成できました」(平井氏)

中外製薬のBusiness b-ridge活用構成
中外製薬のBusiness b-ridge活用構成

 以上、貿易業務の効果的なデジタル化を支援するBusiness b-ridgeの特徴、活用事例などを紹介した。属人化したアナログな貿易業務をエキスパートの支援も受けながら変革したいと考える企業は、Business b-ridgeの活用を検討してみてはいかがだろうか。

※本ページに記載されている社名、製品名などは、各社の登録商標または商標です。

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提供:ビジネスエンジニアリング株式会社
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