「Microsoft 365」とグループウェアの連携で
実現する業務効率化と投資対効果の向上

――中堅企業の情シス奮闘記

悩める情シス:納屋見拓(なやみ たく)さん
悩める情シス:納屋見拓(なやみ たく)さん
約300人の社員を抱える某中堅企業に勤める納屋見拓(なやみ たく)さんは、いわゆる「1人情シス」である。現在彼は、経営層から言い渡されたミッションに頭を抱えていた。それは、デジタルツールを見直し、全社の業務効率を高めよ、というものだ。リプレイス時期が迫っている全社コミュニケーションツールもあることから、これを機にツールの刷新も検討している。ただ、今使っているさまざまなツールの整理に加えて、新ツールが社内に定着するまでの道のりを考えると気が遠くなる……。1人で悩んでいた納屋見さんは、以前セミナーで知り合い意気投合したある人のことを思い出した。エスアールエスの管理部にてデジタル化を推進していたと話していたな。よし、久しぶりに会って話を聞いてみよう――そう思い立った納屋見さんは、彼のいるエスアールエスへと向かった。

エスアールエスは、高所作業車や特殊作業車、アタッチメント、ユニットハウスなどのレンタルおよび販売を行う企業だ。約430人の従業員が、北海道から九州まで約65拠点にてサービスを展開している。 納屋見さんが相談をしに行った相手である渡辺和幸さんは、エスアールエスの管理部にて専任次長を務め、IT企画や運用を担当している。同じく管理部に所属する購買課 課長の甲斐田暁良さんと総務課の亀田有香さんも、渡辺さんのもとで社内ツールの導入・運用を担当。エスアールエスを訪ねた納屋見さんを3人が迎え、彼の相談に乗ることになった。

納屋見さん:渡辺さん、お久しぶりです。以前はセミナーでありがとうございました。ご連絡した通り社内ツールの活用で悩んでいまして、お力を貸していただけないかと。

渡辺さん:納屋見さん、お久しぶり。連絡をくれてありがとう。1人情シス大変ですよね。当社のIT担当も、リソースがそこまで豊富なわけじゃないから、気持ちはわかりますよ。今日は同じ管理部の甲斐田と亀田も連れてきたから、お互い同じような規模の会社のIT担当者同士、ヒントが得られるような話し合いができるといいですね。

甲斐田さん亀田さん:よろしくお願いします。

納屋見さん:よろしくお願いします。早速ですが、渡辺さんのチームはエスアールエス全体のツール導入を担当されているんですよね? 今社内ではどんなツールを使っているんですか?

渡辺さんメールやOfficeアプリケーション、ウェブ会議のツールとしては「Microsoft 365」を使っています。ポータルや掲示板、特にワークフローはサイボウズの「Garoon」がメインですね。勤怠管理、年末調整、目標管理などには「奉行クラウド」、社用車などの資産管理や営業の引き合い管理には「kintone」、クラウド電話帳や名刺管理には「PHONE APPLI PEOPLE」といった具合です。

納屋見さん:ウェブ会議のツールって「Microsoft Teams」ですか?

渡辺さん:そう。スパムメールやフィッシング詐欺といったメールへのセキュリティ対策を強化しようと「Office 365」を全社で導入したのが2017年。その後ほどなくしてTeamsがリリースされたけど、最初は一部の社員がウェブ会議で利用している程度でした。積極的に利用するようになったのは、新型コロナウイルスの影響で最初に緊急事態宣言が発令された2020年4月頃からで、現在はウェブ会議だけでなくチャットツールとしても利用しています。

エスアールエスの管理部で専任次長を務める渡辺さん
エスアールエスの管理部で専任次長を務める渡辺さん

納屋見さん:そうなんですね。Garoonはいつ頃から使っているんですか?

渡辺さん:最初は「サイボウズ Office」を利用していたものの、サイボウズ Officeは利用推奨人数が300人だったので、人数の増加に伴い2006年にGaroonのパッケージ版を導入し、2014年にクラウド版へと移行しました。長年スケジュールの共有や掲示板、ワークフローにGaroonを活用していますね。出社してパソコンの電源を入れたら、まずGaroonを開くことが習慣になっている社員も多いですし、Garoonなしでは業務にならないくらいですよ。

Garoonの製品画面
Garoonの製品画面

納屋見さん:Garoonが仕事の入り口になっているんですね。そういうグループウェアって外資製品も含めるとたくさんあるので選定基準に悩みます。渡辺さんはどういうところに気をつけてツールを選んでいますか?

渡辺さん当社がツール導入の際に重視しているのは「わかりやすさ」。社員のITリテラシーは同業他社と同程度で特に高いわけではないし、拠点の大半は少人数体制で、拠点内で助け合うこともなかなかできない環境です。その点サイボウズの製品は、マニュアルがなくても使えるほどわかりやすく、日本企業の仕事のやり方にマッチしている製品だと感じますね。

納屋見さん:GaroonとMicrosoft 365って、スケジュールなど似た機能もある製品だと思うんですが、なぜ一本化せずに併用しているんですか?

渡辺さん:Microsoft 365は、WordやExcelといったOfficeアプリケーションを使用するにあたって欠かせませんよね。また、セキュリティの高いメールシステムとしても手放せませんし、いまやウェブ会議にはTeamsも欠かせない存在となりました。だから、Microsoft 365に一本化する企業が多いのは理解できます。それならMicrosoft 365に一本化すればいいと思うかもしれませんが、GaroonにはあるけどMicrosoft 365にない機能もあって、その機能が当社には必要だったんです。

 当社は小規模な拠点が多く、拠点間で文書を回付するのに時間や労力をかけないで済むよう、Garoonのワークフローを利用して社内手続きや稟議を電子化しています。また、各拠点に連絡事項を周知徹底する際には掲示板機能が力を発揮しますし、メッセージは社内コミュニケーションツールとして浸透しています。特にワークフローや掲示板を標準搭載しているという点で、当社にとってGaroonは欠かせないツールなんです。

納屋見さん:業務に応じてMicrosoft 365とGaroonを使い分けているんですね。でもツールを併用すると正直管理やセキュリティ対策が大変そうで……。管理コストってどうですか?

渡辺さん:個人的な考えとしては、投資額以上のメリットが見込めるのであれば、投資する価値があるということなので、情シスの業務負荷が高くなるからサービスの導入を見送ろうという判断はしないかな。とはいえ、運用負荷が高くなりすぎてサービスレベルが低下したり、新しいことに着手できなくなったりすると問題なので、業務の定型化による自動化や、重要度の低い業務をやめるといった施策は必要ですね。ツールが増えると管理側の負担が増えるのは避けられないですが、負担を軽減する工夫はできるものです。その点、Garoonはユーザーにも管理者にも分かりやすく、管理者に多くのスキルを求めないので、他のサービスよりも管理コストは低いですし、運用負荷を減らすための工夫もしやすいかもしれません。

 また、セキュリティ対策ですが、当社はクラウドサービスを利用することが多いので、サービスを選定するときに考慮します。サイボウズ社は「安全性への取り組み」を公開していて安心感がありますよ。

亀田さん当社では、管理担当者の業務効率化を推進するためGaroonの掲示板を活用していますね。ツールのマニュアルを掲示板に載せているほか、質問があればその回答を掲示板のコメントに掲載しています。そうすると同じ質問が何度も来ることはありません。

Garoonの掲示板はコメント機能を搭載しており、掲示ごとにコメントをぶら下げられる。掲示に対する追記や質疑応答の場として活用できる。
Garoonの掲示板はコメント機能を搭載しており、掲示ごとにコメントをぶら下げられる。
掲示に対する追記や質疑応答の場として活用できる。

甲斐田さん:社内からは常に「こういったツールがほしい」というリクエストが上がってきますからね。そういった意見を言いやすい企業文化でもあるので、少しでも従業員の業務効率化が実現できるのであれば、対応するべきだと思っています。

渡辺さん情シス目線だとユーザー管理の効率化も大事ですね。当社の場合は親会社が「OneLogin」というIDaaSをグループ会社向けに用意しているので、それを利用しています。IDaaSを使えばユーザー管理を一元化できますし、プロビジョニングを活用すればさらに管理しやすくなります。社外からログインする際には多要素認証が求められるので、セキュリティの向上にも効果的です。サイボウズのクラウドサービスはSAML認証に加えて、ユーザープロビジョニングにも対応しているので、他のサービスと併用しやすいですね。

 ユーザーから見てもIDaaSに一度ログインすれば連携しているサービスにシングルサインオンできるので、覚えないといけないパスワードが減りますし、サービス間の移動が楽になるので複数のサービスをストレスなく利用できます。複数のクラウドサービスを利用する場合は、IDaaSも併せて検討すると良いかもしれません。

納屋見さん:おお、管理負担やセキュリティの問題を解決する道が見えそうです。でも、ツールを複数使うとなるとやっぱりライセンス料が気になってしまって…費用面ではどうですか?

渡辺さん:以前グループ会社に出向していた時、ベンチマークとして国内外の企業の売り上げに占めるIT支出の割合を比較したことがあるんですが、当社を含め国内の一般企業は海外の企業よりもIT支出が少ない傾向にありました。その数値を見ているので、特に当社のIT支出が多いとは思っていません。それに、「コストは悪だ」と思われがちですが、コストをかけただけの成果を出すことができれば、コストをかけることが悪いとはならないですよね。ツールの活用を推進して効果を引き出すことができれば、十分コストを相殺できますから。幸い当社には、新しいことへの挑戦を応援する風土があるため、それに助けられている部分もあります。もちろん、成果は求められるのでプレッシャーはありますが(笑)

納屋見さん:なるほど! ライセンス料にばかり目が行っていましたが、システム導入の目的に立ち返れば大事なのは効果ですよね。

渡辺さん:その通りです。投資に見合った効果を出すのが大切です。そこがしっかり見込めれば経営層にも自信をもって説明できますから、納屋見さんも会社の業務に何が必要かを考えるところから始めるのがいいと思います。

納屋見さん:ツール導入となると次に気になるのが、社内のユーザー教育なのですが、ツールを定着させるのは大変じゃなかったですか?

渡辺さん:当社の場合はツール選択の段階で、従業員にとって扱いやすいものを選んでいるので、比較的定着は容易なことが多いです。Garoonを基盤に、掲示板やポータルで活用方法や浸透に関する情報も伝えていますしね。ただ、忙しいユーザーは長い文章をなかなか読んでくれないこともあるので……最近ではユーザーが触れたり利用したりする機会を率先して作って「習うより慣れろ」方式で進めています。たとえばTeamsの場合、コロナ禍で必要に迫られた中でまさに使ってもらうことで定着しましたから。

亀田さんTeamsは、すでに定着していたGaroonと連携させた効果も大きかったと思います。CROSSLink 365 Teams連携というGaroonのプラグインを使い、Garoonのスケジュールにウェブ会議を登録すると、同時にTeamsの予約も取れるようになっています。スケジュールにあるリンクをクリックするだけで会議に参加できますしね。長年Garoonを基盤として使っているので、Garoonに何か新しいツールが追加されても抵抗感なくスムーズに使えるようです。

Teamsと連携させたGaroonスケジュールの画面
Teamsと連携させたGaroonスケジュールの画面

甲斐田さん:確かにあの連携機能は便利ですよね。それまでは登録の仕方がわからない人も多く、問い合わせも頻繁にありました。連携によって利便性が高まり、ウェブ会議の頻度が上がりましたから。

エスアールエスの管理部で渡辺さんを助ける甲斐田さん
エスアールエスの管理部で渡辺さんを助ける甲斐田さん

納屋見さん:そうなんですね。今日はいろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。運用負荷よりもユーザーの業務効率化を考えることや、コストを上回る成果を出すことなど、情シスのお手本となるようなお話が聞けて非常に勉強になりました。複数のツールを組み合わせて活用・連携することで、新たな可能性が広がることもわかりましたし、少し方向性が見えてきたような気がします。僕もこれからいろいろ調べて、さまざまなツールの組み合わせについて考えてみたいと思います!

――こうして新たな知見を得てエスアールエスを後にした納屋見さんの足取りは軽やかだった。Microsoft 365とGaroonを併用・連携することなど思ってもみなかったが、そのメリットも大きいと感じた納屋見さん。複数のツールで成果を倍増させる可能性も視野に入れ、納屋見さんは明日から新たな一歩を踏み出す。

Information

提供:提供:サイボウズ株式会社
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