Windows Serverユーザーに本格的なHCIへの道を拓く「Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI」

多くの企業で使われているWindows Serverだが、その更新やモダナイズに課題を抱えるケースも少なくない。2020年1月にはWindows Server 2008 R2の延長サポートが終了するため、更新を急がねばならないユーザーも多いことだろう。最新HCIソリューションを使い、小規模な拠点サーバから、高パフォーマンスが要求されるSQL Serverまで、様々な環境のシステムをモダナイズすることを検討してはいかがだろうか。

Windows Serverユーザー待望の「Azure Stack HCI」

 2019年3月、マイクロソフト社はハイパーコンバージドインフラ(以下、HCI)ソリューション「Azure Stack HCI」を発表した。HCIといえば、VMwareやNutanixのソリューションが普及しているが、Azure Stack HCIはWindows Server が標準機能として搭載するソフトウェア定義ストレージ(SDS)やハイパーバイザ機能でHCIを実現している。Windows Serverを使ってきたユーザーにとって、既存のスキルやノウハウを生かせる点が大きなポイントだ。Windows Serverユーザー待望のマイクロソフト社製HCIソリューションということになる。

マイクロソフト社 Azure Stack HCIの位置づけ

Dell EMC
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 ビジネス開発マネージャー 津村 賢哉氏
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インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部
ビジネス開発マネージャー 津村 賢哉氏

 Azure Stack HCIは、Windows Serverの標準機能だけで作るHCIだ。Azureの名を冠しているが、パブリッククラウドのAzure、パブリッククラウドと同じUIをもちオンプレミスでIaaSやPaaSをセルフサービスで利用するAzure Stackとは異なる製品だ。

 「Azure Stack HCIのホストOSはWindows Serverです。仮想マシンでのWindows Serverのアプリケーションの運用や、同じマイクロソフト社のMicrosoft SQL ServerやRDS(リモートデスクトップサービス)用のプラットフォームとして利用する際も親和性が高いのが特長です」と、Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 ビジネス開発マネージャーの津村賢哉氏は説明する。

図:マイクロソフト社 Azure Stack HCIの位置づけ 図:マイクロソフト社 Azure Stack HCIの位置づけ
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 実はマイクロソフト社 Azure Stack HCIは、以前から提供されていた「Windows Server Software-Defined(以下、WSSD)」というソリューションを受け継いだものだ。WSSDは、Windows Server 2016 Datacenterから搭載されたソフトウェア定義ストレージ(SDS)機能「Storage Spaces Direct(S2D)」を用いてサーバをクラスタ化し、その搭載ストレージを共有プールとして用いる形でHCIを実現するもので、その基本形態はAzure Stack HCIでも変わっていない。

Dell EMC
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 朝比奈 洋輔氏
Dell EMC
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部
朝比奈 洋輔氏

 マイクロソフト社は、Windows Server 2019 DatacenterでHCI機能を強化したタイミングで2019年3月26日に名称変更を行った。Azureのサービスを簡単に利用できるUIを提供すると同時に、Azureの名を冠することで認知度の向上も図った。

 Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部の朝比奈洋輔氏は、「Windows Admin Centerというブラウザベースの管理運用コンソールも登場しました。ダッシュボードを利用して、HCIを一元管理できるようになっています。またAzureへのバックアップやDR、セキュリティー強化のためのAzure Security Centerの利用もAzureサブスクリプションを登録することで簡単にできるようにしています。本機能は無償でダウンロードして利用でき、ブラウザーでアクセスできるため、OS以外の追加コストは一切かかりません」と説明する。

 ともあれ、マイクロソフト社のHCIソリューションは、Azure Stack HCIが初というわけではなく、以前からWSSD / Storage Spaces Directという名で存在していたのだ。そして、このWSSD時代から、このHCIを提供してきたのがDell EMCである。

2017年からWSSD / Storage Spaces Directを提供し
豊富な実績を持つDell EMC

 「当社では、『Dell EMC Microsoft Storage Spaces Direct Ready Node』を2017年5月にリリースして以来、Windows Serverを利用するユーザーに向けてこのHCIを提供し続けています。拡大するHCI市場において、先行してWSSD / Storage Spaces Directを投入したことでマイクロソフト社関連の実績に基づく知識やノウハウを活用したHCI専用サポートが評価されています。」(津村氏)

導入サービスと保守サポートも充実。
Windows Server 2008 R2からの移行も安心

Dell EMC
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 ビジネス開発マネージャー 小野 誠氏
Dell EMC
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 ビジネス開発マネージャー
小野 誠氏

 HCI市場の中でAzure Stack HCIの採用が拡大している背景には、既存のWindows ServerからHCIへ移行しようとするニーズの高まりがある。例えばWindows Server 2008 R2が2020年1月に延長サポート終了予定となっており、ユーザーは急いで移行しなければならない。その移行先としてHCIを選ぶケースが増えているのだ。

 Dell EMCでは、ワークロード別にリファレンスや導入ガイドなどの資料を豊富に用意しているほか、オプションでAzure Stack HCI導入サービスも提供しており、短期間での移行を支援することができます」と、Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ソリューション本部 ビジネス開発マネージャーの小野誠氏は言う。

 「Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCIのユーザーは、製造やサービス、金融など非常に多彩な業種、様々な企業規模に及んでいます。もちろん、広く名の通った企業も少なくありません。また自治体や教育系なども、Windows Serverを使うことが多いことから、Azure Stack HCIと相性が良い分野ですね。これらのユーザーはWindowsをボリュームライセンスで購入していることも多いですが、Dell EMCなら保守サポート対象にできます。」(小野氏)

拠点ITの最小構成2ノードからデータベース統合まで

 Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCIのハードウェアは、Dell EMC PowerEdgeをベースにしたものだ。専用機として作られており、単に前面パネルを変更しただけでなく、BIOSや識別タグなども専用品となっている。

 「専用BIOS搭載により、他のPowerEdgeと明確に区別して管理できます。この情報は保守サービスとも連携し、部品を交換する際にもAzure Stack HCI認定パーツを確実に提供するなど、安心してお使いいただけます」(津村氏)

 ハードウェアによるRAID 1(ミラーリング)構成のブート用ストレージも強化され、このストレージだけでハイパーバイザやOS起動が可能、通常ドライブベイを最大限に活用することができる。ノード間のデータ通信は、低レイテンシーのRDMA(リモートダイレクトメモリアクセス)ネットワークで、高パフォーマンスと低CPU負荷を実現する。

 さらに、幅広いユーザーのワークロードに対応できるよう、専用ハードウェアを複数ラインアップしている。例えばストレージに関してはすべてNVMeのものからオールフラッシュ、SSDとHDDのハイブリッド構成を選ぶことができ、プロセッサやメモリ、ストレージ容量パターンを合わせると膨大なパターンの構成を実現可能だ。そのほか、多数ノードを組み合わせる際に必要なネットワークスイッチも、同じく検証済みの品が用意されている。

図:Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCIのラインアップ 図:Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCIのラインアップ
※クリックすると拡大画像が見られます

 「2ノード・ネットワークスイッチなしの構成が最小ですが、この組み合わせは支店や工場などで稼働する拠点サーバの置き換えに人気です。古い拠点サーバは物理サーバ1台だけといった構成が大半ですが、2ノードHCIならハードウェア冗長化にもなり、古いWindows Serverをモダナイズすることができます。一方、RDMAとNVMeやSSDとの組み合わせはHCIの中でもずば抜けた入出力性能を発揮し、特にAzure Stack HCIでSQL Serverの統合や高価なSANストレージ撤廃に広く採用されています。長らく物理サーバに縛られてメンテナンスできないデータベースサーバを仮想化することは、近い将来やってくるデータベースのコンテナ化により、データ活用の場に劇的な俊敏性とビジネス展開スピード向上をもたらす第一歩になるはずです。」(津村氏)

 Dell EMCでは検証の一環として様々な条件下でのベンチマークテストも行っており、個別に相談すれば結果を見ることも可能だ。また、Dell EMC カスタマーソリューションセンターには実機を用意しており、デモはもちろん旧システムからの移行テストやアプリケーションの性能テストなどの検証にも利用できる。

 拠点サーバやDBサーバなどは、いずれも長らく物理サーバが使われてきた領域だ。そういったところにも、Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCIがシステム統合やモダナイズへの道を開こうとしている。

Dell EMC Microsoft Windows Server 2019:
The operating system that bridges on-premises and cloud.
提供:Dell EMC
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2019年12月31日
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