業務部門の若手3人が自分でやってみた「業務アプリ」開発
SmartDBで業務デジタル化体験レポート

デジタルシフトが加速するビジネスの現場において、ノーコード・ローコード開発ツールを採用して業務プロセスを自らの手でデジタル化しようという動きが広がりつつある。なかでも、複雑な業務プロセスをデジタル化するワークフロー機能とWebデータベース機能を兼ね備えるドリーム・アーツの「SmartDB」は、デジタルトランスフォーメーション(DX)ブームのさなか、組織に“デジタルの民主化”をもたらすデジタル化によるカイゼン基盤として大企業を中心に採用が広がっている。

「SmartDB」を活用すると、プログラミング経験がなくても誰でも業務アプリケーションを開発でき、業務部門が主導して業務をデジタル化できる。しかしそうは言うものの、「誰でもできる」というのは本当なのか。今までアプリ開発経験のないフロント業務やバックオフィスの現場でどのように使っていけばいいのか。そもそもデジタルの民主化とはどういうことか――。業務をおこなう業務部門視点では、そういった疑問が生じるのは当然である。

そこで今回、ドリーム・アーツの非IT部門で働くメンバーが、ユーザーと同様な条件のもと、「SmartDB」を使って自らの業務効率化にチャレンジした。それぞれが仕事の“困りごと”をどう解決したのか。本稿では、プログラミング経験のない業務部門の若手社員3名による、「SmartDB」を活用した実業務のデジタル化体験レポートをお届けする。

  • 協創パートナー推進本部
    プロモーショングループ
    伊藤鈴夏氏
    入社3ヶ月(中途、社会人としては2年目。前職は広告系の会社) SmartDBもITも勉強中(入社理由は「元々友人が在籍していて、企業文化に惹かれた」)
  • 事業基盤開発本部
    人事グループ
    髙橋侑希氏
    入社5年目(新卒) 入社以来、人事として活動 プログラミングには苦手意識がある
  • 協創パートナー推進本部
    エンゲージメントリード
    齋藤瑛里菜氏
    入社6年目(中途、前職は空港のグランドスタッフ) 育児休暇から復職 営業チームの仕組みづくりを担当中

転職したばかり、効率的に仕事ができるようにしたい!

1人目は、プロモーショングループの伊藤さんです。入社したばかりということですが、まずお仕事の内容と、どのような業務アプリを作ったのかをお話しください。

伊藤:私は現在、主にWeb広告のバナーやテキストの制作・入稿を担当しています。今回、広告関連の作業依頼や作業ステータスを一か所で管理できるアプリを開発しました。ちなみに入社の動機は、ITというよりも、マーケティングやプロモーションのお仕事をしっかりやりたかったという部分が大きかったです。

アプリを開発した動機は?

伊藤:バナー広告制作の作業や確認依頼をする際、現在はMicrosoft Teamsでやり取りしているのですが、イベントなどでバナー広告を出稿する時には、Teams内にその広告を出すためのスレッドを作り、そこでどんなバナーを出すかを調整していくというように作業が煩雑になっていました。イベントや広告を出す数が多いほど、どのチャネルのどのスレッドにあったか分かりにくくなりますし、私は転職してきたばかりなので、尚更どこに何があるか分かりませんでした。これまでのやり方でも業務はできますが、一箇所で管理できて担当になった人にはTeamsやメールで通知を送ることができるようにすればより便利になるだろうという思いでアプリを開発しました。

アプリの中身を詳しく教えてください。

伊藤:作成したアプリでは、「イベント」「広告」「ブログ」に関する作業を一か所で管理できるようになっています。例えば「広告」の場合、「作成中」「入稿中」「配信中」「配信停止」というステータス管理があり、その中で「入稿中」の場合は、「バナー要素策定」「バナー作成」「広告文作成」などと、広告出稿に関する作業の内容が一か所に表示される仕組みになっています。ここを見に来れば、スレッドやチャネルを探さなくても、みんなが進捗を把握できるようになっています。

 また、レビューが必要な場合はレビュー者を入れることができます。「レビュー者確認中」にチェックをすると設定した人に連絡が飛び、レビュー依頼から1営業日が過ぎたらリマインドが送られるので、確認漏れもなくなる仕組みです。

開発する際に、誰かに相談したり情報システム部門に助けてもらったり、「SmartDB」のコンテンツを見たりしましたか?

伊藤:最初に、お客様のハンズオンを担当していた先輩から1-2時間程度レクチャーを受けて、その後は分からない部分があったら実際のユーザーサポートと同じ要領で、先輩に質問するか、サポートサイトの内容を参考にして作りました。

業務への理解が進み新しいアイデアも

苦労した部分と、どう解決したかを教えてください。

伊藤:まず入社して間もないこともあって、そもそもの業務の整理と細かい条件の設定に時間がかかりましたが、サポートコンテンツとして提供している業務整理のマニュアルを使うことで問題なく進めていけました。業務内容を分解していく作業を行うことで、今までやっていた工程を改めて整理できたので、もっとスマートに、スムーズにこうしたら業務を進められるかなというアイデアも途中で出てきました。

 この業務が複雑になる背景には、登場人物や業務ステップが多いことがあります。バナー広告を出稿する際にはかかわる人が多くて、例えば当社ではイベントの広告を出すだけで5-6人が関与しますし、バナー作成は他拠点のチームが担当しています。これが大企業だとしたらもっと多くなり、チャットでやり取りをしていると煩雑になってしまいます。フォーマット化して手順通りにすれば、この作業は誰に依頼をすればいいのかなどいちいち考えることもなくなり、マニュアルの代わりにもなります。

確かに、同様な悩みを抱えている大企業のマーケティング部門などにも有効なアプローチのように感じます。最後に、これからアプリをどう進化させていく、もしくは使っていく予定ですか?

伊藤:これから周囲にも使ってもらいながらフィードバックを受けつつ、業務部門発の業務アプリとして進化させていきたいです。また、現在のアプリで実現できている業務範囲は社内プロセスだけなので、今後は代理店さんへの納品や入稿状況の管理までをアプリ上でできるようにしたいですね。

採用管理ツールで補えない部分に挑む

続いては、人事の髙橋さんにお話を伺います。まず普段の業務内容からお話しください。

髙橋:私は、新卒・キャリア採用と労務関連の業務をメインに担当しています。

ドリーム・アーツで働きつつも、ITやデジタルには…。

髙橋:技術的な部分にはそこまで詳しくないですし、素養もないと思います。新人の頃に情報系の研修もあったのですが、全然できなくて「あまり向いていないかもね」と言われてしまったくらい苦手です。

そんな髙橋さんが作った業務アプリとは?

髙橋:新卒採用内定者の、入社までのタスク管理アプリを作りました。内定者が入社するまでのタスクは色々あって、例えば内定者を集めたイベントひとつをとっても、それを実行するための日程調整があり、事前に内定者側に提出してもらう資料を回収し、終わったらアンケートを取り、交通費が発生したらそれを計算するなどと色々な付随業務があるんです。

採用管理ツールは使っていないのですか?

髙橋:採用管理システムも使っていますが、こういったタスクの一括管理には向いていないんです。結局、担当者がエクセルで作ったタスク一覧をローカルで管理する形になっていましたが、それだと属人化するし、情報が変わるたびに最新情報を共有するのも難しい。会社としては「脱エクセル」を掲げていながら、実際にはどうしてもエクセルだよりになってしまう部分が残っていました。何百人と採用するわけではないので何とか手動で回せていましたが、今後長い目で見た時にちゃんと管理できるようにしないといけないと、課題感を持っていたんです。

開発はどれくらいの期間で、どんな体制で?

髙橋:業務整理に1週間、アプリの作成自体は正味2週間くらい。通常業務と並行して、だいたい3週間くらいで開発できました。お客様と同様に、困った時はカスタマーサクセスチームに手伝ってもらいつつ、「SmartDB」の顧客管理のテンプレートをベースに開発しました。

就活生と社員の狭間となる内定者の“会社アカウントを持てない問題”を解決

具体的な機能は。

髙橋:イベントの日程調整や出欠管理、提出物の管理などがアプリ上でできます。「内定者懇親会」「オンライン面談」「内定式」などイベントごとにタブを分けてあり、個人のページを開かなくても、タブを開けば参加者の情報を一覧で見ることができる仕組みです。タブのビューの設定がポイントで、参加可能日、面談希望日、交通費など、イベントごとに必要な項目が見えるように工夫しています。

 特に効率化できたのは、提出物管理の部分です。たとえば、懇親会までに自己紹介スライドを提出してもらう場合。従来は、データをメール添付で提出してもらい、こちらはそれを都度ダウンロードして手元で統合し、未提出の内定者に対してはリマインドメールを送る、といったように一つひとつ手動で対応していたため、かなり手間がかかっていました。作成したアプリには、期限の日までに提出がない人に自動でメールを送る通知設定を組み込んでいるので、今まで手動でやっていた提出物・回答状況のチェックやリマインド作業が不要になり、管理が楽になりました。

ほかにアプリの特長は?

髙橋:項目によっては、人事だけでなく内定者自身でも登録情報を更新できるようにしています。これまでは、内定者の住所や電話番号などが変わるたびにメールで連絡をもらい手動で変更していたのですが、そういった基本情報は内定者が自分で編集できるようにしました。人事側でしか閲覧・編集できない項目と、内定者も閲覧・編集できる項目があり、そのあたりの権限設定には少し手間取りましたが…(笑)双方が便利に使えるようこだわったポイントです。

 また、他の企業さんでも同じだと思うのですが、内定者はまだ入社していないので、会社のメールアドレスやTeamsのアカウントが発行されていません。ですが「SmartDB」には、社員ではないユーザーを招待できる機能があるので、Gmailなどの汎用メールでもアカウント作成が可能です。このように、社内情報にはアクセスできないようにしつつアカウントを持たせることができるというのも、特長のひとつかと思います。

そういった既存のクラウドサービスと業務の狭間の部分を簡単な開発で埋められるのが、「SmartDB」の強みですね。業務部門の困りごとを部門自ら工夫してデジタル実装した典型的なケースかと。

髙橋:ほかにも、全員が参加するイベントの日程を決める際、簡単に多数決を取れる機能もつけました。メールで集めてエクセルで管理していた希望日程をアプリ上で自動集計・管理でき、ボタンをクリックすると何月何日の希望が一番多かったとグラフ表示されるので、それも工数削減に繋がっています。

だいぶ業務が効率化されていますね。削減効果はどのくらい?

髙橋:私個人の作業時間で考えても、懇親会日程調整やメールのやり取りなどの作業が10分の1に削減できました。

 また、PCでアプリを作成しても、スマホ専用のレイアウトが自動で作られるのもポイントです。PCよりスマホの方が使い慣れている学生も多いので、わざわざPCを立ち上げずともスマホひとつで報告が完了するというのは、内定者側からみても作業の効率化につながっているのかなと思います。

業務ノウハウを若手に伝える仕組みを考案

齋藤さんは、社会人として業務も色々と経験されているようですが、ITとの接点は?

齋藤:以前の会社で当社のポータル製品「INSUITE」を使ってはいましたが、接点は入社してからですね。この6年の間に営業、ブランディング、プロモーション、マーケティングと色々とこなしていますが、プログラミング経験はゼロです。ただ2人と違って、私は「SmartDB」のアプリ開発は初めてではありません。アプリ開発は育児休業より復職してから2つめになります。

齋藤さんが抱えていた業務課題をお話しください。

齋藤:営業部門では若手のメンバーが多く、業務ノウハウをどう伝えていくかという教育面の課題を抱えていました。復職したときにはテレワークの導入で情報共有やコミュニケーションのあり方が変わっていたり、新しい若手メンバーがたくさん入社していたこともあり、ノウハウが継承されていないと感じました。お客様からの質問で答えられない部分については、製品開発部門にTeamsを通じて質問をして回答をもらうのですが、そこでのやり取りがどんどん流れていってしまい、ナレッジとして溜まらないんです。製品開発部門からも、「過去に似たような回答をしたことがある気がする」と言われることもありました。

確かに新人の教育や暗黙知の形式知化は、多くの企業のあらゆる部門で課題になっています。それでどのようなアプリを開発したのでしょうか。

齋藤:私が作ったのは、営業部門が製品開発部門にTeams上で聞いた質問を「SmartDB」上でデータベース化するアプリ(Teams上でのQAまとめアプリ)です。これまでの2つと違って、作ったアプリに直接データを入力することはなく、Teamsにある「製品開発部門へのQA」というチャネルに投稿された内容が自動でアプリに連携され、全社に共有されるようになっています。

詳しい内容と、ポイントを教えてください。

齋藤:アプリの画面に、営業部門がTeamsのチャネルに投稿した質問がどんどん溜まっていき、それに対する回答は、「詳細」ボタンからリンクを辿ると表示される仕組みです。Teamsの投稿と自動で紐づけられるため、質問と回答が分断されず、途中経過もわかるようになっています。ポイントは検索性ですね。Teamsに情報が溜まっていると、分からないことはTeamsの中でも全文検索で調べることはできますが、分類まではできません。「SmartDB」で開発したアプリでは、左のカラムにツリー表示で「セキュリティ」「仕様」「ドキュメント」「オプション」などで分類しています。その際にアプリでは、質問内容に「オプション」という言葉が入っていたら、「オプション」というタグが自動的に付与され、画面表示上もその項目に分類されます。

情シスの支援でTeamsとSmartDBの連携をローコード開発

それをご自身で開発されたのですか?

齋藤:1日に1回、Teamsとアプリで情報を連携させる形になっているのですが、その際にMicrosoft365のPower Automateを間に挟んでいます。そこで動きを一つひとつ定義し、本文の中身を見て自動でタグを付けるという動きを指定して連携するようになっているのですが、その部分は情報システム部門に手伝ってもらいました。「SmartDB」はMicrosoft365やTeamsなど多くのクラウドサービスと製品連携しているので、情報システム部門にちょっと教えてもらいながら、業務部門でも開発することはできると思います。

開発期間はどれくらい?

齋藤:項目の定義など、元々あったテンプレートを再利用しただけなので、製作は1日かからないくらいです。とりあえずテスト稼働をさせて、そこから利用者の声をフィードバックして機能を改善していくという形ですね。

今風のアジャイル型開発ですね。これまでどんな機能が追加されましたか?

齋藤:最初はツリー表示はなかったのですが、あった方がいいという意見を取り入れました。あとはまさに昨日、直近7日間以内に投稿された質問に新着マークを付けて表示するように設定しました。改良が進んで、もう使い始められる段階になっています。

情報を検索しやすいように部内でどんどん成長させていると。しかもTeamsではできないところに、Microsoft365に備わっている標準ツールのローコード開発でフローを追加して、情報のデータベース化も自動で実現しています。かなり高度なことも、「SmartDB」を使えば比較的簡単にできてしまうのですね。

「とにかく1回アプリ開発を体験して欲しい」

今回「SmartDB」を使ってみて開発を体験されたわけですが、率直に感想をお聞かせください。

伊藤:入社して3カ月、文系の私でも業務に役立つアプリが作れたというのはとても感動的な体験でした。プログラミング経験は全くなく、業務アプリを作るのは自分の業務範囲ではないと思っていたので。今回1つ業務をアプリ化できたので、これからも他の業務に広げていきたいと思いました。

髙橋:業務のなかで感じるちょっとした課題や、こうだったらいいのにという部分を自らの手で改善していけるのは本当に便利で、やってみてかなり達成感もありました。採用のオペレーション業務は日々変わるので、その都度ツールを対応させたり、こまごまとした業務に対応したものを使っていこうとすると時間も手間もかかって収拾がつかなくなる。それを「SmartDB」ひとつで自分たちのニーズに合わせて作り替えていけるのは本当に凄いですよね。

齋藤:1回アプリを作ると、何となくこういうことができるんだと想像できるようになるので、とりあえず試してみて欲しいと思います。私が作ったアプリにはTeamsとの連携がありましたが、そこは必ずしも業務部門でやる必要があるわけではなく、他システムとの連携のところなどのローコード開発は情シス部門が存在感を発揮できる範囲です。簡単なところから難しいところまで対応できるのが、「SmartDB」のいいところなのかなと思いますね。

最後に実体験を踏まえて、デジタルによるカイゼンに取り組もうとしている業務部門のユーザーさんへメッセージをお願いします。

髙橋:私もこれまでは、正直「難しそうだし私にはできない」と思って「SmartDB」に積極的には触れてこなかったんです。でも、今は「食わず嫌いしないで!」と言いたい(笑)。触ってみて、1個作ってみたら「意外と簡単じゃん」と感じられるはずです。経験上、着手するまでのハードルが高いかとは思いますが、テンプレートを使えば一瞬でできてしまうし、1つ作ったらあれもこれもやりたいと発展的に進めていけると思うので、先入観を捨ててまずは触ってみてください。

伊藤:デジタルに苦手意識がある人には、まずはクイックサクセス、小さくてよいので素早く成功体験をしてもらうのがいいと思います。そういった成功体験が“デジタルの民主化”への第一歩だと思います。そのムードが社内に伝播し、文化として根付いていきますので!

齋藤:ドリーム・アーツでは、お客様の社内に業務デザイナーという「SmartDB」で業務のカイゼンを牽引していく社員を立てていただくことを推奨しています。部内の業務をよく知っている業務デザイナーが組織にいることでうまく導入が進むと思います。もちろん、最初からそのような人がいる訳はないので、そこは我々のカスタマーサクセスチームをうまく使っていただければと。

お3方がお話をされる際の自信に満ちた顔がとても印象的でした。本日はどうもありがとうございました。

提供:株式会社ドリーム・アーツ
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