5G時代が到来 デジタルエクスペリエンスプラットフォームでウェブコンテンツの作り方が変わる

 いよいよ2020年に次世代無線通信である5Gが開始する。2時間の映画を3秒でダウンロードできるとされ、現行の4Gの数倍から数百倍の通信速度が実現するという。5Gを前提にすると、これまでより大容量のデータの処理、あらゆるもののネットワーク接続が可能になることに加え、遅延も少ないなどの利点もある。

 本記事では、ハートコア株式会社CSO CX本部 本部長 宮本海氏に5G時代のウェブサイトのあり方を聞いた。

 いよいよ2020年に次世代無線通信である5Gが開始する。2時間の映画を3秒でダウンロードできるとされ、現行の4Gの数倍から数百倍の通信速度が実現するという。5Gを前提にすると、これまでより大容量のデータの処理、あらゆるもののネットワーク接続が可能になることに加え、遅延も少ないなどの利点もある。

 本記事では、ハートコア株式会社CSO CX本部 本部長 宮本海氏に5G時代のウェブサイトのあり方を聞いた。

5Gの本格普及でウェブサイトの受ける影響

 時間や場所を問わず、高速で大容量のリッチコンテンツの配信が可能になるため、今後のアプリケーションが現在のものとは別のものへと進化するのは間違いないといえる。瞬間瞬間に必要な情報をダイレクトに提示する仕組みが待たれている。

 今後、1990年代後半から2010年の間に生まれた世代を指すGeneration Zが社会の主役として存在感を増してくる。1秒以上待たない判断の速さ、シェアをしたがる、ソーシャルメディアを重視するという彼らのベースは何よりもオンラインであること。ウェブコンテンツの配信環境に、直接影響を受ける世代といえる。

注目をあつめるデジタルエクスペリエンスプラットフォーム

 そこで、重要な進化の1つとして注目されているテクノロジーが、「デジタルエクスペリエンスプラットフォーム」と呼ばれる分野のアプリケーションである。大まかにはCMS(Contents Management System)にMA(Marketing Automation)ツールを合わせたようなものと定義できる。ウェブやスマホアプリ上でパーソナライズされたコンテンツを掲出するプラットフォームとして、注目を集めているのだ。

 デジタルエクスペリエンスプラットフォームの特徴は、ウェブ上でのコンテンツ配信において、行動履歴をベースにしたセグメンテーションデータによるターゲティング、顧客の特性に合わせたコンテンツの表示、ABテストの実施など、顧客を徹底的に意識することにある。技術視点で見ると、興味深いポイントを見つけることができる。

カスタマージャーニーを最適化したい

 現在のいわゆるカスタマー(顧客)ジャーニーには大きな課題がある。それは、顧客が現実にはさまざまな情報システムやオンライン、オフラインのアプリケーションにかかわっており、その相互連携の中で生活しているにも関わらず、現状のマーケティングや営業活動上は、その実態を把握していないことである。

 そのため、企業が持つ顧客データはサイロ化し、顧客のイキイキとした消費生活が反映されていないものになっている。カスタマージャーニーを最適化するためには、こうした情報を統一した上で、顧客ビューをつくる必要があるのである。

HeartCore CXM Cloudが打ち破った常識

 従来のCMSでは突破できなかった壁を取り払い、顧客を立体的に把握することを可能にするアプリケーションをCXM(Customer Experience Management)と呼ぶ。デジタルエクスペリエンスプラットフォームの1つだ。そのCXMの1つとして注目されているのがHeartCoreのクラウドサービスであるCXM Cloudである。

 HeartCore CXM Cloudの特徴は、コンテンツを配信する際に、自ら持つデータだけでなく、外部CDP(Customer Data Platform)と連携してさまざまなデータを収集できるオーケストレーション技術にある。例えば、CRM、MA、ERP(統合基幹業務システム)、DMP(Data Management Platform)、SFA(Sales Force Automation)、その他基幹システムと連携してデータを収集し、セグメンテーションまでした上でCXM Cloudと連携するのである。

 結果として、巨大な共通顧客基盤機能ができあがる。これによって、ERPやCRMシステムを見なくてはわからなかったような個人のスキルやし好、スキルなどを把握した上で、コンテンツを配信できるのである。


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ヘッドレスが実現する柔軟な配信

 CXM Cloudにはもう1つ大きな特徴がある。従来のコンテンツ管理と一線を画す「ヘッドレスCMS」と呼ばれるシステムを中核エンジンとしている点である。そこから上のテンプレート管理やコンテンツ生成、配信の仕組みがまったく異なるのだ。図のように、データベースや管理画面などのバックエンドの仕組みまでは概ねこれまでのCMSと同じだが、端末に表示情報を配信する部分が抜け落ちているように見えるのである。

 実際に、配信するためのフロントエンドの機能は存在せず、コンテンツの表示部分の情報をAPI経由で連携した上で、端末側で実施するのである。情報を受け取る端末側が自らに合ったレンダリングをするため、PCやスマートフォンをはじめ、デジタルサイネージなど、さまざまな端末を相手に、自由かつ最適化した形でコンテンツを配信できるのである。PCやスマートフォンアプリといった基本的なデバイスに対しては、フロントエンドでハードコーディングせずともコンテンツをレンダリングできるSDKも提供している。


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あらゆるデバイスに情報を配信

 データオーケストレーションとヘッドレス。デジタルエクスペリエンスプラットフォームの中核となるこの2つのテクノロジーは、コンテンツの在り方そのものを根本的に変えるといえるほどのインパクトを持っている。顧客接点はPCなどに限られることはなく、スマートフォン、IoT、デジタルサイネージ、ソーシャルメディア、マーケティングオートメーション、さらにPWA(Progressive Web Apps)などの仕組みが登場するなど、多様化の一途をたどっている。

 PCはもちろん、スマートフォン、街中や電車の中に設置されているデジタルサイネージ端末も使い分け、コンテンツを配信することでマーケティング効果を狙う。あらゆるプラットフォームに対して一元的にコンテンツを配信できるプラットフォームの整備が急務になっていると同時に、これからの企業にとって代えの効かない武器になると考えられる。

Cookieの衰退とファーストパーティデータへの注目

 ここにきて、データマネジメントに変化の兆しが見えてきている。Cookieにより個人データが筒抜けになっているといった不安が持ち上がる中、Appleが進めるプライバシー保護技術が話題になっている。また、EUにおける個人情報保護に関する法律である一般データ保護規制(GDPR)などによる制約事項の増大もあり、Cookieの衰退が見えてきているのである。

 Cookieの衰退により、他社が提供を受ける「サードパーティデータ」を活用するマーケティングに陰りが見えてきている。そこで注目されているのが、自らの手で収集する「ファーストパーティデータ」なのである。オーケストレーションで出自の異なるさまざまなデータをファーストパーティデータとしてCDP上に統合し、顧客ごとに最適なコンテンツを、あらゆるチャネルにリアルタイムで配信できるプラットフォームを構築しておく――5G環境でGeneration Zが活躍する次の時代のウェブコンテンツ配信において、欠かすことのできない取り組みになってきそうである。そして、技術水準が高く、口で言うほど実装が簡単ではないこの技術を、クラウド形式で導入できることも、革新の1つといえる。

提供:ハートコア株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2019年12月31日
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