《第2回》HP Moonshot Systemによるリモートデスクトップ導入の実際

HDIならではのユーザーメリット

――パフォーマンス不足が解消できるとビジネスの成果も変わりますね。

小川氏:その通りです。まず、ユーザーの使用体験をご紹介しましょう。オフィスアプリケーションは皆さん毎日お使いのことと思います。HDI環境では、ブラウザやExcelスプレッドシート、パワーポイントやPDF資料がスムーズにスクロールしないとか、動画が細切れにしか再生できないといった問題は発生しません。マルチコアとGPUを使うことを前提につくられた昨今のオフィスアプリケーションに対し、HDIならそれに見合ったハードウェアリソースを提供できるからです。

 また、建設現場や工場などPCを持ち込めない場所で、設計図面やモデリングデータを参照するためにタブレットPCを使うといった用途も広がっています。これまで、「シンクライアントではとても無理」と思われていた用途の壁が、HDIによってどんどん取り払われています。


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 もうひとつ着目いただきたいのが「BYOD」への対応です。個人所有のノートPCやタブレット端末を会社業務で使うにあたって、社員は最新のスペックを備えた高性能な機器を持ち込みます。ノートPCには、自前のオフィスアプリケーションがインストールされています。そのように想定しましょう。

 HDI環境であれば、リモートデスクトップ接続しても高いレスポンスが期待できますので、ユーザーは違和感なく使えるでしょう。では、接続先が先ほどのようなVDI環境ではどうなるか。自分のPCは速いのに、VDIに接続すると非常に遅くなる。ストレスを抱えたユーザーは、どうにかしてローカルで仕事をしようと試みます。ここにクライアントセキュリティ上の大きなリスクが生まれてしまうわけです。実際に起こり得る問題であり、VDI環境そのものが破綻するリスクも内包しているのです。

――VDIとHDIでは、運用管理はどのように違いますか。

小川氏:HDIとVDIそれぞれのシステムで最大の違いは「仮想化レイヤー」の有無です。VDIは仮想サーバー環境やストレージ管理に精通していなければ運用が難しいのに対して、シンプルな物理環境だけのHDIはWindowsクライアント管理のノウハウでほとんどの運用が可能です。導入時のサイジングが不要なこともHDIのメリットと言えるでしょう。

 HDIでは、HP Moonshot Systemのシャーシに内蔵された管理モジュールが、サーバーカートリッジの稼働を監視して問題の検知と通報を行います。従来のようなハードウェア監視サーバーを設置する必要はありません。

 もうひとつ重要なポイントがあります。本格的なデスクトップ仮想化基盤を構築するには、併用するソフトウェアの「管理サーバー」を構築するケースがありますが、HP Moonshot Systemではシャーシ内に管理用のサーバーカートリッジを搭載することができます。HP Moonshot Systemの1ボックスの中に、150~160ユーザー分の高性能なリモートデスクトップ環境と管理サーバー、認証サーバー、接続ブローカーなどを統合することができるのです。


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――HDI導入にあたって留意点があれば教えてください。

小川氏:HDIはVDIと相容れない関係ではありません。なぜなら、Citrix XenDesktopといったVDI向けのソフトウェアをそのまま利用できるからです。このようなVDI環境を既存でお持ちの場合、置き換えるのではなくそのまま活かし、HDI環境を追加して共存させることも可能です。既存のVDI環境を使い続け、高いパフォーマンスを求めるユーザーにHDIを割り当てるような「VDIとHDIのハイブリッド環境」も可能ですから、大容量データを扱うユーザー/ヘビーユーザーに対するケアも万全になります。数年前に導入したVDIシステムの接続ブローカーやファイルサーバーをそのまま活用して、VDI環境をHDIに置き換えるような事例も増えています。

 また、より一層のコスト削減が必要な場合、Windowsの標準機能である「リモートデスクトップ接続」を使って、直接HP Moonshot Systemとアクセス端末を接続する方法も選べます。接続ブローカーなどのソフトウェアを介さないシンプルな構成です。物理環境であるHDIならではの構成ですが、接続や運用を手動で行う必要がありますのでトレードオフを十分に考慮することをおすすめします。


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――HDIはこれからどのように発展していくでしょうか。

小川氏:米HPのバイスプレジデントでありHP Moonshotビジネスを統括するポール・サンテラーも発言していますが、「HDI」はMoonshotビジネスを強力に牽引しています。国内数千ユーザー規模での導入、DaaS基盤としての採用などを含め、日本HPのHDIビジネスも大きな伸びを示しています。HPでは、複数のリモートデスクトップ向けサーバーカートリッジの開発を進めており、今後さらにラインアップを強化していく計画です。

 VDIでもHDIのような現行PCと同じパフォーマンスは不可能ではありません。しかしながら、VDIでこれを実現するにはサーバー/ストレージを大幅にリッチな構成にするか、集約するユーザー数を削減して1ユーザーあたりのリソースを十分に確保する必要があります。どちらも導入コストを上昇させる大きな要因です。VDI導入後にサーバーを増設したり、フラッシュストレージを追加してパフォーマンス不足を改善することは珍しくありませんが、企業にとっては「予期しなかった追加投資」に他なりません。

 私は、VDIを検討されているお客様に必ずお聞きしています。「そのVDI環境は、5年間ストレスなく使い続けられますか」と。

提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
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