日本IBMが主催する今年最大の国内総合イベント「IBM Watson Summit 2017 ~Cognitive and Cloud~」が、いよいよ4月27日(木)から2日間にわたって東京都内(グランドプリンスホル新高輪)で開催される。
コグニティブ・ビジネスはすでに世界中の多くの企業や組織で実用段階に入り、その成果を競い合う時代に突入している。今回のWatson Summitでは、そうした時代の流れを反映し、単にコグニティブ・ビジネス実現の核となるAIプラットフォームであるIBM Watsonや、データ活用を前提に設計されたクラウド・プラットフォームであるIBMクラウドの技術的な解説だけにとどまらず、それらの技術を活用した新たなビジネス・モデルや先進的な事例が数多く紹介される。
ちなみに、IBMではコグニティブ(Cognitive)のことを「人間が問題を提起すると、システムが膨大なデータからその問題の解決策を導き出して回答することを可能にする技術」と位置づけている。また、「AI」のことは「Artificial Intelligence(人工知能)」ではなく「Augmented Intelligence(知能拡張)」と定義している。つまり、AIはあくまでも人間や社会のための技術であり、人間とともにビジネス価値の創造や業務の革新に積極的に活用できるものと位置づけている。
今回のWatson Summitのもう1つの特徴は、参加費を有料(50,000円)に設定していることだ。日本IBMがこのように大規模な自社総合イベントを有料で、しかもこの価格設定で開催するのはじめてのことだ。その理由は、セッションの数と内容の充実ぶりを見れば明らかだ。実際にセッションの数は、IBM WatsonやIBMクラウドを活用した事例を中心に85セッションを上回っており、それらのセッションと連動するソリューション展示ブースも53に達している。また、パートナー展示の数も前回に比べて約30%増加しているという。
さらに、セッションの動画をイベント会場内にライブ配信するWatson TV(仮称)や、IBM WatsonやIBMクラウドを利用したリアル・ソリューション・デモ展示場所、コグニティブ・ビジネスに関する商談が可能な相談ラウンジ(要事前申込)も設置されることになっているほか、セッション・オンデマンド放送の視聴を申込者限定で利用できるようにする予定だ。
Day1ビジネス・リーダーの構想を具現化
業界、ビジネス、開発手法、データ解析などの世界に変革をもたらす
初日の27日は「ビジネス・リーダーの構想を具現化する」をテーマに45本のセッションが繰り広げられる予定だ。午前中のゼネラルセッションでは、「WatsonとIBMクラウドで経営改革に挑む」と題して、三井住友銀行で取締役専務執行役員を務める谷崎勝教氏やソフトバンク株式会社でCEOを務める宮内謙氏など、日本を代表する企業の経営者やビジネス・リーダーやIBMリサーチを統括するシニア・バイス・プレジデントであり、ハイブリッドクラウド事業のゼネラル・マネージャーであるアービンド・クリシュナ氏が登壇し、経営課題を解決する実践的な情報や顧客事例、世界展開の取り組みなどを紹介する。また、午後からセッションでは、「コグニティブ・バンキング-次世代金融ビジネスモデル変革」、「AIで企業を強くする」などの特別講演も用意されている。
午後のセッションでは、その他にも、「業界の変革」「ビジネス・モデルの変革」「コグニティブによる専門性の再定義」「開発のイノベーション」「データ活用によるビジネス創出」「クラウドで加速するビジネス変革」という5つのテーマのトラックが用意されており、業務革新やビジネス価値創出の事例など44本もの講演が行われる予定となっている。
Day2テクノロジー・リーダーの疑問を紐解く
企業IT、セキュリティー、モバイル、データ解析などの進化を探る
2日目の28日は、「テクノロジー・リーダーの疑問を紐解く」をテーマに48本のセッションが繰り広げられる予定だ。午前中のゼネラルセッションでは、「データ活用とクラウドでイノベーションを起こす」と題して、宇宙飛行士の山崎直子氏をはじめ、楽天で執行役員を務める茶谷公之氏やWatson Platform のゼネラル・マネージャーであるベス・スミス氏、日本IBMで取締役専務執行役員 IBMクラウド事業本部長を務める三澤智光氏など企業のテクノロジー・リーダーが登壇し、コグニティブ時代のクラウド・プラットフォームについて、ビジネス変革のヒントや活用事例、最新技術情報をテクノロジーの視点から紹介する。また、午後のセッションでは「研究開発から見たIBMのコグニティブ・コンピューティング技術基盤の優位性」「ディスラプター(破壊者)の条件 --先進テクノロジーとオープン・イノベーションで市場をリードする」などの特別講演も用意されている。
午後のセッションでは、その他にも、「ハイブリッド・クラウド時代のエンタープライズIT」「コグニティブ時代のセキュリティー」「モバイルを起点とするビジネス」「クラウドとアナリティクスで変革する業界」「オープン・イノベーションで変革するビジネス・モデル」という5つのテーマのトラックが用意されており、最新技術情報や活用事例など47本もの講演が行われる予定となっている。
コグニティブとクラウドがこれからの社会で、どのように人の可能性を拡張していくのか。その現実解を2日間のセミナーを通じて体感して欲しい。