「AI」や「人工知能」といった言葉がメディアでもてはやされるようになって久しい。そのポテンシャルが理解されるにつれ、物珍しさから関心を持たれる時期は過ぎ、論点は「自社のビジネスでAIをどのように活用すべきか」へと移ってきたようだ。AIが全てを置き換えるのではなく、かといって従来通りのやり方に固執するのでもなく、AIと人間が蓄積してきたナレッジとをうまく組み合わせることで、いかに新しい価値を生み出すかーー。
日本IBMは2017年4月27日、28日の2日間に渡って、コグニティブテクノロジー「Watson」を軸としたカンファレンス「IBM Watson Summit 2017」を開催し、さまざまな業種・業界におけるWatsonの活用事例を通じて、人とコグニティブテクノロジーの相乗効果によって生まれる新たな価値を紹介した。

日本アイ・ビー・エム株式会社
執行役員 ワトソン事業部長
吉崎 敏文
キーノートセッション「IBM Watsonが広げるビジネスの可能性〜Watsonを活用したお客様事例」において、日本IBMの吉崎敏文氏は、「Watsonは遠い未来のテクノロジーではなく、今、皆さんのすぐ近くにある技術だ」と述べた。欧米に比べやや遅れていた感のある日本市場だったが「昨年は日本でも200社以上、それもほとんどの業種のフロントランナーと呼ばれるお客様に導入いただき、日本市場の立ち上がりを実感している。今年はその裾野を一気に広げる重要な年だ」という。
Watsonが広く知られるようになったきっかけは、米国の人気クイズ番組「Jeopardy!」に挑戦し2人のクイズ王に勝ったことだろう。だが今や、活躍の場は幅広い業種におけるビジネスの現場へと広がっている。「クラウド上で最も早くWatsonを商用化したのはヘルスケア業界だった。Watsonが科学的に裏付けられたエビデンスと共に、有効である可能性を持った治療方法を提示し、ドクターの判断を支援するといった形で立ち上がっている。また、Watsonは、金融やコンタクトセンターをはじめいろんな形で活用されている」(吉崎氏)
IBMでは幅広い分野での適用を支援すべく、10カ国語以上をサポートしてグローバルな展開に対応するとともに、「アプリケーション」「AI」「データ」「クラウド」という4つのレイヤからなるアーキテクチャに基づいてWatsonソリューションを提供してきた。いずれもクラウドや専有環境、あるいはその中間など、インフラの形態を問わずに活用でき、様々なWatson APIを介して、ニーズに応じて柔軟に組み合わせ、さまざまなシナリオを実現できることが特徴だ。
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