デジタルワークプレイスにMicrosoft 365を採用
セキュアな環境で社員の満足度と業務生産性を向上

 1881年3月、前身である光明社として設立され、日本で最も長い歴史を誇る総合塗料メーカーである日本ペイント。2021年に策定されたグループ全体を貫く存在意義である「Purpose(サイエンス+イマジネーションの力で、わたしたちの世界を豊かに。)」に基づき、建築用塗料、自動車用塗料などの製造、および販売の事業を、欧米、アジア、オセアニアなど、世界30の国と地域で展開している。

日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 IT&ソリューション部 アプリケーション開発グループ リーダー 清水 亮氏
日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社
IT&ソリューション部
アプリケーション開発グループ
リーダー 清水 亮氏

 2022年に売上収益1兆2,000億円、営業利益1,150億円を目指している。2021年4月には、経営体制を刷新。その一環として2022年1月に、日本ペイントホールディングスから国内のオペレーションに関する共通機能を継承し、日本ペイントグループ各社の事業成長を支えるモノづくりの根幹をなすサポート業務から技術開発・研究までを支援する日本ペイントコーポレートソリューションズを新たに設立している。

 日本ペイントコーポレートソリューションズでは、ICTインフラ構築や情報システムに関する業務も推進。長年利用してきた古いグループウェアをMicrosoft 365 E3(以下、Microsoft 365)に刷新し、スムーズかつ安全に業務を遂行できる「デジタルワークプレイス」を全社展開。セキュリティを担保しつつ、いつでも、どこでも、どんなデバイスでも働くことができる環境を整備することで、社員の満足度と業務生産性の向上を目指している。

 Microsoft 365にリプレイスした背景を、日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 IT&ソリューション部 アプリケーション開発グループ リーダー 清水 亮 氏は、「2019年~2020年にかけて経営体制が刷新され、それに伴いITも含めた業務改革がスタートしました。当時の経営から“まだ古いグループウェアを使っているのか”という一声があったことや、2018年末に古いグループウェアが他社に売却されることが決まったなどの理由から、世の中の流れも考えてMicrosoft 365にリプレイスすることを決定しました」と話している。

グループ全体、約4600名がMicrosoft 365を活用

 Microsoft 365へのリプレイスは、2019年7月よりプロジェクトをスタート。まずは2020年4月に設立されることが決まった東京本社の500ユーザー向けにExchange online(以下、Exchange)を導入することを決定する。しかし2020年初めより、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)が拡大し、全社でテレワークを導入することが必要になったことから、Exchangeの導入と並行して、Microsoft Teams(以下、Teams)を導入することに方針を転換した。

 清水氏は、「当時、世の中の多くの大企業がMicrosoft 365を採用しており、日本ペイントの海外主要グループの多くも、Microsoft 365を採用していたので、選定にあたり他社のサービスとの比較は不要でした。クラウドサービスであるMicrosoft 365は、オンプレミスに比べて短期導入が可能。Teamsの導入を意思決定した翌週には多くの社員がビジネスチャットやウェブ会議を利用できる状態を実現できました。コロナ禍により在宅勤務がメインになったことから、Teamsがどんどん使われるようになり、すぐに定着しています」と話す。

 東京本社への導入が完了したことから、2020年7月より残りのグループ企業への展開を開始。2020年末までに主要なグループ企業への展開が完了し、2021年6月にはすべてのグループ企業への展開が完了した。現在、国内グループ全体で、約4600名が活用している。清水氏は、「実際にExchangeやTeamsを使ってみると、操作性もよく、使いやすいことから、ほかのグループ企業からも早く使いたいという要望が多く、前倒しでの導入につながりました。コロナ禍による状況の変化が、今回は功を奏した感じです」と話す。

日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 IT&ソリューション部  アプリケーション開発グループ グループマネージャー 楠本貴幸氏
日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社
IT&ソリューション部 アプリケーション開発グループ
グループマネージャー 楠本貴幸氏

 Microsoft 365を中心としたデジタルワークプレイスの実現では、テレワークなどのニューノーマルな働き方を狙ったサイバー攻撃から企業を守る、ゼロトラストという新しい概念を取り入れた、より高度なセキュリティが必要になる。IT&ソリューション部 アプリケーション開発グループ グループマネージャーの楠本貴幸氏は、「デジタルワークプレイスでは、セキュリティを担保しつつ、ユーザーの利便性向上も必要でした。そこで、Azure Active Directory(以下、Azure AD)が有効です。Azure ADは、他社のサービスやアプリもサポートしているので安心して利用できます」と話す。

 Azure ADでは、クラウドサービスのシングルサインオン(SSO)やプロビジョニング、アクセス制御機能の条件付きアクセスを利用。また、エンドポイント管理であるIntuneのモバイルアプリケーション管理(MAM)により、添付ファイルのダウンロードや転送の禁止などのセキュリティ制御を、すべてのユーザーに適用しており、多要素認証(MFA)との組み合わせでモバイルアプリをより一層セキュアな状態で提供している。

 清水氏は、「認証機能をAzure ADに統一できたことにより、利用者のより一層の利便性向上を実現できました。また、Microsoft製品との親和性が向上したことで、今後のサービスについても安心して利用できる環境が整いました」と話す。

 Microsoft 365の導入において、一時的にサードパーティ製のIDaaSを採用していたが、各サービスにおける設定のニーズに対し、柔軟な設定ができないなどの課題があった。そこでAzureADの機能を検証したところ、サービス、利用ユーザー、ネットワーク、デバイスなどを条件に、数多くの設定のバリエーションを作成し、柔軟な制御ができること、認証強化対策の多要素認証(MFA)が実現できることを評価したこともMicrosoft 365への移行を決めた理由の1つだった。

 IT&ソリューション部 クライアントサービス&サービスグループ 関 佳斌氏は、「Microsoft 365に含まれる、Enterprise Mobility + Security(EMS)などのセキュリティ機能は使わなければ損です。現在、オンプレミスのActive Directoryの情報をAzure ADに同期しています。ユーザー情報の設定は不要で、条件ごとの設定はGUIで容易に操作できるので、高度な専門知識がなくても管理できるので便利です。今後はIntuneとAzure ADも連携し、ユーザー情報だけでなく、デバイス情報の一元管理や制御も実現したいと思っています」と話している。

共通プラットフォームとして導入できるのが最大のメリット

 Microsoft 365を採用したメリットは、標準で利用できるアプリケーションが豊富に用意され、導入後も必要に応じて機能追加やアプリのアップデートされることである。また各サービスのUIも使いやすく、直感的に操作できるようにアップデートされていることもメリットの1つ。関氏は、「利用者からは、UIが使いやすいとか、プッシュ通知で気がつく、以前はメールを見るためだけにPCを持って帰ることが必要だったがPCを持ち帰る必要がなくなったので助かるなどの感謝の言葉を数多くもらいました」と話す。

日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社 IT&ソリューション部 クライアントサービス&サービスグループ 関 佳斌氏
日本ペイントコーポレートソリューションズ株式会社
IT&ソリューション部
クライアントサービス&サービスグループ
関 佳斌氏

 「Microsoft 365は、コラボレーション、セキュリティ、OS、仮想化のライセンスまで含まれているので、親和性も高く、利便性も高い、トータルにすぐれたサービスだと思います。たとえばIntuneは、クラウドサービスなので、オンプレミスのサーバやDMZを準備する必要がなく、約4カ月という短期間でモバイルアプリの制御を実現できたので本当に魅力的だと感じました」(関氏)。

 導入時には、社内説明会や全社向けの情報発信を実施。Microsoft 365を活用することで得られる付加価値をPRすることで、ユーザーが変化を受け入れる雰囲気作りを繰り返し行っている。これにより、社内のコミュニケーションの主体が、Teamsに置き換わっている組織が日増しに増えていくのを実感できたという。また現場では、FormsやStreamも活用され、最近ではSharePointの活用も進んでいる。

 清水氏は、「以前は、アンケートやeラーニング、情報共有などをしたい場合、IT部門に依頼が必要なため、実現までに1~2週間かかっていました。Formsを使うことで、ユーザーが容易にアンケートを作成して実施でき、Streamはトレーンングのビデオを容易に配信できます。人事部門や総務部門では、すでにFormsを使って活発に全社アンケートを実施しています。SharePointを活用した情報共有や社内広報を実現したことで、スマートフォンを使って社外からでもアクセスできるようになっています」と話す。

 「これまでは必要な機能を組み合わせて、部分最適で導入することが必要でしたが、Microsoft 365はグループ全体の共通プラットフォームとして導入できるのが最大のメリットです。必要な機能がすべてそろっているので、ユーザーの要望に迅速に応えることもできます。将来的にも、マイクロソフトが必要な機能を追加してくれる安心感もあります。コロナ禍において、Microsoft 365がなかったらどうなっていたのか、仕事ができていたのかを考えるとゾッとします」(清水氏)。

 Microsoft 365の導入におけるマイクロソフトのサポートについて関氏は、「今後もデジタルワークプレイスを充実させていく方針なので、ハイブリッドワークに適合したMicrosoft 365のアプリケーション開発・機能追加を期待しています。またユーザーの利便性、安全性、コスト削減を重視しながら、既存の仮想環境やIT環境の見直しも考えているので、そのための提案やサポートも期待しています」と話している。

今後はMicrosoft 365という幹に、いかに花を咲かせるかが重要

 Microsoft 365の全社展開は一段落したものの、古いグループウェアやウェブ会議システムなど、まだいろいろなサービスが乱立しているのが実情である。スマートフォンの活用もまだ十分ではなく、アプリケーション側の制約で、社外から利用できないものもある。ペーパーレス化も思ったようには進んでいない。そこで、既存のサービスをできる限りMicrosoft 365に集約し、より一層シンプルなシステム構成を実現することで、さらなる利便性の向上を追求していく計画という。

 楠本氏は、「IT環境の提供のみではなく、社員がそれらを使いこなし働き方を変革できるように活用を促進していきます。そのためにはユーザーのITリテラシーを向上させていくことも必要ですし、草の根運動で培った小さな成功体験を、全社に拡大していくカルチャーを醸成し、働き方改革を推進させていきたいと思っています。そのためには、Microsoft 365の利活用はもちろん、RPAの導入やBIの活用推進なども進めていきます。Microsoft 365という幹はできたので、あとはどのように枝葉を伸ばしていき、花を咲かせるかが重要になります」と話している。

提供:日本マイクロソフト株式会社
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