企画広告 提供:株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ

AI時代におけるERP設計の主流は 「疎結合+イベントドリブン」 データの“神経系”を企業の隅々に張り巡らさせ、 変化に即応する経営へ

クラウドERPやSaaSの普及により、従来のような密結合型の業務システム設計が限界を迎えつつある。そんな中、システム内で発生した「出来事(イベント)」をきっかけに別の処理を連動させる「イベントドリブンアーキテクチャー(EDA)」を用いた疎結合型の設計手法が注目されている。そこで、NTTデータ グローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)はSolace Corporationと連携し、国内でのSAP ERP導入時にEDAを活用した基幹システム設計を積極的に提案している。これからのSAP導入になぜEDAが有効なのか、両社に聞いた。
(聞き手:ZDNET編集長 國谷武史)

従来の同期型・バッチ型の業務システム連携が限界を迎える

――SaaSやクラウドERPの普及で連携先が増え続け、システム環境の複雑化が進む今、企業ではどのようなことが起き、どのような課題が生じているのでしょうか。

岡田氏企業内では現在、自社開発からSaaSまで1社あたり2000~3000種類のアプリケーションが使われ、それに伴ってシステム連携も以前より複雑化しています。社内ではDXを推進するためにその複雑な状況の改善を検討するのですが、たくさんのアプリケーションを使っていくうえでさまざまな制限があるため、多くの企業が最適解を見出せずにいます。

Solace Corporation 戦略営業本部 本部長 岡田 學氏
Solace Corporation 戦略営業本部 本部長 岡田 學氏

小林氏社内のERPシステムには、たくさんのシステムからデータが集まってきます。それが以前は自社内に構築されたシステムおよびネットワークからのものでしたが、昨今ではクラウド化の加速で多数のSaaSが使われるようになり、データ連携も製品ごとに行う形なのでデータの取り扱いやジョブの組み方がどんどん難解になっている状況です。

NTTデータ グローバルソリューションズ 第一事業本部 Digital & Technology事業部 Data Platform & Innovation統括部 Unit 1 シニア・マネージャー 小林 健一郎氏
NTTデータ グローバルソリューションズ
第一事業本部 Digital & Technology事業部 Data Platform & Innovation統括部
Unit 1 シニア・マネージャー
小林 健一郎氏

 データ連携の在り方自体も、従来はバッチや時間起動での連携で十分でしたが、AI活用を視野に入れると、アウトプットの質を上げるためにリアルタイムなデータ連携が必要になるという新たな課題も見えています。

米倉氏SAPを導入する際にも、既存システムとのつなぎをどうするかという問題が生じています。SAP社は現在、肥大化していたアドオンの拡張開発を外部PaaSのSAP BTP環境に流す「Clean Core」を提唱していますが、その結果、今までSAP内で完結していた部分を外出しするため、外部連携が増えます。


NTTデータ グローバルソリューションズ 第一事業本部 Digital & Technology事業部 Data Platform & Innovation統括部 Unit 4 アーキテクト 米倉 大登氏
NTTデータ グローバルソリューションズ
第一事業本部 Digital & Technology事業部 Data Platform & Innovation統括部
Unit 4 アーキテクト
米倉 大登氏

 その際に、リアルタイム性を保持しつつ、ジョブを意識しない形で、自動的に1対n方式で簡単につなげるようにしていく形が求められるため、それを実現する手段としてERPのコアと拡張機能を疎結合でつなぎ、EDAで連携させるという手法が採用されています。

「業務が動いた瞬間=イベント」を起点にシステムが自律的に反応する世界観

――EDAとはどのような仕組みで、従来の同期型・バッチ型の連携方式とは何が違うのでしょうか。

岡田氏従来の仕組みは、人が制御した「計画(Plan)」がベースにあり、それに沿ってフローが流れていきました。一方、イベントドリブンに計画はありません。最初のイベントさえ発火すれば、その後はフローが自律的に動いていく形になります。

 EDAは従来の業務システムにも有効ですが、AIエージェントの活用が進むほど必要になります。AIは人をはるかに上回る量のやり取りを行うため、発生したデータをリアルタイムに流通させる仕組みがなければ、業務が回らなくなるからです。

小林氏イベントドリブンなシステムでは、ユーザーが業務を遂行した瞬間に、その結果がほかのシステムにも反映されます。リアルタイム連携でなくても業務は回りますが、より業務を効率化したりデータ分析を最適化させたりするためには、システム間のデータの同期のずれ(タイムラグ)をなくすべきです。

対談風景写真
――そうした考え方は、SAPをはじめとするERPの導入・設計の現場では、どのように生きてくるのでしょうか。

米倉氏SAP導入の現場でも、同じ課題に直面します。多くの業務がERPの外側に出るとバッチ連携では処理が遅くなり、ユーザーとしてはリアルタイム性の確保が課題になります。その際に従来の考え方ではどんどん作り込みでつないでいくという話になりシステムが肥大化していくので、イベントドリブンの設計思想が有効になるわけです。

リアルタイム連携の鍵を握る「Advanced Event Mesh」

――先般NTTデータGSLでは、SAP S/4 HANAの新規導入プロジェクトでEDA型の設計を採用したと伺いました。その際にデータ連携で課題に直面したそうですが、検討から実装までのプロセスでどのような問題が生じ、それをいかに解決したのでしょうか。

小林氏イベントドリブンでデータのリアルタイム連携を実現するにあたり、業務を行う際に1つのシステム上でデータの入力や更新、削除というデータごとの順序性をどう担保するかという問題が浮上しました。それを、SAPが提供しているiPaaS「SAP Integration Suite」に含まれている「Advanced Event Mesh」というメッセージブローカーエンジンによって解決しています。

 Advanced Event Meshでは、イベントが発行されるとデータを1つの場所に溜めていくのですが、その際にデータの性質ごとにグループ分けした箇所に入れていき、その中でどのグループを先にシステムに送るかを管理することで順序性の問題が解決できるようになっています。

米倉氏既存のシステム運用では、データの送り方や、エラーが起きたときの復旧の手順が確立されています。一方で、それがイベントドリブン型ではどうなるのか、導入を進める中でお客様から問われることが多くありました。

 この点についても、Advanced Event Meshには制御機能が備わっています。処理に失敗すると自動でリトライし、エラーが起きた場合は該当のキューを削除して正しいキューを流し直します。こうした仕組みをご説明することで納得いただき、運用を固めていくことができました。

対談風景写真

岡田氏Advanced Event Meshは、データを流通させるプラットフォームです。データを流し込んでもらえばその先の連携も担保し、それがほぼリアルタイムでつながるようになります。開発者にとってはAdvanced Event Meshにつなぐだけで済むようになり、受け取る方にもデータが正しい順番で確実に届きます。データ連携がシンプルになるので、構築時のテストをはじめ、導入後のメンテナンス時や新しいシステムを試す際にも作業が楽になります。

 旧来のSAP環境では、一つの連携を変えると他の多くの箇所に影響が及ぶため、やりたくても手を出せない連携がありました。Advanced Event Meshを使えば、そうした連携も気兼ねなく実現できるようになるのです。

クラウド、エッジ、オンプレミス環境を横断し、リアルタイムデータ活用を支援
クラウド、エッジ、オンプレミス環境を横断し、リアルタイムデータ活用を支援

「つなぐだけ」がもたらす効率化と運用負荷の軽減

――EDAやAdvanced Event Meshを採用したユーザーには、具体的にどのような効果が見られましたか?

小林氏まずは先述の通り、リアルタイム性や順序保証といった構造的な優位性が挙げられます。そのほかにユーザー側でも効果が見られました。従来は、基幹システムからワークフローシステムへマスタを連携する仕組みがなく、API連携も難しかったため、人手の作業が残っていました。SAP環境に寄せたことでイベントドリブン型の自動連携が可能になり、その作業が解消されて業務が効率化されました。

米倉氏開発段階では、ERP側の開発者とつなぎ先のシステム開発者の間で、コミュニケーションコストが圧倒的に減りました。Advanced Event Meshにつないでおけばよく、データの形さえ決めておけば、それぞれ独立して開発を進められるためです。現場からは「ジョブを組まなくていい」という声も上がっています。

岡田氏従来のフローではどこかで何かが起こったらシステムが止まり、作業の中断が起こります。ですが、Advanced Event Meshは疎結合なので、どこかが落ちても全体は動いていて復旧した時に処理を流すため、システムエラーも減っていると思います。

AI活用を見据えてデータ活用環境の整備を

――最後に今後の展開や、SAP案件でEDAの導入を検討する企業に対するメッセージをお願いします。

米倉氏開発視点ではハードルもいくつかあると思いますが、実際に導入してみると設定するだけでフローを増やしたり減らしたりできるようになり、今後のシステム拡張がとても楽になります。それが企業のIT環境にとって、大きなメリットになることは間違いありません。皆様には、ぜひそこを感じ取っていただきたいですね。

小林氏正直まだ国内では、ERPにおけるリアルタイム連携の重要性が浸透していないという印象を受けます。ただし今後AIの活用が加速していく中で、先にリアルタイム連携の環境を整備しておいた方がAIエージェントも導入しやすくなりますし、そこは我々もしっかりと発信していかなければならないと考えています。それを認識して利便性に気付いていただけさえすれば、EDAは一気に波及するテクノロジーだと思うので、これまで培ってきたSAP導入の知見も踏まえて今後サービス展開を加速させていきます。

岡田氏Solace Corporationとしては、NTTデータGSLが持つSAP領域の豊富な経験に私たちの技術を組み合わせることで、お客様の業務変革を確実に実現できるように支援していきます。また、ERP導入という観点だけでなく、導入していただいた企業全体のリアルタイム経営基盤の構築を含めたより広範囲な提案も、両社連携のもとで実施していく計画です。

――本日はありがとうございました。
提供      :株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ 企画/制作   :株式会社4X メディア&データ本部 営業部 掲載内容有効期限:2026年10月31日
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