日本オラクルが10月23日に発表した「Oracle FS1 Flash Storage System」は、フラッシュメモリに最適化されたハイエンドSANストレージ。その最大の特徴は、ビジネス優先度に応じてシステムリソースをインテリジェントに最適配分できる独自のQoS機能だ。
拡張性、性能、高付加価値機能で競合優位を獲得

Oracle FS1 Flash Storage System
「Oracle FS1 Flash Storage System」(以下、Oracle FS1)は、フラッシュメモリ(SSD)のみでの構成に対応したSANストレージ製品。パフォーマンス重視のSLC SSDと容量重視のeMLC SSDの両方に対応し、両者を混載することができる。さらに高速HDDと大容量HDDを併用することも可能で、4階層(フラッシュ2階層+HDD2階層)の階層化ストレージを構成することができる。
2ノード構成時の最大容量は、フラッシュのみの場合で912TB、HDDを併用した場合はおよそ3PBとなる。最大構成の16ノードでは数十PBまで拡張可能だ。読み書き性能は最大200万IOPS(読み書き比率50:50)、スループットは80GB/sを実現する。一般にフラッシュ・ストレージはまだまだ高価な印象だが、Oracle FS1は同等クラスの他社製フラッシュ・ストレージと比較して、半分以下の容量単価を実現するなどコストパフォーマンスにも優れる。

オラクル・コーポレーション
フラッシュ・ストレージ・システム担当
バイスプレジデント
ボブ・マネス氏
さらに特徴的なのが、「QoS Plus」だ。オラクル・コーポレーションのボブ・マネス氏(フラッシュ・ストレージ・システム担当バイスプレジデント)は、「QoS Plusは、アプリケーションのビジネス優先度を考慮して処理をおこなう機能。ストレージ業界で唯一、ビジネス価値に基づいたインテリジェントなI/O管理を可能にしている。他社製ストレージにはない機能だ」と技術的優位性をアピール。
ほかにも、ビジネス優先度とデータの使用率などに応じたオートティアリング(自動階層化)、「Oracle Exadata」やオラクルのストレージ製品のみに備わるOracle Databaseのデータ圧縮機能「HCC(Hybrid Columnar Compression)」に対応するなど、パフォーマンスと容量効率をともに高める機能が標準搭載されている。HCCの効果は、容量効率を高めるだけではない。圧縮したままのデータをやり取りするため、サーバーとのデータ転送も高速化、システム全体でより一層の高速化が図れる。
フラッシュ・ストレージの代表的な導入のシナリオとしては、データベース用高速データストアとして採用するケースが想定されるが、Oracle FS1はそれに加え、拡張性とリソースの最適分配に優れていることから、大規模ストレージ統合の基盤としても適している。ストレージ統合におけるOracle FS1の優位性については、ダウンロード資料にて確認していただきたい。