2017年6月7〜9日に開催された「Interop Tokyo 2017」のセッションに、米国ウィンマジックのEVP兼CTO、Simon Hunt(サイモン・ハント)氏が登壇し、暗号化とセキュリティについて講演した。訴えたのは、個人情報を暗号化していないことが生む巨大なリスクだ。ここでは、講演後に行った同氏への単独インタビューとInteropでの講演内容を交えながら、暗号化の必要性と効果について改めて考察する。
漏えいデータの96%は暗号化されていない
暗号化が情報のセキュリティを確保するうえで、有効、かつ基本的な施策であることは、セキュリティの専門家ならずとも、多くの企業・組織が理解しているはずである。ところが、暗号化によるデータ保護を徹底している企業は依然として少数派であるようだ。
「実際、衝撃的な調査結果があります」と、暗号化ソリューションのプロバイダー、米国ウィンマジックのEVP兼CTO、サイモン・ハント氏は語り、こう続ける。
「2013年以降、紛失・盗難に遭ったデータの総数は実に70億件強に達します。このうち、暗号化され、内容を読み取られなかった安全なデータはわずか4%のみ。残りの96%は平文で保存され、データを入手した誰もが簡単に読み取れる状態だったのです」
この調査結果は、米国のセキュリティ・ベンダー、ジェムアルトが制作するWebサイト「Breach Level Index」で公表されているものだ。
Breach Level Indexによると、情報漏えいは1日当たり550万件/1秒当たり64件という極めて高い頻度で発生し続けているという。そうした漏えいデータの96%が、今も無防備のままインターネット上に拡散し続けているというわけだ。
続きは、ログインしてご覧ください。