いまや誰もが一度は聞いたことがあるだろう「DX」という言葉。しかし、多くの企業・組織で誤認識されているのが「DX=IT化」ということだ。例えば”脱ハンコ”や”ペーパーレス化”といったことを指し示し自社のDXと紹介されることがあるが、電子署名ツールを導入することや、ワークフローをITツールをつかっておこなうことが「DX」なのではなく、従来の業務プロセスやビジネスモデルを変革することが「DX」であり、ツールの導入やIT化の推進はその手段に過ぎない。だからこそ「DX」は経営層をはじめ全社全部門が考えなくてはならない課題であり、IT部門はその実現を支援しているに過ぎないのだ。
そして本セミナーで注目したいのは「財務」、「会計」、「経理」といった資金の動きに関わる部門の「DX」だ。例えば来年1月に施行される改正電子帳簿保存法。これにより働き方改革の推進で経費精算のペーパーレス化や請求書発行業務のデジタル化が進んでいる。そうしたお金の動きを電子データで保存・保管することが広がる後押しになる。
しかし、それだけではただの紙から電子への置き換えにすぎない。ここで考えて欲しいのが、そうしたお金の動きを記したデータの活用だ。請求書などによる取引履歴のデータを分析することで、新たな知見を見いだすことや、不正防止などのコンプライアンス対応へに活用も考えられる。本セミナーでは、まずどのように「財務」、「会計」、「経理」のデジタル化を進めれば良いのか。そしてその先にあるビジネス変革を実現するために、どのような戦略をたて、「DX」を進めて行くのかについて考える。
セッション一覧
オープニング
ご挨拶
朝日インタラクティブ株式会社
ZDNet Japan 編集長
國谷 武史
基調講演|40分
志本(パーパス)経営~ニューノーマル時代を拓く経営モデル~
企業は3つの大潮流に直面しています。サステナビリティ革命、デジタル革命、グローバル地政学革命。これらを私は「新SDGs」と呼んでいます。そしてそれらを束ねて、未来を拓くエンジンが「パーパス」(志)です。本講演では、パーパス経営の全体像、先進事例、実践に向けての課題をご紹介します。日本発のパーパス経営を実践し、世界に発信することで、日本企業が新常態時代の旗手に躍り出る日が必ず来るものと確信しています。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科
特任教授
名和 高司氏
プロフィール
東京大学法学部、ハーバード・ビジネス・スクール卒業(ベーカースカラー授与)。三菱商事を経て、マッキンゼーで約20年間勤務。自動車・製造業プラクティスのアジア地区ヘッド、デジタル分野の日本支社ヘッドなどを歴任。2010年より現職、問題解決、イノベーション、グローバル戦略、CSV経営、デジタル戦略、コーポレートガバナンスなどの講座を担当。デンソー(~2019年まで)ファーストリテイリング、味の素、 SOMPOホールディングス(いずれも現在も)などの社外取締役、ボストン・コンサルティング・グループ(~2016年まで)、アクセンチュア、インターブランド(いずれも現在も)などのシニアアドバイザーを兼任。2014年より、「CSVフォーラム」を主催。2021年より、京都先端大学客員教授を兼任。『パーパス経営』、『経営変革大全』、『全社変革の教科書』。『CSV経営戦略』、『稲盛と永守』など著書多数。
ソリューション講演|45分
特別対談:財務・経理部門のDX-業務改革とその先に広がる組織の未来
ビジネスのデジタル化によって、財務・経理部門の業務にも大きな変化が求められている。本セッションでは、青山学院大学 地球社会共生学部 教授 松永エリック・匡史 氏をお招きし、株式会社インフォマート 常務取締役 中島 健 氏との対談を実施。財務・経理部門のDXをテーマに、経営戦略的なお話から、現場視点の業務改善まで多岐にわたるポイントを議論します。
株式会社インフォマート
常務取締役
中島 健氏
プロフィール
1988年 株式会社三和銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)入行、1991年 加州三和銀行(米国カリフォルニア州)出向、2009年 株式会社三菱総合研究所出向
2010年 株式会社インフォマート入社 取締役、同 当社経営企画本部長
2019年 同社 常務取締役(現任)
2022年1月~ 同社代表取締役社長(予定)
青山学院大学 地球社会共生学部 教授
アバナード株式会社 デジタル最高顧問
松永 エリック・匡史氏
プロフィール
1967年東京生まれ。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。バークリー音楽院卒業(JAZZ専攻)。
幼少期を南米(ドミニカ共和国)で過ごし、15歳からプロミュージシャンとして活動。大手メーカーのシステムエンジニア、AT&Tを経たのち、コンサル業界に。エンターテインメント&メディアに特化したビジネスコンサルタントとして、アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBMを経て、DXコンサルタントの草分けとしてデロイトトーマツ コンサルティング メディアセクターAPAC統括パートナー・執行役員に就任。PwCコンサルティングではデジタルサービス日本統括パートナーとしてデジタル事業の立ち上げを行い、エクスペリエンスセンターをコンセプトデザインからリードした。2018年よりアバナード(株) デジタル最高顧問。2019年4月より青山学院大学 地球社会共生学部 (国際ビジネス・国際経営学)教授。2020年4月より事業構想大学院大学 特任教授。
モデレーター
朝日インタラクティブ株式会社
ZDNet Japan 編集長
國谷 武史
特別講演|30分
DX時代の経理・財務部門の在り方~データとどのように向き合うか
CFOはもちろんのこと、会計、経理・財務と言ったお金を動きを把握し、マネジメントをサポートする部門がDX時代にどのように振る舞っていけば良いか。社会・経済の変化を踏まえ、データを活用したビジネスへの貢献など、経理・財務部門はどのように変革すべきか、デジタル時代の財務・経理部門のあり方と経営情報の拡張についてお話しします。
一般社団法人日本CFO協会 主任研究委員
株式会社アカウンティング
アドバイザリー
マネージングディレクター
公認会計士
櫻田 修一氏
プロフィール
1985年にアーサーアンダーセン入所、元アーサーアンダーセン ナショナルパートナー。監査部門での8年間の会計監査業務および株式公開支援業務を経て、同ビジネスコンサルティング部門に転籍。経営・連結管理、会計分野を中心とした、経営・業務改革コンサルティングおよびERPシステム導入コンサルティング、プロジェクトマネジメントを手がける。2010年に創業メンバーとしてアカウンティング・アドバイザリーを設立。現在はIFRS財務諸表作成・導入コンサルティング、過年度遡及修正支援、さらにEPM(経営管理)・連結会計システム・ERP導入などシステム関連プロジェクト実行支援サービスを提供している。
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