1.背景
予想される大地震の被害の軽減を目指し、文部科学省・気象庁・REIC等では、緊急地震速報の提供・利用に関する開発・実証実験を行っています。緊急地震速報提供の実用化に向けては、提供される情報の特徴について、利用者への十分な説明と理解を促すマニュアルの整備や訓練が必要とされています。
これまでも文部科学省が実施しているリーディングプロジェクト「高度即時的地震情報伝達網実用化プロジェクト」の一環として、インターネット経由等による一般家庭への緊急地震速報の提供に関する実証実験が行われてきましたが、一斉配信によるトラヒックの集中や配信システムの負荷増大による配信情報の遅延や、セキュリティの問題等の解決が課題とされてきました。
2.目的
緊急地震速報に対する居住者のニーズや行動特性を把握すると共に、IPv6マルチキャストによる効率的な一斉配信方法や効果的な警報方法について検証します。
3.概要
REICは、気象庁が試験運用で提供している緊急地震速報を、東北ミサワが安全・安心・自然共生等をコンセプトに宮城県仙台市泉区の「エムズガーデン南中山」に分譲する戸建住宅に対して、NTT東日本の「フレッツ・ドットネット」を利用したIPv6マルチキャストにより一斉配信します。緊急地震速報を受信する端末は、NTT東日本が提供するIPテレビ電話の「フレッツフォン」を利用します。緊急地震速報を受信した「フレッツフォン」は、予め設定した設置場所情報を元に予測震度と主要動到達猶予時間を計算し、その結果を画面に表示すると共に、音声・警報音にて報知します。
今回の実証実験では、実際に地震が発生した際の緊急地震速報配信に加え、事前に避難訓練日を設定し、模擬地震情報を配信して避難行動訓練を行います。
4.各社の役割
東北ミサワ:・モニターの募集・説明・戸建住宅への緊急地震速報提供に関する課題の検討
REIC:・緊急地震速報の配信、実証実験に関する支援全般・戸建住宅向け「利用マニュアル」の作成・モニターへのアンケート調査・人への報知方法、避難行動に関する課題の検討
NTT東日本:・緊急地震速報マルチキャスト配信プラットフォームの提供・緊急地震速報受信端末(フレッツフォン)の提供・IPv6マルチキャストによる緊急地震速報の配信、受信端末に関する課題の検討
5.期間
平成18年3月11日(土)から1年間(予定)
* 気象庁の試験運用スケジュールにより、期間は変更になる場合があります。
6.今後の予定
今回の実証実験から得られるアンケート調査を元にした居住者の行動分析結果等から、緊急地震速報の配信に関わるシステムやマニュアルを改良し、一般家庭への緊急地震速報提供の早期実現を目指します。
あわせて、文部科学省のリーディングプロジェクト「高度即時的地震情報伝達網実用化プロジェクト」などによる緊急地震速報の利活用に関する調査・研究に貢献していきます。
【本件に関するお問合せ先】
東北ミサワホーム株式会社
緊急地震速報プロジェクト
千葉
TEL:022-724-3305
E-mail:j-project@t-misawa.co.jp
特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会
六郷
TEL:03-5366-2720
E-mail:reic@real-time.jp
東日本電信電話株式会社
ビジネスユーザ事業推進本部
ブロードバンドビジネス開発部
阿部・桜庭
TEL:03-3830-6123
E-mail:jishin@ml.bch.east.ntt.co.jp
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。