本車両は市街地火災と異なり、情報の共有が困難な林野火災において活躍する消防車として先進的なデザインと機能面を重視し、開発しました。また、林野火災では水源の確保が難しいことも想定し、当社が開発した少量の水利で消火能力のある、画期的な CAFS(Compressed Air FoamSystem:圧縮空気泡消火装置)装置も搭載しています。
2008年8月の米国カリフォルニア州北部における650,000,000m2の森林焼損や、2009年2月のオーストラリア南東部における4,500,000,000m2の森林火災、日本国内においても年間2,000件以上など、大規模な林野火災は世界的に増加傾向にあります。これらの火災は、森林資源の焼失・生物の減少・環境の劣化・煙害などの被害が報告されており、社会・経済・健康・生活にまで影響を及ぼしています。
こうした大規模林野火災の頻発化に対し、諸外国においては林野火災対策が重要視され始めており、2008年10月にギリシャにおいて「大規模林野火災の被害を抑制するあり方」についての国際会議が開催され、初期消火ならびに延焼阻止の重要性が指摘されました。林野火災は、市街地火災と異なり、公共インフラが活用できないことが想定されます。すなわち、気象状況や生態林の状況によって延焼方向が都度変化する林野火災は、陸・空・消防本部間での確実な情報共有が必要となります。したがって、林野火災消火戦術の陸のツールとなる消防車には、いかなる場所においても、データ通信機能が求められます。このような状況を背景に本車両は、林野部の情報基地となる車両として開発しました。
■コンセプトカーの特長
- 本車両の運転席後部室は、消防本部、空部隊(ヘリコプター)と情報を送受信することができるオペレーションデッキとなっています。
- オペレーションデッキの左右には放水銃(エコファイター)が設置されており、走行しながら消火活動を行えるようになっています。
- 後部ボディには PP製水タンク、林野火災用の資機材を収納した昇降棚、新型 CAFS ユニットを搭載しています。
- 左右側部に電動油圧式昇降棚を備え、側面ガルウィングドアを開けると棚が資機材をとりやすい位置まで降ろすことができます。
- 側面左右ガルウィングドアには LED 照明(150W)を設置し、ドアが開いたときに車両側面の作業場を照らす役割を果たします。
- 車両屋根上の電動水圧式昇降ポール照明(LED 照明)は600W(150W×4)。カメラも搭載しています。
- 車両後部の新型 CAFS 操作部に大型タッチパネルディスプレイを設け、デザインを一新しています。
- 本車両のデザインは、森を守る力強さと躍動感を表現しました。
■車両サイズ: 全長 7.17m×全幅 2.49m×全高 3.61m
■車両重量: 9.5トン
■乗員: 4名
本件に関するお問合せ先
株式会社モリタホールディングス 広報室
担当: 浦野
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E-mail: Hiroko.Urano@morita119.com
概要: 株式会社モリタホールディングス
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