新日本製鐵株式会社は、「コークス炉化学原料化法による一般廃プラスチックの再資源化技術」で、第58回大河内賞「大河内記念生産賞」を受賞しました。
大河内賞は、故大河内正敏博士の功績を記念して、大河内記念会が我が国の生産工学・高度生産方式の実施等に関する顕著な業績を表彰する伝統と権威のある賞です。
既存の製鉄インフラを最大限活用した、リサイクル率・経済性・CO2削減に優れたリサイクルプロセスを開発したこと、北海道から九州まで全国をカバーする国内最大のリサイクル体制を整え、容器包装プラスチックの有効活用、省エネ・CO2削減に大きく貢献していることが評価されました。
資源循環型社会の構築が求められる中、一般家庭から排出されるプラスチックの7割を占める容器包装プラスチックは、大部分が焼却や埋め立て処分されており、その有効活用が課題とされてきました。容器包装プラスチックは塩素を数%含むことから、リサイクルの際には、設備腐食防止のため脱塩素工程が必要であり、リサイクル率が低く、処理コストが高いということが課題でした。
当社は、塩素を無害化する製鉄用コークス炉の特性を活かし、塩素を含む容器包装プラスチックを事前の脱塩素工程無しでコークス炉に装入・熱分解し、油分(40%)・コークス(20%)・ガス(40%)として全量有効活用する画期的なリサイクルプロセスを開発しました。熱分解した油分は新たなプラスチックの原料として、コークスは製鉄原料として、ガスは高効率発電や水素原料として使用しています。
当社は、2000年に容器包装プラスチックのリサイクル事業を開始し、現在では国内5か所(室蘭、君津、名古屋、八幡、大分)の各製鉄所で年間約20万トンをリサイクルしており、容器包装プラスチック全体の約30%のシェアを占める我が国最大のプラスチックリサイクル拠点です。2000年からの累計で150万トンのリサイクル実績があり、これは原油削減量換算で約120万トン、CO2削減効果は約480万トンに相当します。プラスチック1トン当りのCO2削減効果は約3.2トンで他の手法(材料リサイクルや他のケミカルリサイクル)に比べてトップクラスで、他社の要請に応じて、当社技術の一部を実施許諾しています。
今後、容器包装プラスチックはもとより、製品プラスチックや化学繊維製品などの広義でのプラスチックなどへも収集のしくみや制度の拡充に応じてさらなる展開を図っていきたいと考えています。当社は、鉄づくりで培った技術・インフラを有効に活用しつつ資源循環型社会の構築に貢献していきます。
容器包装プラスチックリサイクルの概要についてはホームページでも紹介しています。
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以 上
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