◎アルツハイマー病研究の新たな進展を報告

アルツハイマー病協会

From: 共同通信PRワイヤー

2013-07-18 10:20

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◎アルツハイマー病研究の新たな進展を報告

AsiaNet 53688
共同JBN 0825 (2013.7.18)

【ボストン2013年7月18日】ボストンで開かれた国際アルツハイマー病会議(Alzheimer's Association International Conference=登録商標=2013、AAIC 2013)で報告された新たな研究は、新たな治療、予防戦略、新たなリスク要因の可能性、早期発見、診断の進展、更新された病気進行モデルを含むアルツハイマー病と認知症のあらゆる側面をカバーしている。

国際アルツハイマー病会議は最新のアルツハイマー病、認知症研究について報告、討議する一流の年次フォーラムである。認知症科学の将来を形成しながら進歩してきた25年を記念して、AAIC2013には世界の66カ国から5000人近い有力な専門家が集まり、1800以上の科学的プレゼンテーションが行われた。

▽アルツハイマー病リスク要因の可能性
*ほとんどの種類のがんはアルツハイマー病のリスク減少と関連している。化学療法はアルツハイマー病のリスクに対する追加的な減少を付け加えた

350万人の米国の退役軍人の健康記録についての研究は、ほとんどの種類のがんがアルツハイマー病のリスクの大幅減少と関連していることを示している。研究結果はこれらのがんのほぼすべてに対する化学療法による治療がアルツハイマー病リスクの追加的な減少をもたらしたことを示唆している。研究者はがんの病歴とほかの典型的な年齢に関連する健康状態のリスク減少との間では関連性は発見できなかった。事実、ほとんどのがん生存者で非アルツハイマー性認知症のリスク増加が見られた。科学者は、これらの所見はほとんどのがんとアルツハイマー病との保護的関係をがん患者の死亡率増加だけで説明するのは不可能であることを示唆していると結論づけている。リスク減少の理由(または複数の理由)を決定するためには、したがってアルツハイマー病の新たな治療の道の可能性を特定するためにはさらに研究が必要である。

*認知症リスク減少に関連する糖尿病薬
2型糖尿病は認知症のリスクを倍増させるかもしれない。しかし、55歳以上の2型糖尿病患者1万5000人近くでの研究では、インスリン増感剤のメトフォルミンによる治療を始めた患者はほかの標準的糖尿病治療を始めた患者に比べ、認知症発症のリスクが大きく減少した。認知症および軽度認知機能障害の治療薬としてのメトフォルミンの評価を行う試験が現在行われている。

*引退年齢の高さが認知症リスク減少と関係
42万9000人以上のフランスの自営業労働者の健康と保険を分析した結果、より高い年齢での引退が認知症リスクの減少と関連していて、働く期間が長くなればその分だけリスクが減少することがわかった。研究者は、この領域ではさらに研究が必要だが、専門的活動が高いレベルの知的刺激、メンタル・エンゲージメントに寄与し、認知症に対する保護となるのかもしれないと示唆している。

*社会経済的な要因でアフリカ系米国人のアルツハイマー病リスクの高さを説明できる可能性がある
米国では高齢のアフリカ系米国人は高齢の白人に比べアルツハイマー病やその他の認知症になる確率が約2倍である。しかし、研究の開始時点では認知症でなかった黒人、白人の高齢者3075人の研究では、研究者が教育レベル、識字能力、所得、財政の妥当性を含む社会経済的な要因を調整した後ではリスクの違いは統計に有意ではなかった。研究報告の執筆者たちは、人種的、民族的差異を調査する将来の研究は広い範囲の社会経済的な要因を考慮すべきだと呼び掛けている。

▽アルツハイマー病の発見と診断
*アルツハイマー病検査は判定不能
老人病専門医、人間とコンピューターの相互作用専門家、神経心理学者、脳神経倫理学者を含むカナダの専門家パネルは無料でアクセスできる16のアルツハイマー病オンライン検査を調べ、これらの検査は総体的な科学的正当性、信頼性の基準からみて水準が低いことを発見した。専門家は検査の大半(16のうち12)は総体的な科学的正当性、信頼性が「低い」か「大変低い」であることを発見し、これらの検査はアルツハイマー病の診断には有効ではないと結論づけている。16の検査すべてが倫理要因の評価基準で「低い」か「大変低い」とされた。倫理問題には過度に難解な秘密性やプライバシー方針またはその欠如、利害の商業的紛争を明らかにしていないこと、説明されている検査の規模に達していないこと、検査結果を適切で倫理的なやり方で言葉にしていないことが含まれている。

*住民の認知症検査に利点の証拠なし
英国の研究者は住民の認知症検査を調べる研究の組織的検討を行い、一般医療行為を受けている患者と共同体ケアを受けている患者で、一般住民の通常パターンのケアで結果を比較した。研究者たちは認識、精神的、情緒的健康、社会的機能、計画を含む患者の結果について検査の効果の証拠を発見することができず、現在の行為と比べて付加価値を示すものを発見できなかった。研究者は政策立案者たちが恩恵やリスクの証拠なしに住民の認知症検査を採用する際は非常に慎重であるべきだと示唆している。アルツハイマー病協会は、住民は記憶力問題や変化の最初期の兆候があったときに医師に会って徹底的な評価を求めることを勧告している。アルツハイマー病の10の警報についてはwww.alz.orgを参照。

*記憶力の変化の自己申告がアルツハイマー病の最初の臨床マーカーに
4つの研究が主観的認知機能低下(SCD)-記憶、認識問題理解の自己申告-はアルツハイマー病を示唆する脳、認識機能の変化の有効な初期臨床マーカーであるという増大する証拠をサポートしている。一つの研究では、認識機能が正常な高齢者が自己申告の認識不安と、PETスキャンで明らかにされるようにアルツハイマー病の脳の「プラーク」の主要成分であるベータアミロイドタンパク質の蓄積の証拠の間に意味のある関係があることを示した。70歳以上の看護師4000人近くについてのもう一つの研究は、記憶についての主観的な不安がその後に来る客観的に測定される記憶力の低下のマーカーになりえるし、これまでに知られているなかで最強のアルツハイマー病のリスク要因であるApoE4遺伝子を持つ人の間では特にそうである。第3の研究では、年齢の高い成人は平均10年ごとに年次認識評価を受ける。前回評価時からの記憶力の変化を報告した人は、そのような変化を報告しなかった人に比べ、フォローアップ期間中に軽度認識障害または認知症と診断される確率がほぼ2倍になる。またAAIC2013ではアルツハイマー病研究者の国際グループが臨床前アルツハイマー病に集中してSCDの新たな研究枠組みを樹立するための主観的認識機能低下計画(SCD-I)結成を発表した。

▽アルツハイマー病治療の最新情報
*アルツハイマー病の二つの新治療法研究についての暫定的結果
アミロイド斑が脳のファーストラインの免疫細胞である小膠細胞を刺激して炎症を起こす複合体を生成させ、それがアルツハイマー病患者の脳細胞に障害を引き起こすのではないかと提起された。Chiesi Pharmaceuticals社が実験的に作ったCHF5074複合体は小膠細胞の行動を緩和することによって炎症を抑制することを狙いとしているが、脳斑の形成を防ぎ、アルツハイマー病のマウス・モデルの欠損を減らすことが示された。軽度認知障害の人々を対象にしたCHF5074の90週間の臨床試験は有効性より安全性、投薬量に力点が置かれたが、32人の患者の認識力テストの中間分析によれば、参加者の認識能力に統計的に有意で用量依存的な向上が見られた。治験の参加者はアルツハイマー病のリスクを増加させるApoE4遺伝子のコピーの一つまたは二つのキャリアであったが、2回の認識力テストではApoE4のノン・キャリアより著しく良い結果を示した。

研究者はメルク社のMK-8931試薬の無作為抽出、二重盲検、プラセボ対照、複数回投与に関する研究の結果を報告した。この薬は軽度から中程度のアルツハイマー病の人々の中でベータアミロイドを生成する2つの酵素のうちの一つのベータセクレターゼを抑制する働きをする。研究者は同試薬がもっとも大量に使われた場合、脳脊髄液のベータアミロイドを著しく引き下げることを発見した。ベースラインからの軽減率は平均すると80%以上だった。研究者は同試薬が一般的に良好な忍容性を示したと述べている。

*2例の革新的なアプローチによるアルツハイマー病薬品研究
アロプレグナノロンは「Allo」としても知られる神経ステロイドで、脳と血流に存在する。従来の研究では、年取った動物やアルツハイマー病の動物モデルで、Alloは脳細胞の生成を促進し、認知機能を向上させる再生医療として有望であると見られていた。Allo は脳で自然に発現され、妊娠の第3トリメスターに比較的高いレベルに達する。2013年国際アルツハイマー病会議では、研究者はAlloの治験の第1相である反復投与試験に関する報告を行った。アルツハイマー病や軽度のアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)と診断された参加者に対して、安全で許容量の投薬を確かなものにするため12週間にわたり毎週1回の投薬が行われた。同治験の2次的な目標にはAlloの投薬がアルツハイマー病の認識およびMRI指標に与える短期的な効果に対する評価、そしてその後のフェーズ2の有効性の実証治験を通知することが含まれる。

Zinfandel、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル両社の科学者はピオグリタゾンを低薬量投与する国際的な第3相治験を開始している。この薬品は2型糖尿病の治療に大量に投与されることが承認されているが、今回はアルツハイマー病による軽度認知障害の発症を送らせる治療が目的である。以前の人体研究では、ピオグリタゾンによる治療は脳炎マーカーの減少と関連づけられている。今回初めて、通常の認識力を持つ個人でアルツハイマー病の危険の高さや早期の兆候発症と関連づけられているApoE およびTOMM40遺伝子配列の変異を持っている人たちが研究に参加する。治験の組み入れは2013年に開始される予定。

その他の研究目標としては国立老化研究所/アルツハイマー病協会のアルツハイマー病による軽度認知障害に対する新診断基準の確認および世界中の研究所で効果的に機能する適切な認識力テストの組み合わせを決定することが含まれる。

▽国際アルツハイマー病会議(AAIC)について
国際アルツハイマー病会議(AAIC)はこの種の会議では世界最大で、世界中の研究者が集まってアルツハイマー病と関連の障害の原因、診断、治療、予防に関する画期的な研究、情報についての報告、討議を行っている。アルツハイマー協会の研究プロジェクトの一環としてAAICは認知症についての新たな知識の創出、生命に関する共同コミュニティーを育成するための触媒の役割を果たしている。

▽アルツハイマー病協会について
アルツハイマー協会はアルツハイマー病のケア、サポート、研究の世界で有力なボランティアの健康組織である。その使命は研究の前進を通じてアルツハイマー病を根絶し、すべての患者にケア、サポートを提供、強化し、脳の健康促進を通じて認知症のリスクを減らすことである。同協会のビジョンはアルツハイマー病のない世界だ。詳しい情報はウェブサイト(www.alz.org)を参照、または電話(800-272-3900)で。

▽問い合わせ先
Alzheimer's Association(R) media line:
+1.312.335.4078,
media@alz.org;

AAIC 2013 press room, July 13-18:
+1.617.954.3414

ソース:Alzheimer's Association

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