◎BEPSめぐる租税混乱の可能性を企業は懸念 租税リスクが世界的に増大

EY

From: 共同通信PRワイヤー

2014-05-13 14:17

◎BEPSめぐる租税混乱の可能性を企業は懸念 租税リスクが世界的に増大

AsiaNet 56731
共同JBN 0524 (2014.5.13)

【ロンドン2014年5月13日PRN=共同JBN】EY(アーンスト・アンド・ヤング)はこのほど世界的規模で企業を対象にした税務関係調査「Bridging the Divide」を実施、結果を公表した。それによると、調査対象となった企業の5社に1社(81%)は、すでに高まっている租税に関するリスクが今後2年間にさらに高まると予想していることが分かった。また、経済協力開発機構(OECD)の「税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting=BEPS)」行動計画に関して各国政府の調整が不調に終わる可能性があり、これが大きなリスクになるともみている。

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今回EYの調査対象となったのは世界25カ国の830人の税務・財務担当役員(うち120人は最高財務責任者=CFO)で、OECDのBEPS行動計画プロジェクトを世界の企業がどのようにみているかを示す、初のまとまった世界的規模の調査。

調査では、BEPSが実施されるにあたっては各国政府の協力が比較的低い水準にとどまり、各国が一方的な措置をとるケースが増えるだろう、と調査対象企業の約3分の1(31%)が予想している。また調査対象となった大企業(年間売上高が50億米ドル以上)の4分の3(74%)は、OECDのBEPSプロジェクトに基づく何らかの勧告が国内の法律として成立するより前に、すでに法執行方法の変更理由の根拠になるとみている国もある、と指摘した。大企業の大多数(61%)はその結果、今後3年間に二重課税問題が増えるとも懸念している。

EYのデイブ・ホルツ副会長(グローバル課税担当)は「BEPS関連で生産的な勧告が確実に行われるには、各国政府の協調的行動が欠かせない、という点で、OECDと国際的な企業の考えは一致している。『世界的な租税混乱』と呼ばれる事態を起こし、二重課税を招いて論争が増えてしまうのを防ぐためOECDは、共通のアプローチと一貫した基準作りに向けた圧力をかけることによって重要な役割を果たすことが可能だ」と語った。

調査ではBEPS関連のリスクのほか、企業が現在経験している、あるいは今後数年の間に直面する可能性がある租税リスクのその他の各種要因についても明らかにしている。

*大企業の大多数(68%)は、過去2年の間に税務監査がより厳しくなったと感じている。この比率は前回調査時の2011年では57%だった。

*税務当局の法執行環境が、移転価格を中心にしてより厳しくなったことを企業は経験している。企業はこれを最大の租税リスクと位置づけており、次いで間接税、3番目には恒久的な制度変更をリスク要因だとしている。

*報道機関が租税関連の評価リスクに果たす役割も大きくなっており、大企業の89%がメディアによる租税関連報道に関心を示した。この比率は2011年には60%だった。

*新興市場国への新規参入、業務展開に伴い租税リスク、租税に関する意見対立のリスクを大幅に高まったと大企業の84%が回答。この比率は2011年の67%から上昇した。

*回答した全企業が、租税関連の潜在的リスクが高い国は新興市場トップ3である、順に中国、インド、ブラジルだとしている。

こうしたリスク増大の結果、大企業の78%は、租税リスク、税務当局との意見対立が今後2年間に現在よりも重要になるとの点に「同意見だ」、「強く同意する」と回答した。その一方でこれら企業の4分の3は 「租税関数の計算をする際のリソースが不十分だ」と、2011年の57%を上回る比率で回答が寄せられた。全企業のうち43%は、税務監査の管理、租税当局からのデータ提出要求に対して、技術的手段は用いておらず、現地の人員に頼っている。

ホルツ副会長は「現在の世界のビジネス環境は多国籍企業にとって、特になじみ度合いが低い市場で事業を展開する場合に、複雑に組み合わさった租税リスクが存在する。自社内での意思疎通をよりオープンなものにすることから、BEPSなどの問題で見解を伝え理解しあうことまで、企業はこの問題に積極的に関わる必要がある」と述べた。

高解像度のインフォグラフィック付きの報告は以下のサイトからダウンロード可能。
www.ey.com/taxriskseries

▽EYについて
EYは保証、租税、取引、顧問サービスにおける世界的リーダー企業。提供する洞察、高品質のサービスによって世界の資本市場、経済における信用と信頼醸成を支援している。われわれは、当社が関係するすべてに対して当社の約束を届けるチームを率いる優れた人材を育成しており、当社の人材、当社の顧客、当社が属するコミュニティーがよりよく機能する上で重要な役割を演じている。

EYは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのメンバーファームで構成するグローバル組織を指し、それぞれは独立した法人組織である。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは英国の有限責任保証会社であり、顧客サービスは提供していない。より詳しい情報は当社のウェブサイト ey.com.を参照のこと。

このプレスリリースは、グローバルなEY組織のメンバーでそれ自体は顧客へのサービスを提供していないEYGMが発表している。

ソース:EY

▽問い合わせ先
Gregor Ridley, EY Global Media Relations,
+44 (0)20 980 0597,
gregor.ridley@uk.ey.com

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