首都大学東京
「忘れない 震災犠牲者の行動記録」を公開
~東日本大震災の犠牲者の地震発生時から津波襲来までの避難行動をまとめたデジタルアーカイブ~
首都大学東京システムデザイン学部の渡邉英徳研究室、岩手日報社(岩手県盛岡市、東根千万億社長)は、東日本大震災から5年を迎える今月、岩手県の震災犠牲者の地震発生時から津波襲来時までの避難行動をまとめたデジタルアーカイブ「忘れない~震災犠牲者の行動記録」を制作しました。
3月5日から岩手日報紙面とウェブサイトのデモ画面を順次掲載しており、3月9日から全面公開します。本アーカイブは、岩手日報社のホームページからご覧いただけます。
【アーカイブの概要】
東日本大震災が発生した2011年3月11日午後2時46分に犠牲者がどこにいたのか、また津波襲来時にどこにいたのか、各々の場所をご遺族から取材。居場所が詳細に判明した犠牲者1326人について、被災地の震災直後の立体的な航空写真と地図上に避難行動を可視化しました。ご遺族の了解を得た犠牲者687人については、氏名と当時の行動についても記録としてご覧いただけるようになっています。震災犠牲者に特化して行動記録をまとめて可視化したのは初めてです。
制作に当たっては、首都大学東京・渡邉英徳研究室の「ヒロシマ・アーカイブ」(2011年7月発表)などの「多元的デジタルアーカイブズ」の技術を応用しました。
○忘れない ~震災犠牲者の行動記録
(岩手日報社)
・特設ウェブサイト (リンク »)
・インタラクティブ・マップ (リンク »)
【アーカイブ作成に至る経緯】
岩手日報社は、生きた証を残そうと震災犠牲者一人一人を紙面で紹介するプロジェクト「忘れない」に2011年から取り組んでいます。現在は、災害から命を守るための連載「てんでんこ未来へ」も展開しています。その集大成として犠牲者がどのような避難行動を取り、どこに集まったのかなどを詳細に分析。これにより犠牲者の声なき声が可視化でき、一人でも貴い命を失わないよう、震災の教訓として後世に残していく形にしました。
紙面ではアーカイブを活用して避難行動について分析し、「避難所を過信せず、少しでも高い場所へ」などの提言を行い、デジタル技術との融合で紙メディアの可能性を広げていきます。
※「忘れない~震災犠牲者の行動記録」 について
「忘れない~震災犠牲者の行動記録」は、首都大学東京の渡邉英徳研究室と岩手日報社が共同で制作、運営しています。アーカイブ画面では、震災犠牲者の位置を地図上に点として表示しており、震災発生時から津波襲来までの避難行動を点の動きとしてその軌跡とともに動画でご覧いただけます。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。