株式会社リクルートマーケティングパートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山口 文洋)が運営する『スタディサプリ』は、2016年4月よりスマートスクールプロジェクトを実施する古河市教育委員会および古河市立三和東中学校と、『スタディサプリ』を利用した「基礎学力の底上げ」と「学習意欲の向上」に関する共同研究を開始、この度、その経過を報告いたします。
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研究結果
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現在中学2年生、3年生の『スタディサプリ』利用前である昨年度2学期末テストと利用後の今年度1学期末テストの数学の結果を比較した結果、どの学力層においても、テストの成績が上がった生徒はドリルの平均回答数が多く、スタディサプリの利用量がテスト結果に反映される結果になりました。また、成績向上以外でも、今回のプロジェクトに参加生徒のうち5割程度が、家庭での勉強習慣や自立学習の仕方に効果があったと回答、副次的な効果も得ることができました。『スタディサプリ』を使った学習は、個別学習に適しており、生徒の習熟度に合わせて学び直しや予習を可能にするため、学力層を選ばず学力向上をサポートします。
〇スタディサプリの活用と学力の向上の関係(数学)n=161
■学力高層
テスト結果・・・平均ドリル回答数/人数比率
・全体・・・・・91問/100%
・上がった・・・146問/13.8%
・変化なし・・・94問/51.7%
・下がった・・・66問/34.5%
■学力中層
テスト結果・・・平均ドリル回答数/人数比率
・全体・・・・・75問/100%
・上がった・・・87問/36.5%
・変化なし・・・82問/32.7%
・下がった・・・54問/30.8%
■学力低層
テスト結果・・・平均ドリル回答数/人数比率
・全体・・・・・62問/100%
・上がった・・・76問/37.3%
・変化なし・・・55問/45.1%
・下がった・・・49問/17.6%
注: 生徒毎に各学力テストの偏差値を算出し、利用後が利用前に比べて3pt以上向上した人を「成績が上がった」3p以上下落した人を「成績が下がった」と定義。学力高、中、低の定義は、スタディサプリ利用前の数学のテストで、学年での偏差値が55より上だった人を学力高、45以上55以下は学力中、45より下を低とした。結果、学力高は58人、学力中は52人、学力低は51人が対象
〇スタディサプリの活用と学習習慣改善の関係
■勉強する習慣がついた
・とてもあてはまる・・・7%
・あてはまる・・・45%
・あてはまらない・・・41%
・全くあてはまらない・・・8%
■家で勉強する時間がふえた
・とてもあてはまる・・7%
・あてはまる・・・40%
・あてはまらない・・・44%
・全くあてはまらない・・・9%
■自分にあった勉強のやり方を見つけた
・とてもあてはまる・・・8%
・あてはまる・・・41%
・あてはまらない・・・45%
・全くあてはまらない・・・7%
注: 中学1年生、中学2年生、中学3年生全員を対象に、7月上旬に実施したアンケート結果より抜粋
〇生徒の声(原文ママ)
・前まではどこをやればいいかもわからなくてだらだらやっていたけど
今はどこをやるかをすぐに考えててきぱきできるようになった。
・ノートとかに書いてると、だんだんあきちゃうけど、スタディサプリをつかうと
ノートじゃないのでワクワクしながら楽しくできたからです。
・(スタディサプリは)間違えた問題などの単元を、解説付き授業動画で確認ができるからいい。
・スタディサプリのドリルやテスト対策でテストで点数がとれるようになった。
・苦手な教科もテストで点数がとれるようになった。
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研究内容について
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〇実施学校:古河市立三和東中学校
〇実施期間:2016年1月-2017年3月
〇対象児童:中学1年生/中学2年生/中学3年生(250名)
〇教科:数学を中心に英数国理社
〇実施場所:家庭学習/教室での朝学習/教室での授業内/古河塾など
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古河市スマートスクールプロジェクトにおいてICT教材導入の背景
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茨城県古河市教育委員会が推進する「KOGAスマートスクールプロジェクト」は、今後の教育環境整備の方向性とその標準化に向け、モデル校での実証研究によって、今後の授業等でのICT活用モデルとそれに対応した機器・ネットワーク・システム等のあり方を検討するプロジェクトとなります。『スタディサプリ』は、生徒1人ひとりの学習習熟度に応じて学年を超えて自由に学ぶことができることや、インターネットにつながれば、いつでもどこでもご利用できることが、古河市で求める個別学習像に近いことから、本プロジェクトでの利用に至りました。
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利用形式
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〇朝学習
全学年週1度の「スタディサプリタイム」を設定(15分)
〇授業内
中2は単元の復習、中3は単元の予習に利用
〇古河塾(放課後)
週2回の放課後、動画での学び直し/応用問題へのチャレンジ
〇家庭学習
個別状況に合わせて自由に選択
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活用シーン
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※定期テスト前など時期に応じて利用方法は様々です。
朝、学校に着いてから、授業内、放課後の古河塾、家庭学習までの時間全てにICT教材を導入することで 自分自身の学習状況を把握し習熟度に応じた学びができます。
〇朝学習(「朝の会」の開始前15分)
<利用前>
読書やドリル(国語・数学中心)
<利用後>
スタディサプリタイム
これまで読書等の自由時間であった朝学習の時間を全学年、週1で「スタディサプリタイム」に。生徒は登校後、保管庫からタブレット端末を用意して開始を待ちます。この朝学習の時間を使って教科や単元を自己選択し、授業の予習、復習や反復練習に取り組んでいます。
〇古河塾(放課後)
※「古河塾」とは、古河市で行う古河市内小中学校の児童生徒を対象とした放課後学習教室の名称。
希望制。(1回30名程度)
<利用前>
塾指定教材
<利用後>
スタディサプリによる
個別習熟度学習
週2回放課後の2時間学校のPCルームを使って学習します。古河塾ではスタディサプリ利用率は全体の6~7割程度。自分の苦手な単元や授業中に理解が不十分だった箇所について、『スタディサプリ』の動画を視聴、ポイントをノートにまとめ、その後問題を解きます。基本的な学習内容が理解できている生徒は、応用問題のテキストに取り組みます。
〇授業
<利用前>
(授業内)
・単元レクチャー
・生徒への問いかけ
・生徒同士の学び合い
・答え合わせ・まとめ
・教科書の練習問題
<利用後>
(授業前(朝学習/自宅))
・スタディサプリ動画による授業予習(知識学習の時間を短縮)
(授業内)
・生徒への問題提起と動機づけ
・生徒同士の学びあい・交流
・一般化/学習のまとめ
・『スタディサプリ』による練習問題
◯上記以外の活用方法
新しい単元の導入時に予習として、動画を視聴/適応問題*1としてドリルを授業中に活用/単元終了後、復習として動画の視聴/自習時間(授業進度調整)や補講での利用
*1 「適応問題」とは単元の理解・定着をはかる問題練習
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コメント
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「古河市立三和東中学校 先生」
〇学力が中間より下の生徒は意欲が上がったように思います。
サプリで自分のランクがダイヤモンドC級まであがったと喜んでいました。
〇(サプリを予習に利用した場合)、事前に授業を見せた方が、理解度が上がって真面目に授業を受けていたように思います。
〇自習時間は準備がほとんどいらないので便利です。特に、部活動の大会に出る生徒がいなくて、クラスの半分くらいが不在のときは、同じ課題を出すことが難しいため、個別学習が出来るサプリが役立ちます。
〇サプリの授業を見ることで、自分の授業の仕方の参考にもなる。教職試験を受ける先生は、自分の教科担当以外の授業を見て、勉強しています。
「古河市立三和東中学校 校長 田嶋貴子」
授業で活用する際は、スタディサプリの活用時間を確保して授業設計を行う必要があり、適用練習も含めて授業時間50分を有効に活用しようとする教師の時間管理能力が向上しました。また、スタディサプリを用いた家庭学習と授業を関連付けようとする意識の高揚につながりました。生徒は、スマホ等の端末を使ってもスタディサプリを視聴することができるため、家庭学習に活用する割合が増えました。
さらに、スタディサプリを頻繁に活用する生徒ほど成績の向上につながりました。
「古河市教育委員会指導課参事兼課長 平井聡一郎」
ICT機器の整備を通した教育改革に取り組む自治体にとって、機種等の選定は、負担感を伴います。それは、機器、アプリは、カタログデータのみでは判断できず、実際に使ってみなくては、その効果を検証できないことによります。そこで今回のリクルートとの連携は、古河にジャストフィットしたアプリを追求する機会となりました。リクルートから提供される学習ログの分析により、様々な学習の場における有効性の実証と、活用法のノウハウに関する多くの知見を得ることができました。今後、スタディサプリの学校での活用に向けたブラッシュアップが、児童、生徒の学力向上につながることを期待しています。
▼『スタディサプリ』
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▼リクルートマーケティングパートナーズについて
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