本署名は、RANと米国の署名サイト「CREDO Action」(英語、注1)が実施したもので、東京2020組織委員会が新国立競技場など主要施設の建設用木材に環境・社会面でリスクの高いインドネシア及びマレーシア由来の熱帯材を大量に使用している状況を2月5日に公開(注2)したことを受けて緊急に行いました。
署名は、IOCと東京2020組織委員会に、東京大会での熱帯材の使用中止、先住民族と地元住民の権利を尊重すること、森林破壊と人権侵害をもたらす高リスクの木材についての調達基準を強固なものにすることを求めていますま。「CREDO Action」では2月27日から3月26日までの1カ月間に81,831筆が集まり、RAN本部のウェブサイトサイト(注3)では昨年9月21日から3月26日までの期間に28,741筆が集まりました。東京大会の調達木材については、RANなどNGO44団体が2016年12月から継続的に情報公開請求していました。2月に公開された情報によると、2017年11月末時点で、新国立競技場建設のために使用されたコンクリート型枠合板の87%以上がマレーシアおよびインドネシアの熱帯林に由来していました。2017年と2018年に行われたNGOの調査によると、新国立競技場など複数の施設で、マレーシア・サラワク州での違法伐採、熱帯林破壊、人権侵害につながりのあるサプライヤーから調達した木材が確認されました。
RAN 責任ある金融シニアキャンペーナー ハナ・ハイネケンは「東京五輪の木材調達は、世界で最も豊かな生態系を誇り、かつ脅威にさらされている熱帯林由来となっており、持続可能な五輪を開催するというコミットメントに明確に違反しています。私たちは、IOCと東京オリンピック大会当局に対し、調達基準の改善、人権の尊重、かけがえのない熱帯林の破壊を止めるよう求めます」と訴えました。
3月16日、東京2020組織委員会は「持続可能性に配慮したパーム油・紙の調達基準(案)」を公開し、30日まで意見公募を行っています(注4)。RANは、両方の調達基準案が強固なデューデリジェンス(相当な注意による適正評価)や調達対象外についての明確な基準設定を義務付けるよりも、「PEFC森林認証プログラム」、「マレーシア・サステイナブル・パーム・オイル」(MSPO)、「インドネシア・サステイナブル・パーム・オイル」(ISPO)など、かなり弱い認証制度も活用できる提案になっていると考えています。さらに、東京大会の調達基準が実質的に強化されなければ、熱帯林破壊と人権侵害に関連したリスクが継続して残ると指摘しました。
インドネシアとマレーシアには多くの先住民族が住み、世界でも最高水準の生物多様性を誇っています。しかし同国は、森林伐採、パーム油、紙パルプ生産に関わる開発で、かつてない速さで進む森林破壊に直面しています。日本は依然として世界最大の熱帯材合板の消費国であり、インドネシアとマレーシアから2016年だけで約200万㎥の合板を輸入しています。RANなどNGOは昨年5月にも、マレーシア・サラワク州の先住民と一緒に、東京五輪施設建設での熱帯材使用を直ちに中止するよう求める14万筆の署名をスイスとドイツの日本大使館に提出しました(注5)。
注1) CREDO ACTION, “Tell the International Olympic Committee: No rainforest destruction for Tokyo 2020 Olympics”
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注2)RAN「緊急プレスリリース:東京五輪競技会場の建設に高リスクの熱帯材大量使用、国内外NGOから「遺憾」の声〜新たに公開された情報により、主要な五輪施設建設での無責任な木材調達の環境・社会的影響への深刻な懸念に裏付け〜」
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注3)RAN, “No more rainforest destruction for Tokyo 2020 Olympics”
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注4)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)「持続可能性に配慮したパーム油・紙の調達基準(案)」に関する意見募集について
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注5) RAN「プレスリリース:熱帯林破壊や人権侵害のない五輪を求め日本大使館に14万超の署名」
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レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。2005年10月より、日本代表部を設置しています。
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CREDO Actionは社会変化のネットワークで、革新的変化のために5百万人の活動家を組織化し結集しています。
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レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
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