横浜市立大学附属病院では、日本で初めて承認されたロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を導入し、今年10月より、全国の公立大学病院で初めて人工股関節全置換および人工膝関節全置換の手術を保険診療で行えるようになりました。ロボティックアームとは、一般に「人の手の代わりに作業を行う機械の腕(アーム)」のことで、このたび当院で導入したロボティックアームは、人工関節に置き換える手術の際、術中に医師が操作をし、傷んだ骨を削るために使われます。また、CTなどによる3次元画像データを基に治療計画を立てインプットしておくことで、治療計画にない部位にさしかかると自動で止まる仕組みになっており、計画外の動きを制御することで、靭帯や血管などの関節周辺の組織を保護し、安全かつ正確な手術を可能にします。
これにより、安全で術後の疼痛も少なく、治療期間が短縮するなど、変形性股関節症や変形性膝関節症などで悩む多くの患者さんの術後のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させることが可能になります。当院では今後、積極的にロボティックアームを用いた手術を行っていきます。
【ロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」の特徴】
1. 正確で安全な手術を支援
手術ナビゲーションの技術を応用し、術中の手術器械の位置を表示しながら正確な位置へ誘導する。また、計画外の範囲にさしかかると自動的に制御する機能を搭載し、患部周辺組織を保護する。
2. 術者が主体的に操作
Makoシステムは術者である医師が直接操作し医師の手術手技をサポートする役割を果たす。
3. 術後疼痛の軽減
ロボティックアームを用いて人工関節全置換術を行うと、人工関節の設置精度の向上が認められ、さらに人工股関節全置換術では術後の脱臼率の低減、人工膝関節全置換術では疼痛の低減および早期リハビリ開始などのメリットが期待できる。
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<Makoシステム>
〇膝関節用ロボティックアーム(左)
〇カメラスタンド(中央)
〇ガイダンスモジュール(右)
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