2020年サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表された結果は、治療戦略と患者の転帰を最適化するために、HER2陰性の原発腫瘍生検患者の血液サンプルからHER2+ CTCをスクリーニングすることの妥当性を示しています。
ボローニャ(イタリア)、ハンティンドンバレー(米ペンシルベニア州)発、2020年12月18日 -- リキッドバイオプシー技術におけるパイオニアのMenarini Silicon Biosystemsは本日、DETECT研究プログラムの新しいデータを発表しました。このデータは原発腫瘍の生検に基づくHER2陰性転移性乳がん(MBC)、およびHER2+ CTCのある女性に焦点を当てたものです。この大規模プログラムの結果は、これらの患者の血液サンプルにおけるHER2+ CTCのスクリーニングが、治療に関する決定を導き、患者の転帰を改善するための重要なツールであることを示しています。 また、2020年サンアントニオ乳がんシンポジウムのポスタースポットライトセッションにて議論された無作為化DETECT III 第III相研究では、標準治療に標準HER2標的TKI(チロシンキナーゼ阻害剤)ラパチニブを追加することで、この特定の患者集団のOS(全生存)に好影響を与えることが示されています。DETECTプログラムは、患者管理を最適化することを目的に、原発性HER2陰性乳がん腫瘍生検を行った女性におけるCTCによるHER2+ 過剰発現を考慮した付加価値に関するこれまでで最大規模のスクリーニング解析です。
ドイツ・デュッセルドルフのHeinrich-Heine Universityの正教授であり、産婦人科部長を務めるTanja N. Fehm教授(医学博士)は次のように述べています。 「DETECTプログラム全体から得られた結果は、最もクリティカルな患者のニーズを知り、より良い治療を提供するために、原発腫瘍生検で得られた一次情報以上の示唆を与えるものであり、CTC HER2ステータスがCTC計数に加えて重要な予後予測ツールであることを明確に示しています。」転移性疾患は今もなお、がん関連死の主要な原因となっています。CTCが、進行性がんの様々な臨床的および分子的複雑性を解明するための適格なバイオマーカーであることは、これまでにも度々示されてきました。「元々はHER2陰性乳がんと診断され、従って論理的には実際は必要かもしれないHER2治療を受けられない患者の治療を最適化するためにDETECT III研究によって提供される機会は、遠隔再発型の乳がんの深刻な負担に対する治療法の模索において大きな障害を取り除く可能性があります」 と彼女は加えました。
HER2陰性MBC患者1900人以上が、Menarini Silicon BiosystemsのCELLSEARCH® CTC Systemを用いたCTC計数と表現型のスクリーニングを受けました。CTCはHER2抗体*で標識・染色され、染色強度に応じて分類されました。CTCのHER2ステータスは、1159人のCTC陽性患者において評価されました。合計174人(15.0%)の患者においては、CTC計数≥1であり、強いHER2染色がみられました。この状況は単変量解析にて、より短いOSと有意に関連していました。
さらに、中等度から強度のCTC-HER2 陽性の 105 例が DETECT III 試験に登録され、ラパチニブと標準治療の併用群と標準治療単独群のいずれかに無作為化されました。ラパチニブ群では、OSは大幅に改善しました。また、中央値で73日間の最初のフォローアップ時にCTC(CTC0)の兆候がない患者は、CTCを認めた患者と比較して良好なOSを示しました(HR 0.36; 95% CI 0.17 – 0.76; p-値= 0.005)。DETECT プログラムの主な結論は、転移性HER2陰性の原発性乳がん患者におけるCTCのHER2過剰発現は、より適切な治療オプションを検討するための重要なシグナルを医師に提供するということです。
「乳がんは、個々の患者特性に応じて医師が処方できる治療戦略の数が増えつつある異種疾患であり、医師はそれに対しリアルタイムで選択を最適化するための適切かつ非侵襲性の診断ツールを入手することに意欲的です」 と、医師でありMenarini Silicon Biosystemsのグローバルメディカルアフェアーズ部門のヘッドのCecilia Simonelliは述べています。「私たちはこれを可能にし、最も困難ながんであっても治癒可能ながんにするという究極の目標に貢献できるように、当社の技術を活用することに特に力を入れています。」
DETECT研究プログラムについて
DETECTは、循環腫瘍細胞(CTC)の役割、そしてHER2陰性MBCに対する治療戦略を個人化するためのHER2表現型評価に関する、最大規模の研究プログラムです。このプログラムの目的は、転移状況下で不一致のHER2陰性原発腫瘍生検のある患者における、CTC表現型に基づいた治療的介入の適合に対する影響と、CTCのHER2+過剰発現を評価することです。研究結果は一貫して、患者の転帰を最適化するために、この患者集団にHER2標的療法を追加する重要性を示しています。
CELLSEARCHについて
CELLSEARCHは、他の臨床的な監視方法と併用される場合に、転移性乳がん、前立腺がん、そして大腸がん患者を管理する際に医師を支援するためCTCを検出し数える、最初で唯一の米国食品医薬品局(FDA)の認可を得た臨床的に確証された血液検査です。さらにこの検査は、転移性乳がん患者の監視における使用に対し、中国国家薬品監督管理総局(NMPA)による認可を得ています。 CELLSEARCH System は最も広く研究されているCTC技術であり、その研究は650もの論文審査のある出版物にて発表されています。
CELLSEARCH循環腫瘍細胞キットは、治療に関する決定を導くための使用に対する認可または承認を得ていません。 CELLSEARCHシステムの完全な使用目的と限界に関する詳細情報については、 (リンク ») (リンク ») にて使用上の注意を参照してください。
* CELLSEARCH(R) 腫瘍表現型検査試薬(HER-2/neu)は、研究目的での使用のみ認められています。診断には使用しないでください。性能特性および安全性は確証されておらず、FDAによる認可または承認を得ていません。
Menarini Silicon Biosystemsについて
Menarini Silicon Biosystemsは、細胞やその分子特性化における比類のない解像度へのアクセスを与える、独自の希少な細胞技術とソリューションを臨床研究者に提供します。
イタリアのボローニャと、アメリカ、ペンシルバニア州のハンティンドンバレーを拠点とするMenarini Silicon Biosystemsは、イタリアのフィレンツェに本部を置いており、140か国に17,000人を超える従業員を有する、Menarini Groupの完全所有子会社である製薬、バイオテクノロジー、そして診断の多国籍会社です。
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