映像制作ワークフローにおける“温室効果ガス削減”と“プロセス効率化”の実現を目指し、東北新社、電通クリエーティブX、ヒビノ、電通クリエーティブキューブ、オムニバス・ジャパンが取り組む共同プロジェクト「メタバース プロダクション」は、バーチャルプロダクションのひとつであるインカメラVFX(※1)撮影の利用シーン拡大に向け、当プロジェクトのCG制作を担う株式会社オムニバス・ジャパンに加え、リアルタイム3D制作プラットフォームUnreal Engine(※2)によるハイエンドなCG制作を得意とする株式会社ヒストリア、株式会社Chapter9と連携し、利用ニーズの高い3DCG背景素材を新たに追加し1月18日にウェブサイトで公開いたしました。
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今回追加した3DCG背景素材は、オフィスやビル街などの利用ニーズが高いロケーションを中心に、レストラン、ショールーム、ロンドンの街並み、大聖堂など計13種類を追加いたしました。すべての素材はUnreal Engine 4で開発され、インカメラVFX撮影に対応しており、メタバース プロダクションが提供するPXサービス[Virtual House Studio]として利用可能です。
CG制作は、「メタバース プロダクション」でCG制作を担当するオムニバス・ジャパンに加え、Unreal Engine専門のゲームデベロッパーとしてゲームやデジタルコンテンツを企画制作するヒストリアのノンゲーム部隊であるヒストリア・エンタープライズ、建築ビジュアライゼーションを得意としバーチャルプロダクション撮影に早期から取り組むChapter9が担当しています。さらに、2022年4月にリリースされたUnreal Engine 5による3DCG背景素材の提供を見据え、ヒストリアによる技術サポートを受けながら、大型LEDディスプレイへの上映・撮影テストを11月より開始いたしました。
今後も各社と連携を深め、業界の垣根を越え、ゲーム業界や住建・住設で利用されている既存の3DCG背景素材を積極的にラインアップに加えていくなど、 “映像制作の新たな選択肢”として選ばれ続けられるよう、Production Transformation(映像制作トランスフォーメーション)につながるPXサービスの拡充・拡張に努めてまいります。
※1 インカメラVFX:
大型LEDディスプレイに3DCG素材や映像などを背景として投影し、LEDの前にある被写体と同時に撮影するバーチャルプロダクション手法のひとつ。カメラの位置はリアルタイムでトラッキングされ、同期されたリアルタイムレンダリング映像と組み合わせることで、カメラワークに追随して背景CGも変化し、まるで被写体が実際のロケーションにいるかのような映像をスタジオ内で撮影できる。
※2 Unreal Engine:
Epic Games社が開発し、フォトリアルなビジュアルと没入的体験を作り出す、リアルタイム3D制作プラットフォーム。ゲーム開発をはじめ、建築や映像などさまざまな業界で使われている。
PXサービス[Virtual House Studio]のラインナップに加わる3DCG背景素材
OJ library
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historia library
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(参考)Unreal Engine 5 テスト素材:2023年前半の利用開始をめざしています
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Chapter9 library
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Unreal Engine 5制作 3DCG素材 上映・撮影テスト映像
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※いずれも映像のみ、BGMはありません
上映・撮影テスト関係者コメント
芳我 理世(電通クリエーティブX 映像ディレクター)
Unreal Engine 5では、ライティングや寄り込んだ時のクオリティが圧倒的に向上すると期待されるので、インカメラVFXでのLED上映テストを始めています。ヒストリアさんが制作した3DCG背景素材の上映・撮影テストでは、約49億ポリゴンで細部まで緻密に創りこまれた「マーケットオブライト」を大型LEDディスプレイに問題なく投影できただけでなく、デイシーンからナイトシーンに一瞬で切り替えられた瞬間は感動すら覚えました。Unreal Engine 5が実際に導入されると、現場での対応力が格段に上がり、表現の幅もさらに広がるでしょう。今後は、3DCG背景内にバーチャルエキストラを配置することも重要ですね。
佐々木 瞬(ヒストリア 代表取締役)
Unreal Engine 5が搭載する無限のポリゴンを表現する「Nanite」や、動的なライティングを可能にする「Lumen」は、リアルタイムレンダリングの時代を大きく進化させました。広大なフィールドを存分に表現できるようになったため、街を事前に作成しておき、現場でリアルタイムにロケーションを選ぶといったことも技術的に可能になりました。また、Unreal Engineと連携する形で提供されているMetaHuman CreatorやRealityScanを利用すれば、デジタルエキストラを簡単に生成し、現実の物体をスマートフォンひとつで3Dシーンに取り込むことができます。このようにバーチャルとリアルの境界が溶けてゆく昨今、インカメラVFXは時代の進化の最先端と言えるかもしれません。
小林 基己(Chapter9 CTO/撮影監督)
今まで活用してきたUnreal Engine 4.27に比べると、高精細の背景アセットでも明らかに再生コマ数が確保されているのは、Unreal Engine 5から加わった「Nanite」によるところが大きく感じました。ボリュメトリックで作成された通行人を30人ほど配置して動かしたのですが、それでも再生速度が維持されるのには可能性を感じます。照明においても、今までは一部の影やベースライトなどを背景に予め書き込んでしまうベイクという処理を施さなければいけなかったのですが、「Lumen」という新機能のおかげでその必要性が減少し、実世界と同じような感覚でバーチャル世界の照明を作り込めるようになったのは嬉しいです。被写体へのリアルな照明とCGの環境照明とが、撮影現場で寄り添えるのは創造的ですね。
※3 Nanite:
3Dモデルを効率的かつ高速にレンダリングする高性能なシステム。
※4 Lumen:
間接光や反射を考慮したライティングの計算をリアルタイムで行うシステム。
ヒストリア・エンタープライズについて
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Unreal Engineを専門に扱うソフトウェア開発会社である株式会社ヒストリアのエンタープライズ専門制作チームです。株式会社ヒストリアのゲーム開発事業の開発チームと技術連携をとり、自動車業界や放送/映像業界、建築業界、その他製造業など、様々な業界に向けてソフトウェアの販売、受託開発を行っております。
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株式会社Chapter9について
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建築と映像という異業種が融合することで、新たなビジュアライゼーションの提供を目指して2021年に設立。LED InCameraVFXを用いたCMやMV、番組OPなどを、背景制作、撮影技術として参加。建築の分野では、公共施設の改築など、次世代エネルギーの導入も積極的に行っています。
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メタバース プロダクションについて
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テクノロジーを駆使し、映像制作ワークフローにおける“温室効果ガスの削減”と“プロセス効率化”を目指す、東北新社・電通クリエーティブX・ヒビノ・電通クリエーティブキューブによる4社共同プロジェクト。メタバース内で映像制作が完結する未来を見据え、バーチャルプロダクション撮影(インカメラVFX)の普及・推進や各種サービス開発・提供を進めています。
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プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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