20万分の1地質図幅「京都及大阪」(第2版)
ポイント
・ 京阪神都市圏を含む近畿地方北部の多様な地層・岩石の分布を網羅
・ 最新の地質情報に基づいて40年ぶりに改訂された、より詳細な地質図
・ 京阪神都市圏における防災・減災や地域振興の基礎資料としての利活用に期待
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国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、京阪神都市圏を含む近畿地方北部に位置する20万分の1地質図幅「京都及大阪」(第2版)(以下「本図幅」という)を刊行しました。この地域における20万分の1地質図幅の刊行は、1986年の初版に続き40年ぶりの改訂となります。この地域には、西南日本内帯の主要な地質区に属する多様な地層・岩石が分布しており、これらは古生代後半(約4億年前)から新生代(現在まで)にかけての異なる地質条件のもとで形成されました。3年間にわたって実施された150日以上の野外地質調査と、岩石の放射年代測定に加え、1980年代後半から最近までに得られた最新の地質情報と学術的新知見を取り入れた結果、初版では52であった凡例数が第2版では113に倍増しました。つまり、地層・岩石がより細かな単位に区分された詳細な地質図となっています。これらのことから本図幅は、京阪神都市圏の地形・地質の成り立ちを知るうえで重要な研究成果の一つであるといえます。
本地域では、府県庁所在地とその周辺市町村に1,300万人もの人々が暮らし、経済・産業が高度に集積するとともに複雑・多層的な交通網も形成されています。その一方で、兵庫県南部地震を引き起こした六甲–淡路断層帯や1596年慶長伏見地震の原因と推定される有馬–高槻断層帯をはじめとして、多くの活断層が密集しており、将来の災害に備えることが社会としての喫緊の課題となっています。本図幅では、活断層についてもその存在の確実度を「確認」と「推定」に区別しているほか、重力解析で得られた等重力線を地質図に重ね合わせることで、地下の地質構造を推定することが可能となっています。この成果は、本地域内の都市インフラ整備に対して基盤的かつ基礎的な役割を果たすことができます。さらに、古都である京都・奈良、琵琶湖畔の大津、近代都市が発展した大阪・神戸を代表として多くの景勝地や観光地にも恵まれ、国内・海外から多くの観光客が訪れています。このような観点からも、本図幅が広域防災・減災や観光産業に資する地質学的資料として利活用されることが期待されます。
下線部は【用語解説】参照
メンバー
中江 訓(産総研 地質情報研究部門)
佐藤 大介(産総研 地質情報研究部門)
細井 淳(産総研 地質情報研究部門・茨城大学 基礎自然科学野)
小松原 琢(産総研 地質情報基盤センター)
宮川 歩夢(産総研 地質情報研究部門)
高木 哲一(株式会社AIST Solutions・元産総研 地圏資源環境研究部門)
入手先
本図幅は、4月16日より産総研地質調査総合センターのウェブサイトからダウンロードできます( (リンク ») )。また産総研が提携する委託販売先からも購入できます( (リンク ») )。
用語解説
地質図・地質図幅
地質図とは、植生や土壌を剥ぎ取った地表における地層・岩石の分布状況を表現した地図のことである。また地質図幅は、上下を緯線・左右を経線で画された地質図を指す。産総研地質調査総合センターでは研究者が全国各地で調査研究を実施し、その成果をもとに5万分の1と20万分の1の縮尺で地質図幅を作成・刊行している。
西南日本内帯
日本列島の地体構造区分の一つ。地質学的には本州弧を二分した場合、糸魚川–静岡構造線より西側を西南日本と呼び、そのうち中央構造線の北側が内帯にあたる。
凡例
地質図では多種多様な地層・岩石が区分けされているが、その種類や概要を示したのが凡例である。凡例の数が多いほど地層・岩石が細分されていることを示し、詳細な地質図であるといえる。
活断層
最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層を活断層と呼ぶ。最近の地質時代としては、第四紀(約250万年前以降)または第四紀後半(数十万年前以降)を対象とすることが一般的である。
等重力線
地球上の重力の大きさが等しい地点を結んだ線のこと。重力の値は、測定する場所の緯度・高度・地形や地下の物質(地層・岩石)の密度によって変化する。そのため、地質図と等重力線を重ね合わせることで、地下の地層・岩石の分布状態や地質構造を知ることができる。例えば、大阪平野や京都盆地などとそれに隣接する山地との間には、等重力線の間隔が狭くなる領域が見られ、そのような場所は活断層の位置と一致する傾向がある。つまり、長い時間をかけて活断層が繰り返し活動することによって、地下深くまで続く地質構造の境界に沿って地盤が沈下し、平野や盆地が形成されたと推定できる。
プレスリリースURL
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ポイント
・ 京阪神都市圏を含む近畿地方北部の多様な地層・岩石の分布を網羅
・ 最新の地質情報に基づいて40年ぶりに改訂された、より詳細な地質図
・ 京阪神都市圏における防災・減災や地域振興の基礎資料としての利活用に期待
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国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、京阪神都市圏を含む近畿地方北部に位置する20万分の1地質図幅「京都及大阪」(第2版)(以下「本図幅」という)を刊行しました。この地域における20万分の1地質図幅の刊行は、1986年の初版に続き40年ぶりの改訂となります。この地域には、西南日本内帯の主要な地質区に属する多様な地層・岩石が分布しており、これらは古生代後半(約4億年前)から新生代(現在まで)にかけての異なる地質条件のもとで形成されました。3年間にわたって実施された150日以上の野外地質調査と、岩石の放射年代測定に加え、1980年代後半から最近までに得られた最新の地質情報と学術的新知見を取り入れた結果、初版では52であった凡例数が第2版では113に倍増しました。つまり、地層・岩石がより細かな単位に区分された詳細な地質図となっています。これらのことから本図幅は、京阪神都市圏の地形・地質の成り立ちを知るうえで重要な研究成果の一つであるといえます。
本地域では、府県庁所在地とその周辺市町村に1,300万人もの人々が暮らし、経済・産業が高度に集積するとともに複雑・多層的な交通網も形成されています。その一方で、兵庫県南部地震を引き起こした六甲–淡路断層帯や1596年慶長伏見地震の原因と推定される有馬–高槻断層帯をはじめとして、多くの活断層が密集しており、将来の災害に備えることが社会としての喫緊の課題となっています。本図幅では、活断層についてもその存在の確実度を「確認」と「推定」に区別しているほか、重力解析で得られた等重力線を地質図に重ね合わせることで、地下の地質構造を推定することが可能となっています。この成果は、本地域内の都市インフラ整備に対して基盤的かつ基礎的な役割を果たすことができます。さらに、古都である京都・奈良、琵琶湖畔の大津、近代都市が発展した大阪・神戸を代表として多くの景勝地や観光地にも恵まれ、国内・海外から多くの観光客が訪れています。このような観点からも、本図幅が広域防災・減災や観光産業に資する地質学的資料として利活用されることが期待されます。
下線部は【用語解説】参照
メンバー
中江 訓(産総研 地質情報研究部門)
佐藤 大介(産総研 地質情報研究部門)
細井 淳(産総研 地質情報研究部門・茨城大学 基礎自然科学野)
小松原 琢(産総研 地質情報基盤センター)
宮川 歩夢(産総研 地質情報研究部門)
高木 哲一(株式会社AIST Solutions・元産総研 地圏資源環境研究部門)
入手先
本図幅は、4月16日より産総研地質調査総合センターのウェブサイトからダウンロードできます( (リンク ») )。また産総研が提携する委託販売先からも購入できます( (リンク ») )。
用語解説
地質図・地質図幅
地質図とは、植生や土壌を剥ぎ取った地表における地層・岩石の分布状況を表現した地図のことである。また地質図幅は、上下を緯線・左右を経線で画された地質図を指す。産総研地質調査総合センターでは研究者が全国各地で調査研究を実施し、その成果をもとに5万分の1と20万分の1の縮尺で地質図幅を作成・刊行している。
西南日本内帯
日本列島の地体構造区分の一つ。地質学的には本州弧を二分した場合、糸魚川–静岡構造線より西側を西南日本と呼び、そのうち中央構造線の北側が内帯にあたる。
凡例
地質図では多種多様な地層・岩石が区分けされているが、その種類や概要を示したのが凡例である。凡例の数が多いほど地層・岩石が細分されていることを示し、詳細な地質図であるといえる。
活断層
最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層を活断層と呼ぶ。最近の地質時代としては、第四紀(約250万年前以降)または第四紀後半(数十万年前以降)を対象とすることが一般的である。
等重力線
地球上の重力の大きさが等しい地点を結んだ線のこと。重力の値は、測定する場所の緯度・高度・地形や地下の物質(地層・岩石)の密度によって変化する。そのため、地質図と等重力線を重ね合わせることで、地下の地層・岩石の分布状態や地質構造を知ることができる。例えば、大阪平野や京都盆地などとそれに隣接する山地との間には、等重力線の間隔が狭くなる領域が見られ、そのような場所は活断層の位置と一致する傾向がある。つまり、長い時間をかけて活断層が繰り返し活動することによって、地下深くまで続く地質構造の境界に沿って地盤が沈下し、平野や盆地が形成されたと推定できる。
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