この6月に稼働し、今秋からクラウドストレージサービスのベータサービスを開始する同社の石狩データセンターでは、1台3Tバイトのストレージを1Uに12台搭載。1ラックあたり1Pバイトの容量となる。「石狩データセンターには、4000ラックが収納されることから、4エクサバイト(4000Pバイト)のデータを運用できる」(田中氏)
富士通が2月から、拡張型クラウドストレージとしてオブジェクトストレージサービスを開始していることも紹介された。拡張の容易性などを実現しながら、市場が求める安価で、安心、安全なストレージ要件をサポートするといった点で注目を集めているという。
田口氏は「商用だけでなく、大学などでも拡張型クラウドサービスの活用が始まっており、幅広い分野に展開されている。ビッグデータ時代において欠かせないものになっていくだろう」と語る。
ネットワークでは、SDNへの流れが本格化していることに触れながら、NTTデータによる、オープンネットワーキングプラットフォーム(ONP)とバーチャルネットワークコントローラ2.0(VNC2.0)による新たに価値を創造するSDNソリューションを共同開発中であることを説明。OpenFlowコミュニティでの標準化、検証、改善で協業を進めていることも明らかにした。
「クラウド環境での資源の運用管理は、電力問題などを含めて、日本では大きな課題となっている」と田口氏は現在の課題を解説。統合リソースオーケストレーションについてこう説明した。
「インテルでは、クラウド環境における資源の運用管理、エネルギー管理を強化する“インテル データセンター・マネジャー(DCM)”で、こうした課題を解決。富士通では、DCMを活用することで、ラックあたりのサーバ数を安全に増加させ、供給電力内でのサービス能力の向上を図ることができる。一元的に管理することで、高度で効率的な運用を実現できるものであり、国内でも導入が広がり始めている」
田口氏は「ビッグデータの価値を創出するには、クラウド型アーキテクチャへの取り組みが必須である。分散型アーキテクチャであるHadoop、拡張性が高い分散ストレージ、プログラムが可能なSDNが、それを支える技術になる。今後は、クラウドでビッグデータの活用に寄与できる事例を紹介していきたい」と解説。「ビッグデータ時代にインテルは、エッジからクラウドまでを含めた標準フレームワークをパートナーとともに推進していくことが、今後の役割になるだろう」と田口氏は強調した。