インテルは3月18日、報道関係者を対象にしたIA(インテル・アーキテクチャー)プレスミーティングを開催した。日本で初めて、IAベースのスマートフォンに関する説明を行った。
同社は2012年に投入したMedfieldに続き、2013年1月には米ラスベガスで開催したInternational CES 2013でLexingtonを発表。
2月にはスペイン・パルセロナで開催したWorld Mobile Congress 2013でClover Trail+を発表し、それぞれのプラットフォームの特徴と現在の状況などについて触れた。
Medfieldは2012年末時点で、レノボやZTE、モトローラなどから7機種が市場投入された。Atom Z2480によるインテルチップならではの性能の高さを生かして、パフォーマンススマートフォンとして展開していることを示す一方、普及価格帯向けプラットフォームと位置づけるLexingtonでは、中国、東南アジア、アフリカ、南米といった新興国をターゲットに展開している。
IAベースのスマートフォンが拡大している
既に1月には、ケニアのキャリアであるSafaricomが、アフリカ初となるインテル搭載スマートフォン「Yolo」を発売。アジア太平洋地域ではAcerが「Liquid C1」を、インドでは同国のキャリアであるLavaが50都市において、XOLO X-500をそれぞれ発売。4月にはエジプトのキャリアであるEtisalatがEtisalat E-20を発売する予定だという。
LexingtonプラットフォームではインテルAtom Z2420プロセッサを採用。「1080p、30フレームのフル動画をキャプチャーし、これを共有したり、毎秒7フレームの連写機能を搭載するなど、普及モデルとはいえ、動画や静止画に強いのが特徴。普及価格と高性能を兼ね備えたものになる」(同社インテル技術本部本部長の土岐英秋執行役員)とした。
そのほか、FMラジオやMicroSDカードスロット、WiDi(インテルワイヤレスディスプレイ)もサポートしている。一方、Clover Trail+は、Medfieldの後継にあたるもので、デュアルコアCPUを採用。グラフィックス性能を3倍に高めている。
Atom Z2580を搭載し、同プラットフォームに対応したスマートフォンとして、レノボが「Lenovo IdeaPhone K900」を既に発表。6.9mmというインテル搭載スマートフォンとして最薄モデルとして、中国市場向けに投入することになる。
Clover Trail+では、最大2.0GHzのハイパースレッディングテクノロジーを実装したデュアルコアCPUとして高性能を実現した。1600万画素のカメラを活用して、複数の画像を組み合わせてベストショットを撮影できるグループフォト機能や、ぶれやゴーストを除去するHDRを採用。800万画素で1秒間に15フレームの連続撮影も可能。
さらに、アイデンティティプロテクションテクノロジー(IPT)による信頼性向上などを実現しているという。
こうしたスマートフォン向けプラットフォームの相次ぐ進化によって、インテル搭載スマートフォンは、1年間に10機種を既に製品化。20カ国以上で販売されているという。なお、日本での「インテル搭載スマートフォン」の投入時期については明言を避けた。
スマートフォン向け製品のロードマップ