オープンソース環境への移行をスムーズにする5つのコツ

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2014-09-12 06:30

 オープンソースはLinuxの専売特許ではない。確かにLinuxプラットフォーム向けのオープンソースソフトウェアは数多く存在している。しかし、「Windows」向けや「OS X」向けのオープンソースソフトウェアも結構たくさんある。ただ、あなたがどのようなフリーソフトウェア/オープンソースソフトウェア(FOSS)を必要としているのかに関係なく、今まで使ってきたソフトウェアの自然な延長線上にあるものが見つかるとは限らない。これは長い間プロプライエタリなソフトウェアを使ってきた場合に特に言えることだ。とは言うものの、多くのオープンソースソフトウェアがプロプライエタリなソフトウェアに匹敵する(そして時には上回る)レベルにまで成熟しているという点が重要なのだ。

 この点を念頭に置き、クローズドソースソフトウェアのエコシステムからオープンソースソフトウェアのエコシステムへの移行をスムーズにするための5つのティップスを解説したい。あなたの考える移行とは単に「Microsoft Office」から「LibreOffice」に切り替えるという意味かもしれないし、オープンソースに首までどっぷりつかってWindows環境からLinux環境に切り替えるという意味かもしれない。いずれの移行にせよ、これらのティップスはそれを容易なものにするはずだ。

#1:小さく始める

 仕事でオープンソースソフトウェアへの移行を計画しているのであれば、小さく始めてほしい。ユーザーのデスクトップPCにLinuxをインストールすれば、彼らは自転車を乗り回すように使いこなしてくれるだろうなどと考えてはいけない。そうではなく、当然と感じられるもの、つまりブラウザ(例えば「Firefox」)やオフィススイート(例えばLibreOffice)から手を付けてほしい。小さく始めることで、エンドユーザーに怒りの感情を抱かせるのではなく、パラダイムシフトの容易さを実感してもらいやすくなる。エンドユーザーがこういった変化に慣れていれば、大きな変革の際に驚くほど容易に移行できるはずだ。

#2:「完全互換」だと考えてはいけない

 ここでの「完全互換」とはどういった意味だろうか?これは切り替え後のソフトウェアが切り替え前のソフトウェアとまったく同じように動作するという意味だ。ほとんどの場合、このようにはいかない。トップレベルのユーザーインターフェースが同じ場合であってもだ。例えば、Microsoft Officeのリボンインターフェースを考えてみてほしい。このような特殊なUIは、主なオープンソースソフトウェア上では採用されていないのだ。ただ、LibreOfficeは標準的なメニュー駆動システムを採用し続けているため、旧バージョンのMicrosoft Officeを使用している人であれば抵抗感なく使えるだろう。

 また、今までと同じ方法ですべての機能にアクセスできると期待してもいけない。ほとんどのオープンソースアプリでは、メニュー項目やツールバー、ランチャーなどの配置は可能な限り論理的に決定されている。たいていの場合、それは功を奏している。しかし、こうしたソフトウェアの開発者に、あなたが以前に使っていたソフトウェアの項目配置の責任を負わせることはできない。あるソフトウェアから別のソフトウェアに移行するという場合、多くの人々は以前のソフトウェアの項目配置がすべて論理的であるという前提を置いて足元をすくわれている。実際は、単にそのソフトウェアに慣らされていただけなのだ。さまざまな項目の配置が変わっていたとしても、新たなソフトウェアを使用していれば、すぐに慣れるはずだ。時間をかければ、すべてはあるべきところに収まるのである。

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