Linuxはコンシューマーの要求に応えられるか?

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2014年08月29日 06時30分

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 コンシューマーエレクトロニクスの世界において、買い手は欲するものを手にできなければどこかに行ってしまう。最近も、「Firefox」ブラウザでこういった事実を目にしているはずだ。コンシューマーはより高速、かつ肥大化とは縁のないソフトウェアを求めていたにもかかわらず、開発者は真反対の方向に進んでしまった。そして、ユーザーは最終的に「Chrome」や「Chromium」に乗り換えてしまった。

 Linux陣営も水晶玉をのぞき込んでブラウザ戦争の行く末を見届けたうえで、同じ轍を踏まないよう、次のアドバイスを心に留めておく必要がある。

 彼らの欲するものを作らなければ、彼らは去っていくのだ。


 開発者側の期待通りの展開とならなかったもう1つの好例として「Windows 8」が挙げられる。あのインターフェースはコンシューマーが欲しがっていたものではなかった。しかしMicrosoftは、「Surface」上であらゆるものを動作させるうえで、あのインターフェースを必要としていた。同様のことはCanonicalとその「Ubuntu Unity」にも当てはまる可能性があった。しかし、彼らはタブレットのみに特化する方向に動いていたわけではなかった(このため、デスクトップ上のインターフェースは極めて機能的かつ直感的なままとなった)。

 Linuxの開発者や設計者はこれまでずっと、自らの目標に向かって突き進んできたようだ。彼らは「自らが使うものを作る」という方針を貫いてきた。しかし、彼らはとても重要な事実を忘れていたのだった。

 その事実とは、新規ユーザーがいなければ彼らの「ユーザーベース」は彼ら自身でしかないというものだ。

 つまり、開発者や設計者に向けて売り込みが行われているものの、その売り込みを行っているのが開発者や設計者自身だというわけだ。このポイントを明確にするために3つの例を挙げてみたい。

 1. Linuxは何年も前から「Active Directory」のような機能を必要としてきている。この栄光をLDAPに手渡したいのは山々だ。しかし、あなたは実際にLDAPを使ってみたことがあるだろうか?これは悪夢のようなものだ。開発者らはLDAPを簡単に使えるものにしようと努力してきたが、その成果は上がっていない。マルチユーザー環境を売りにしてきたプラットフォームであるにもかかわらず、いまだにActive Directoryと互角に戦えるものがないというのはある意味驚きだ。開発者チームが立ち上がり、オープンソース版のActive Directoryをまったくのゼロから作り出す必要がある。これによってMicrosoft製品からオープンソース製品に移行したいと考えている中規模企業の背中を押せるはずだ。逆に言えば、そういった製品が作り出されるまで移行は起こらないだろう。

 2. Microsoft製品から生み出されたニーズがもう1つある。それは「Microsoft Exchange」と「Microsoft Outlook」だ。多くの人々がクラウドに移行しているのは確かである。しかし中規模企業や大企業は、優れた代替製品が出てくるまでExchangeとOutlookの組み合わせを使い続けるだろう。こういった製品がオープンソースコミュニティーから生み出される可能性は十分にある。パズルピースの1つは(何らかの作業は必要だが)姿を見せてきている。それは「Evolution」というグループウェアクライアントだ。このため、例えば「Zimbra」の開発チームがEvolutionとの連携機能(そしてさらには「Thunderbird」との連携機能)を付加し、Exchangeの代替となる製品を作り上げたとしたら、流れが変わり、移行に踏み切るコンシューマーがどんどん増えていくはずだ。

 3. 安く、安く、安く。受け入れ難いかもしれないが、コンシューマー(そして企業)は安価なものを求めている。「Chromebook」の2013年の売上実績を見てほしい。次に、700ドル未満のLinux搭載ノートPCがどれだけあるのかを検索してみてほしい。その3分の1の価格であなたのニーズに応えられるChromebook(Linuxカーネルの稼働するプラットフォーム)が入手できると分かるはずだ。ただ、Linux市場はいまだにニッチであるため、価格の引き下げは難しいだろう。Red Hatといった企業がこの状況を変えられるかもしれない。Red Hatは既にサーバハードウェアの販売を手がけている。もう一踏ん張りして、Chromebookのような、しかし完全なLinux環境を実現した低価格のミッドレンジノートPCを販売してくれないだろうか?この際に重要となるのは、機器の価格を安くするとともに、平均的なコンシューマーのニーズを満足させるという点だ。ゲーマーや開発者のことは忘れ、平均的なユーザーが本当に欲しているもの、つまりウェブサーフィンとそれ以外のちょっとした作業ができる製品を作るのである。Chromebookが素晴らしい成功を収めた理由はここにある。Googleはコンシューマーが求めているものをしっかりと把握し、その求めに応えたというわけだ。Linux分野に目を向けると、ハイエンドで高価格なLinuxハードウェアを提供するのが買い手を魅了する唯一の方法だといまだに考えている節がある。Linuxは旧式で性能の低いハードウェアでも動作すると声高らかにうたっている点を考えると、これはおかしな話と言える。

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