最後になるが、LinuxはThe Economistの懐かしい特集記事「The Book of Jobs」(ジョブズ記)の教えに従い、Linuxが本当に必要なものだという点をコンシューマーに納得してもらうための方法を見つけ出さなければならない。あらゆる人は社内や家庭でLinuxの恩恵を享受できる。正直なところ、オープンソースコミュニティーがどうしてこれを成し遂げられないのか分からない。Linuxは既に、安定性や信頼性、セキュリティ、クラウド、無償という素晴らしい売り文句とセットで語られるようになっているうえ、圧倒的に多くのユーザーに(本人も知らないうちに)使われている。今こそ彼らに伝える時だ。「Android」やChromebookを使っているのであれば、(何らかのかたちで)Linuxを使っているのである。
コンシューマーが欲しているものを知るというのは、Linuxコミュニティーがこれまでずっと不得手にしてきたところだ。確かに、Linuxで多くの開発が行われてきたのは開発者が特定のニーズを持っていたためだという点は理解している。しかしそれは、開発が「超ニッチ」な分野に向いていることをも意味している。だが、今こそLinux開発者コミュニティーがグローバルな視点に立つ時なのである。「平均的なユーザーのニーズはどういったものであり、それをどのようにすれば提供できるのだろうか?」最も基本的なたたき台として以下が挙げられる。
平均的なユーザーのニーズ:
- 低コスト
- デバイスやサービスのシームレスな統合
- 直感的かつ近代的なデザイン
- 100%安定したブラウザエクスペリエンス
これなのだ。この4つのポイントを忘れなければ、Linuxという土台の上にユーザーが欲しているものを作り出せるはずだ。Googleはそれをやってのけた。LinuxコミュニティーもGoogleがなし得たものを活用し、さらによい製品を作りだせるはずだ。そういった製品とActive Directoryを統合し、ExchangeとOutlook、あるいはクラウドベースのグループウェアツール一式を搭載すれば、素晴らしいことが起こる、つまり人々はそれを購入するはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。