Lookout、モバイル向けアンチウイルスソフトを発表--ビッグデータを活用

山田竜司 (編集部)

2015-10-08 11:42

 Lookoutは10月6日、企業向けにモバイル端末対応のアンチウイルスソフト「Lookout Mobile Threat Protection」を発表した。AndroidとiOSに対応する。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)経由で販売する。


LookOut 最高経営責任者(CEO)Jim Dolce氏

 Lookoutはこれまで個人向けに提供しており、2014年にはKDDIとの提携も発表している。Lookout Mobile Threat Protectionは、セキュリティ分析基盤に7500万人の一般ユーザーや1500万のアプリを解析して得たマルウェアの構成要素などのビッグデータを利用している。振る舞い検知に対応する前に攻撃を予測できるアンチウイルスソフトという。

 「シグネチャ型のアンチウイルスソフトでは対応できないゼロディ攻撃や、ウイルスの振る舞い検知機能にひっかからないマルウェアに対して、ビッグデータと機械学習を解析に使うことで対応できる」(Lookout最高経営責任者=CEOのJim Dolce氏)

 会見ではモバイル端末に原因があり、データ漏えいの被害に遭った企業の割合が74%にのぼる一方、マルウェア対策がIT管理者の最大の懸念事項でありながら、マルウェア対策を適用している企業が17%にすぎないという調査に言及。ユーザーニーズと実際の対応とのギャップをLookoutが埋めたいとした。

 また、Androidはもちろん、iOSでも個人情報などを詐取するマルウェア「XcodeGhost」がApp Storeで拡散されたことが記憶に新しいが、これまでマルウェア被害が少なかったiOSがサイバー攻撃に対して安全なプラットフォームではないことが確認されたと説明。AndroidとiOS両方に対応しているLookout Mobile Threat Protectionの有効性を訴え、2016年にはWindows10にも対応するとした。

 このほか、Lookout Mobile Threat Protectionの特徴として、企業のセキュリティ体制に違反するアプリを検知する機能や、公式アプリストアを経由せずにインストールされたアプリに、危険性が隠されていないかを分析する「サイドローディングアプリ検出機能」「ジェイルブレイク端末の検知機能」を挙げた。

 また、モバイルデバイス管理システム(MDM)と併用することで、端末のプロビジョニングに利用するだけでなくLookoutが危険と見なした端末の修復、検疫に活用できるとした。Lookoutは現在、VMwareやMobileIronをはじめとするMDMに対応しているが、これと連携することで、インシデント発生時にすぐに対応できる「フルスタックセキュリティ」の製品であるとアピールしていた。


Lookout Mobile Threat Protectionの画面

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