デジタル人事の時代

人材獲得競争時代の生き残り策--ミレニアル世代とどうつきあうか - (page 2)

田中公康 平野圭祐

2016-11-16 07:00

 このような、ミレニアル世代の特徴として、会社に対する忠誠心は低い一方で、従業員を中心とした価値観の提供を企業に求めていることが特徴といえそうだ(図2)。

図2

 したがって、ミレニアル世代を活用する上では、発想の転換が必要になる。下記は一例だが、大胆な転換が求められることがよくわかる。

ポイント(1)「顧客」のように従業員を捉える

 従業員から選ばれる会社をめざし、満足度を向上するために、従業員視点で会社の在り方や従業員へのコミュニケーションの仕方を見直す。

ポイント(2)従業員の自発性を喚起させる

 好きな仕事をさせ、挑戦できる環境を構築する。

ポイント(3)やりがいを感じられる処遇制度を整備する

 「評価のための評価」でなく、より高い成果を追求する中で、個人の成長を実感でき、納得のいく処遇を得られる制度を構築する。繰り返しになるが、ミレニアル世代を活躍させるためには、いかに従業員と企業が「ともに成長する」関係をつくるかが重要だ。従業員の忠誠心に期待することができない以上、企業で気持ちよく活躍してもらうための環境づくりが鍵になるといえる。

ミレニアル世代に対応した新しい人材マネジメントのあり方--パフォーマンスマネジメントの潮流

 このようなミレニアル世代を活用していくために重要となるのが、彼らが成長実感を得られるような環境・仕組みを作りである。

 これまでのパフォーマンスマネジメント(いわゆる人事評価のこと)というと、昇給・昇格を判断するためにレーティングによって評点・序列付けすることが主目的であり、従業員の成長のための制度とは言い難かった。しかし、近年、特に欧米系のグローバル先進企業を中心にパフォーマンスマネジメントの様相に変化が生じている。

 その代表格がGEの方針の転換であろう。GEは、「従来の仕組みでは、部下と前年の振り返りをし、レーティングを決定するまでの1~3月の間は上司と部下の対話量は増えるが、その他の期間は減る。これを平準化し、年中、オンタイムでコミュニケーションを取る方が明らかに社員を成長させる」として、近年、上司・部下の頻繁なコミュニケーションを元に昇格・昇給を決定するPerformance Developmentの仕組みを導入した。

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