ワークスタイルは変革できるのか

「成果重視」にシフト--ワークスタイル変革への人事制度

下田英樹 2015年10月02日 07時00分

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 前回は、連載全体の入口として、「今、なぜワークスタイル変革が必要なのか」をテーマに、ワークスタイル変革やモビリティで何ができるのか、そして企業における期待について解説した。

 実際にワークスタイル変革への取り組みを始めると、ICTツールの導入のみでは収まらず、働く時間や場所を柔軟に選ぶことができる人事制度について考え直す必要が出てくる。これは、弊社のケースだけではなく、多くの顧客でも同様だ。

 また、日本の労働人口が減少していく中で、女性や高齢者の労働力を引き出すようなワークスタイルや、社員個々のライフステージにも考慮したワークスタイルを定着させる必要も出始めている。ワークスタイル変革は、育児や介護と仕事を両立させるという側面だけでなく、個々のさまざまな価値観やライフステージに対して、柔軟かつ最大限に成果を創出できるという重要な役割も担っていく。

 そこで今回は、ワークスタイルを変革する上で必要となる人事制度について、筆者の所属するネットワンシステムズを例にしながら、その内容や実際の導入効果まで具体的に解説する。またテクニカルな部分についての全体像も合わせて紹介し、3回目以降のアジェンダを示す。

 今回のキーワードは、社員の働き方や意識を「成果重視」にシフトし、労働時間や場所にとらわれず、一人ひとりが“自立して”業務の生産性を高めていくような働き方を推進することである。

人事制度変革の概要

 ワークスタイル変革において、いつでもどこでも、柔軟なワークスタイルを実現するためには、それに対応できる人事制度を定める必要があった。ここでは弊社が導入した制度を紹介する。

 われわれがワークスタイルの変革を加速するために導入した制度の中核は、「テレワーク制度」と「フレックスタイム制度」である(いずれも2011年度に導入)。


テレワーク制度とフレックス制度の概要

 テレワークとは、自宅で仕事をする“在宅勤務”だけではなく、自宅やオフィス以外の場所(顧客先や移動先)で仕事をする“リモートワーク”の双方を組み合わせた働き方だ。いわゆる「どこでもオフィス」である。

 われわれのテレワーク制度の特徴は、制度の利用対象者や利用回数に制限を加えていない点だ。社員一人ひとりの自律的な工夫や有効活用を促し、制度や会社としての可能性を広げていくためである。そのため、利用条件は「自己管理が徹底でき、コミットした成果を創出できる人」と定義した。これを判断するのは職場のマネージャーである。

 もう1つの条件「生活事情、交通事情によって出勤が難しい人」は、東日本大震災の時の交通マヒを経験して付け加えた。現在でも、台風や事故などで、ちょっとした交通マヒは起こっている。このような環境でもテレワークをうまく活用して業務効率を保っていると自負している。

 そして、フレックスタイム制度は「1カ月の総労働時間の枠の中で、自律的に計画を立てて時間効率を向上させる」という趣旨で、時間外手当の対象となる非管理職層に導入した。

 ただし、24時間365日体制で顧客のICT基盤の保守業務を預かるコールセンターや、育児、介護などの理由により短く時間を決めて働く短時間勤務社員に対しては、適用除外としている。出社を義務づけるコアタイムは10~15時、始業や終業時刻を選べるフレキシブルタイムとしては7時~22時としている。

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