独SAPは米フロリダ州オーランドで5月14日から3日間にわたり年次イベント「SAPPHIRE Now 2013」を開催している。最新のモバイル管理製品ポートフォリオ「SAP Mobile Secure」を発表した。
これまでオンプレミスで提供してきたモバイルデバイス管理(MDM)の「SAP Afaria」のSaaS版も発表。Amazon Web Services(AWS)を利用し、1端末当たり月額1ユーロで提供する。
SAPのSanjay Poonen氏
SAPは2010年のSybase買収により、モバイル管理などエンタープライズモビリティ分野を強化している。現在、モバイルではセキュリティ、分析、アプリプラットフォーム、アプリケーション、メッセージングの5つの柱を持ち、モバイル部門技術ソリューション担当プレジデントのSanjay Poonen氏は「業界で最も包括的なポートフォリオだ」と強調する。
6000人以上の顧客が利用しており、ライセンス収益だけで2億2200万ユーロの事業に発展していると報告した。「SAPはエンタープライズモビリティのAppleを目指す」とPoonen氏は意気込む。
今回はセキュリティ分野の強化となり、MDMを含む最新のポートフォリオMobile Secureを設けた。その背景にはモバイルセキュリティソリューションの拡大がある。MDMはデバイスを対象とした管理を提供するが、Mobile Secureではモバイルアプリ、モバイルコンテンツと管理対象を広げ、“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”を見据えてポートフォリオを構築する。
SAPの「SAP Mobile Secure」はMDM、モバイルアプリ管理、モバイルドキュメント管理、Internet of Thingsを含む
今回アプリ管理として、モバイルセキュリティベンチャーの米Mocanaと提携し、Mocanaのモバイルアプリ管理「Mobile App Protection」を「SAP Mobile App Protection」として再版する。Mocanaはラッピング技術を特徴とし、サードパーティのアプリを含む既存のアプリに変更を加えることなく保護できるという。コンテンツ管理では、SAPは2月に“エンタープライズ版のDropbox”としてモバイルコンテンツ管理の「SAP Mobile Documents」を発表している。
これに加え、SAPはAfariaのCloud Editionとして、AWSのクラウド上でAfariaを提供することも発表した。料金は1端末あたり月額1ユーロ。30日間無料のトライアル版もある。Poonen氏は「MDMを手軽に利用したいというニーズが多かった」と述べる。
SAP BusinessObjectsのダッシュボードを統合した
さらにはSAP BusinessObjectsポートフォリオの分析ダッシュボードもバンドルし、登録端末の推移、OSの比率、キャリアの比率などを分析できる。容易なポリシーの設定やレポート機能も備える。最新のAfariaはiOS、Androidに加えて「Windows Phone 8」にも対応した。
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