デジタル人事の時代

五輪後の人口減少社会でどう働くか--デジタル化とワークスタイル変革

田中公康 2016年06月21日 07時00分

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東京五輪による経済の状況と展望

 東京五輪の経済効果は、付随的な要素も加味すると約30兆円に及ぶと予測されている。その一方で労働需給がひっ迫している建設業やサービス業を中心に人手がさらに深刻化することが見込まれ、経済成長にとって大きな課題となっている。

 五輪による経済効果も、開催を待たずに減速傾向になるとの見通しも出てきた。労働人口も2030年までに約11%も減少(2016年対比)すると予測されている。出産育児や介護による退職を加味すると労働人口はさらに減少していくと思われる。

 経済成長の急速な鈍化とその経済を担う労働人口の減少のダブルパンチを受けながら、現在の売り上げや利益水準を維持するためだけでも、現在よりも労働生産性を10%以上向上させることが求められる時代がすぐそこまで来ている。

 この連載では、こうした、ポスト五輪後の労働人口が減少し続ける社会に対し、デジタルによる従来のITとは違ったSMAC技術が旧態依然とした組織・チームの運営や人事領域にどのような変革を起こしうるのか、その可能性を検証する。さらに読者がこうしたSMAC技術を自社導入する際のアイデア、議論の着想を得るための問題を提起する。

長時間労働による日本型成長モデルの限界

 まずは現状、日本で企業が抱えている問題や、労働環境の現状をまとめる。企業は1人当たりの生産性を向上させる必要に迫られているが、1人当たりの労働時間は世界でも有数に長く、労働時間を更に投入して1人当たりの生産高を上げるのは限界があると言わざるを得ない(図1)。

図1:日本の有償労働時間と労働生産性
図1:日本の有償労働時間と労働生産性

 過剰な長時間労働・残業は、生産性を下げるのみならず現状業務の付加価値向上や新しい価値創出に向けた活動に振り向ける精神的・体力的な余裕を奪う。また、育児や介護者などの働き方に制約のある人材が活躍できる機会を狭め、企業の維持・発展に必要な要員確保にすら支障をきたすおそれすらある。

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