デジタル人事の時代

五輪後の人口減少社会でどう働くか--デジタル化とワークスタイル変革 - (page 3)

田中公康

2016-06-21 07:00

 人工知能(AI)やロボティクスなどのテクノロジの進化により人間の活動領域が問われるなか、効率性を高めるだけではなく、創造性や新規性といった仕事における成果の質を高める側面がますます重視されてきている。先進的な取り組み企業も、単なる残業時間の削減から業務を高度化する動きに、取り組み目的を変化させてきている。今後は、変革への取り組み格差はますます広がり、企業の競争力にも大きな影響を及ぼしてくる。

テクノロジの進化と働き方の変化

 テクノロジの進化により、ロボティクスやAIによる業務効率化、自動化が急速に進み、人の働く領域にも浸食しはじめている。Deloitteがグローバルで実施したHCトレンドサーベイ2016によると、43%の経営者がロボティクスと認知テクノロジの展開を拡大する見込みと回答し、積極的に取り組む姿勢を見せている。

 テクノロジによる業務効率化・自動化の流れとその活用はグローバル規模で加速しており、もはや無視できないものとなってきている。オックスフォード大学の発表でも、将来的には米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いと言われている。

 先行している米国ではさまざまな分野で業務効率化・自動化が図られており、対象分野は拡大傾向にある。今後は定型化されているものだけではなく、ある程度、判断を要する業務についても自動化が進んでいくと思われる。

  • 事例(1)がんセンターにおける医療診断をコンピュータが担い、患者個々人の特性にあった最良の治療計画を作ることに成功
  • 事例(2)弁護士アシスタントの業務や裁判前のリサーチ業務などにおいてコンピュータを活用し、数千件の弁論趣意書や判例を精査(2日間で57万件以上の文書を分析して分類することも)

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