RPAだけでは自動化は進まない--現場の意思決定の自動化こそが業務改善成功の鍵

RPAの次の取り組み「意思決定の自動化」

 企業において、業務の効率化による労働時間の短縮や労働生産性の向上は、常に取り組むべき経営テーマの1つといえる。これにより、今日多くの企業が推進している「働き方改革」の実現も期待できる。働き方改革をはじめとする業務改善において、ITの活用は不可欠な要素となるが、重要なテクノロジーの1つとして「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」に注目が集まっている。

 RPAは、定型業務のオペレーションや大量のPCのソフトウェア更新作業、アラートメール対応、基幹システムへのデータ入力など、これまで人が行っていた定型業務を、ロボットにより自動化するための仕組みである。たとえば、Excelのデータを手作業で入力し、加工して、レポートを作成するといった一連の作業を自動化できる。これにより、PC上の定型ハンド事務から解放され、労働時間を短縮しながら、より付加価値が高い業務に専念することができる。

 しかし、「RPAツールを導入したが、期待したほどの効果が得られなかった」という話を耳にすることも事実だ。その理由は、RPAツールでカバーできる自動化が、PCの操作や定型的な業務など、「判断」を伴わない定型業務であり、こうしたタスクは業務プロセス全体のほんのわずかでしかないためだ。業務プロセスの大部分を占める人による「判断」まで自動化しなければ、業務の大幅な効率化は期待できない。

 ホワイトカラーの仕事は単純ではなく、手を動かして作業をしながら、判断、計算、選択など様々なことを頭で考えていたりする。そのため、RPAツールでPC上のハンド事務だけを自動化しても特定業種以外大きな効果は期待できないのである。どんなにテクノロジーが進化しても、業務プロセスのポイント、ポイントで人による意思決定が必要になる。そこで、RPAの次の取り組みとして、「意思決定の自動化」を実現することが重要になる。

ひと言に「意思決定」といってもさまざま

 そもそも、"意思決定"とは何なのだろうか? 辞書で引くと「ある目標を達成するために、複数の選択可能な代替的手段の中から最適なものを選ぶこと(三省堂 大辞林)」とある。日々の業務には、定型業務もあれば、非定型業務もあり、さらに例外的な業務が発生することもある。

 ただ、ひと言に意思決定といっても、社長や役員クラスのトップマネジメントが行う会社の方向性を決定する重要な意思決定から、部課長クラスのミドル層が業務プロセスの中で、最大の効果を発揮するために行う意思決定、そして一般社員であるボトム層が日々の業務を遂行するための意思決定まで、職位によりさまざまである。それでは、すべての意思決定を自動化できるのだろうか。

 トップマネジメントの意思決定を考えてみると、会社にとって、特に重要な経営判断が多く、これは非定型かつその回数も少ないため、自動化対象には無い。一方、ボトム層の意思決定は、業務プロセスにおいて、1つの処理が終わり、次の処理に移行するときに必要となる定型判断が多い。

 たとえば、金融機関や保険会社における引き受け審査や自治体含むその他カウンター業務における書類のチェックなどがこれにあたる。こうした判断は、これまで人的なチェックが必要な作業であるが、この判断を自動化できれば、業務プロセス全体が自動化され、更なる効率化が図れる。これを実現するコンセプトが、「ディシジョンオートメーション」だ。

現場の重要な意思決定を自動化

 ディシジョンオートメーションとは、言葉のとおり"意思決定の自動化"を実現するための概念だ。ディシジョンオートメーションを実現することで、業務プロセスの中で発生する、資格判定や承認、妥当性判定、算出・見積、リスク管理、不正検知など、人の判断が必要な高度な意思決定を含む業務プロセスの自動化を実現できる。これにより、意思決定における属人性をなくし、判断ミスを防ぐとともに、効率的かつ最適な意思決定が可能になる。

 ディシジョンオートメーションを実現するメリットは、業務の棚卸しが必要になるものの、棚卸により必要な業務、不要な業務が明確になり、業務プロセスの簡素化、見える化が実現できることだ。また、業務プロセスの自動化により、属人化した手作業が軽減され、より付加価値の高い業務に集中することができる。さらに、業務の生産性を向上できるため、長時間労働の是正にもつながる。

 実際に意思決定を自動化するためには、人の判断をテクノロジーで置き換える必要がある。そこで思いつくのが、「人工知能(AI:Artificial Intelligence)」だ。中でも、ディシジョンオートメーションで有効になるのが「推論型AI」だ。推論型AIは、ルールベースでモデル化された人の知識や意思決定を宣言型知識として定義し、ルールが適用可能になれば実行してくれるもので、さらにモデル定義時には、論理矛盾や抜け漏れがないかを推論・自動検出し、意思決定モデルを完成させる。

 業務プロセスにおいて、定型的な作業やPCの操作によるデータ入力などはRPAツールに任せ、これまで人の判断が必要だった重要な意思決定を推論型AIに任せる。これにより、業務プロセスにディシジョンオートメーションを組み込むことができ、業務プロセス全体を自動化することが可能。業務改善をさらに加速させることができる。

すぐれた“決断”のためのディシジョンオートメーション・プラットフォーム「AEDAN」

 ディシジョンオートメーションを具現化するためには、推論型AIを中核として、RPAツールやデータ連携ツールなど、必要に応じて各種ツールを柔軟に組み合わせることができる"プラットフォーム"が必要になる。

 そうしたプラットフォームの代表が、アシストが提供する「AEDAN(えいだん)」だ。AEDANは、「Ashisuto Enterprise Decision AutomatioN」の略語に由来するが、すぐれた決断をする「英断」という意味も含まれている。AEDANのコンセプトは、すでに先進的なさまざまな業種で採用され、業務プロセスの自動化に貢献している実績がある。

 たとえば、ある生命保険会社では、申込処理システムのパフォーマンスが悪化したことによる作業スピードの低下や、人的チェックによって正確性や作業効率が低下し、運用コストが増大するという課題を抱えていた。そこで、引受査定の一部を自動化することによって、作業の効率化を大幅に実現した。

 この事例は、業務プロセスの60~70%といわれている"人による定型判断"を自動化し、業務の効率化を実現した好例だ。人による判断の自動化を実現する"ディシジョンオートメーション"こそが、業務改善、業務の自動化の"鍵"を握っているといってよいだろう。

提供:株式会社アシスト
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