短時間でFeedパーサーを実装するハンズオン
最後に、当日行われたハンズオンの内容についても、簡単に紹介しておこう。このハンズオンでは、サーバレスで簡単なFeedパーサーを開発するものだ。作成手順は、大きく3つに分かれている。
1番目の手順では、Azure Functionsのデプロイ方法を確認するため、Hello Worldを表示させる。これはとても簡単で、AzureポータルでAzure Functionsのテンプレートを選択するだけで、ほぼ完了してしまう。
2番目の手順では、指定したHTTPトリガーで、フィード情報をAzureのQueueストレージに書き込む。Queueストレージは、FIFOとして動作し、マイクロサービスの非同期なメッセージバッファーなどに使用できる。
3番目の手順では、Queueトリガーで、取得したフィードURLを元にクローリングを行い、その内容をCosmosDBに格納する。これで、フィード情報に基づいて、Webページの更新内容を自動取得することができる。今回は、フィード情報をパースするために、Pythonベースのfeedパーサーをpipでインストールした。この時、Azureポータルで利用できる高度なコマンドラインインターフェース「Kudu UI」を利用した。

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今回作成したサンプルアプリケーションは、非常に単純なものだ。ハンズオンの手順も、用意されたコードをGithubから貼り付けるだけで、数10分で完了した。しかし、Azureが提供するAzure Functionsなどのコンポーネントの強力さと多様さは感じることができた。個人的なプロジェクトとしてアプリケーションを作ったら、いったいどんなものができるのか、十分に想像力を刺激された。

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ハンズオンの資料やサンプルコードなどは、Connpassの該当ページから入手できる。Azureも、充実した無料アカウントを提供しており、1か月間有効な20,500円分のクレジットがあるほか、その後12か月の間無料で利用できるサービスがそろっている。
このような変化の速い技術についてトライしてみるのは「まだまだリスクが高い」「もっと安定してから試そう」と考える人も少なくないだろう。確かに、Pythonを利用して、Azure上でサーバレスなアプリケーションを実開発には制約も多い。
しかし、今回のようなワークショップに参加することで、そのエッセンスを短時間で把握することができる。モダンな開発環境について経験値を増やすこともできるだろう。現在のマイクロソフトが持つスピード感であれば、アッと言う間に環境が整備されてもおかしくない。その実力を体感できるという意味でも、Azure Antennaで開催されるワークショップは興味深いものばかりだ。
また、Azure Antennaというユニークなコミュニティスペースの存在も捨てがたい。周りのアートギャラリーやイベントスペースの内容も、クリエイティブな刺激を与えてくれるはずだ。
Azure Antennaをあなた自身のプロジェクトのために、活用してみては如何だろうか。