オンラインストレージやファイル共有サービスを、多くの企業が活用するようになってきた。社内外を問わず様々な場面で手軽にファイルを共有でき、生産性を向上させてくれる。しかし大手クラウドサービスプロバイダから専業のものまで、多種多様なサービスが世に出回っているため選定に悩むユーザーも多いことだろう。そんな中で注目されるのが、多様な場所のファイルを統合管理できる、シトリックスのオンラインストレージサービス「Citrix ShareFile」だ。
管理者にもユーザーにも課題が残るこれまでのオンラインストレージ
企業がオンラインストレージを利用する上では、注意しなければならない点がいくつかある。例えば、あまりに導入が容易なことからIT部門を介さず部署レベルで導入されるケースも多く、ガバナンスが行き届かずセキュリティやコンプライアンス上の懸念材料となる「シャドーIT」の温床となりがちなことだ。また、この種のサービスはデータの物理的な所在の管理がサービス事業者に委ねられているものが大半で、金融系の一部など「自国内」でデータを管理することが求められる業務には適用できないといった課題もある。
エンドユーザー側にとっても、これまでのオンラインストレージには若干の課題が残っていた。ファイルをクラウド上に保存しておいても、そのまま編集できるサービスはほとんどなかった。そのため、ちょっとした修正であっても、ダウンロードして編集してアップし直す作業になってしまう。そこで多くのオンラインストレージサービスではローカルフォルダと同期させる機能を備えているが、いちいちダウンロード/アップロードする手間が省ける反面、使い方にもよるがローカルストレージを圧迫するなどの弊害も生じていた。
管理者、ユーザー双方のメリットを追求した新サービス
オンラインストレージはコストや容量で比較・選定されがちだが、上記のような課題を踏まえて考えると、ユーザー組織にとって役立つ機能に着目して選択することが望まれる。
そのような観点で注目されるサービスが、シトリックスの「Citrix ShareFile」だ。比較的新しいサービスながら、企業の現場やIT部門のニーズを細やかに汲み上げた機能性が特徴となっている。
「本サービスは、欧米を中心に7万7000社の2000万ユーザーが利用する実績豊富なクラウドサービスです。調査会社ガートナーの評価でも、本サービスは2017年コンテンツ コラボレーション プラットフォームの分野でリーダーに位置づけられています(※)」と語るのは、シトリックス・システムズ・ジャパン 営業推進部 営業推進マネージャの白川晃氏だ。

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
営業推進部 営業推進マネージャ
白川 晃 氏
「この市場カテゴリは、かつて『Enterprise File Storage & Share』(EFSS)と呼ばれていましたが、2017年からは『Content Collaboration Platform』(CCP)と改められました。近年では単なるファイルの保存・共有にとどまらず、クラウド上などに置いたまま扱えるようになるなど、機能性の向上が進んでいるためです。ShareFileは、その新たなCCPカテゴリでもEFSS時代から引き続きリーダーのポジションと評価されています」
ではShareFileは、どのような点で優れているのだろうか。白川氏は、「IT管理者にもエンドユーザーにも、どちらにもメリットがあります」と説明する。中でも注目すべき特徴は、本サービスが「コントロールプレーン」「データプレーン」の2層構造になっている点だ。そして企業向けプラン「Enterprise Edition」では、このデータプレーンにシトリックスが管理するクラウドストレージ基盤だけでなく、オンプレミスのファイルサーバやNAS、さらには他のオンラインストレージまで組み込むことができる。そうしてファイルの置き場所の全てを連結し、単一のコントロールプレーンで集中管理できる。

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「社内のファイルサーバをShareFileに組み込めば、何ら手を加えることなくオンラインで共有できるようになるだけでなく、アクセス権限も元のファイルサーバが管理する情報をそのままShareFileと連携できます。オンラインストレージへの移行を図る場合も、両者を並行稼働させつつ少しずつデータを棚卸しして移行することが可能です。我々はこれを『ファイルサーバのモダナイズ(近代化)』と呼んでいます」(白川氏)
さらにエンドユーザーも、(ShareFile上のアカウント権限設定で認められていれば)個人や社内チーム等で契約しているオンラインストレージを統合させることができる。これにより、エンドユーザーに利便性をもたらしつつ、シャドーITを自然な形でShareFileの管理下に置き、ガバナンスやセキュリティを強化することができるというわけだ。
「ShareFileではフォルダやファイルに対する操作履歴などの情報も詳細に取得しており、レポート機能もあるため監査にも容易に対応できます。またShareFile上のファイルには自動世代バックアップ機能が利用でき、文書のバージョン管理ができるほか、ランサムウェアによる被害からのバックアップとしても使えます。他にもセキュリティやガバナンスに役立つ機能がたくさんあります」(白川氏)