特別鼎談 デル×SAP×リアルテック 「SAP HANA」の真価を引き出すノウハウとソリューション

乗り越えるべきハードル

香西:逆にSAP HANAを導入するうえでのハードルとは何なのでしょうか。花木さん、いかがですか。

花木:まず言えるのは、SAP HANAは、メモリ上でのデータベースの運用を迫るので、集計テーブルやレポート形式のテーブルを廃止するなどのデータのリストラクチャリングが必要になりますし、それに合わせてデータ処理の仕方も変えていかなければなりません。単純なデータベース・マイグレーションを考えていたお客様によっては、それが大きなハードルになることがあります。それを乗り越えるには、SAP HANAでどのような変革を目指すかを明確に描くことが大切です。

福原:それは私も同感です。ただし、日々の業務に追われる中でいきなり新たな手法に取り組むことができないお客様もいらっしゃいます。そうした方は、スモールスタートでSAP HANAの導入を進め、新たな考え方や変革の構想を描くというアプローチを指向される傾向があります。


花木:確かにSAP HANA単体で導入を進めるお客様は、スモールスタートを指向される方が少なくありません。これは解決を迫られているところにまずはSAP HANAを適用し、段階的にその適用範囲を広げていこうというスタンスです。

香西:スモールスタートを指向されるお客様に向けて、SAP HANA導入の敷居をさらに下げる施策を講じられているとお聞きしましたが。

花木:その施策の一つは、SAP HANAに「Edge Edition」という廉価版のエディションを追加したことです。これはスモールスタートに最適なエディションで、メモリ容量の上限が128GBに抑えられていますが、ディスクベースの拡張ストレージ機能を含むSAP HANAの代表的な機能が実装されています。そのため、中小規模のデータ・ウェアハウス環境には十分対応できますし、上位エディションへの移行も低コストで行えます。

福原:SAPのデータライフサイクル管理の考え方も、データ・ウェアハウスのコストを適正化するうえでは有効だと思いますが。


花木:それは重要なポイントです。現状ではメモリ上であらゆるデータを運用するというのは非効率です。そのためSAPでは、頻繁に利用される「ホットデータ」はSAP HANAのインメモリーストアに扱わせ、利用頻度がそれほど高くない「ウォームデータ」はDynamic Tiering、長期間にわたり保存する必要がある「コールドデータ」はHadoop等で扱うといったデータライフサイクル管理という考え方を採用しています。「Dynamic Tiering」とはSAP HANAに組み込まれているディスクベースのデータストアです。また、Hadoopの活用とSAP HANA/Hadoop間連携を向上させるソリューション「SAP HANA Vora」の提供を最近開始しました。つまり、SAP HANA、Dynamic Tiering、Hadoopという3タイプのデータストアでデータライフサイクル管理の階層構造をかたちづくり、ビッグデータ管理のコストを適正化し、かつ、データ量の増大に応じた適切な運用を実現しているわけです。

ピュアオープンであることの価値

福原:SAP HANAのコストパフォーマンスを高めるという点では、デルのソリューションに対するお客様の期待も大きいと考えます。また、デルの製品は「オープン」の設計思想に基づきくせがなく、IAサーバの標準機としての良さがあります。これは、SAP HANAのシステムを安定的に動作させ続けるうえで非常に重要です。

花木:オープン設計は、私も高く評価するデル製品の特徴です。SAP HANAはインテルのマルチコアプロセッサへの対応を前提にしたインメモリデータベースです。ですから、インテルの新プロセッサの標準実装をいかにスピーディに、安価に提供してくれるかは当社にとって非常に重要なポイントです。

 もう一つ、デルがSSDに関して世界トップクラスの技術力と実績を持つことも、先ほど述べたデータライフサイクル管理を実現するうえでも、また、SAP HANAの可用性を担保するという点でも大きな意味を持ちます。インメモリデータベースとはいえ、メモリがダウンした際にデータが完全に消失してしまわないよう、SSDへのデータの退避が行われます。ですから、SSDには最高レベルの信頼性、高速性及びコストパフォーマンスが求められるのです。


香西:ご評価いただいたいとおり、オープン設計と先進SSDへのこだわりはデルのサーバ製品の大きな強みで、だからこそ、SAP HANAのベンチマークテストでもIAサーバの中で最高レベルの性能が発揮できていると言えます。SSDを含むディスクの出荷量でデルは世界トップクラスであり、SSDの市場ニーズをいち早く把握し、ストレージの階層化技術を駆使し、お客様がお求めやすい高性能な製品の提供を行っております。

 今後、SAP HANAの廉価版の「Edge Edition」向けに、SAP HANAアプライアンスだけではなく、よりスモールスタートに適した超高速のサーバをSAP HANAのTDI(テーラードデータセンター統合)構成に沿ったかたちで様々な2ソケットサーバをベースに提供していく計画です。


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 さらにデルでは、自社の「Dell Solution Center(DSC)」内にSAPコンピテンスセンターと「Bigdata/IoT」ラボを併設し、インテル® Xeon® プロセッサーを搭載したPowerEdge R930をベースとしたデルのSAP HANAアプライアンス含め、デルの実機を用いたお客様のシステム検証や、デルのBigdata/IoTフレームワークとの接続性確認などにご活用いただいています。今後は、リアルテックとも密接に連携を取りながら、ワークショップなども積極的に展開していきたいと考えています。


福原:リアルテックの本社はドイツにあることから、SAPとの関係は深く、SAP HANAのインテグレーションに関しても相当の実績とノウハウを積み上げています。また我々日本法人でもSAP HANAに関する知識・ノウハウを豊富に蓄積しています。SAP HANAを用いたお客様のシステムのPoCや動作検証などに、我々のノウハウとスキルが生かせると確信しています。

香西:今後とも是非、お願いします。本日はお二人からさまざまなお話をお聞かせいただきとても参考になりました。近くSAP HANAに関するセミナーの開催も予定しておりますので、その折にはまた宜しくお願いいたします。

福原花木:こちらこそ、よろしくお願いします。ありがとうございました。

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