VDIに最適な手間いらずのプラットフォーム
デルでは、Dell XCシリーズの仕組みを「Web-Scaleアーキテクチャ」と呼んでいる。これは、こうしたサーバーとストレージが一体化したモジュール型のシステムが、GoogleやAmazon、Facebookといったインターネット企業で開発され、使われてきたためだ。
こうした背景からも推測できるように、Dell XCシリーズの適用分野としては、プライベートやパブリックのクラウド基盤としての利用が真っ先に挙げられるだろう。仮想マシンをデプロイする際に、サーバーやネットワーク、ストレージを個別に設定する必要がなく、ハードウェアを拡張する際も、ノードを追加するだけで自動構成される。
一方、基幹システムのデータベースのように、性能重視で容量はそれほど必要ないというケースでは従来の共有ストレージのほうが適している。逆に、ファイル・サーバーのように、容量の拡張性は必要だが計算能力は拡張する必要がないというケースでは、NAS専用機のほうが向いているだろう。
では、Dell XCシリーズが何に向いているかというと、先のクラウド基盤のように、計算能力とストレージをリニアに拡張したいケースである。一般企業においては、VDI(デスクトップ仮想化)のプラットフォームなどが該当するだろう。Intel Xeon E52620v2(6コア)を2個搭載する「Dell XC720XD-A5」の場合、1ノードで約50台分のVDIインスタンスをまかなえるので、必要なインスタンス数に見合うノードを用意すればよい。インスタンスが増加する場合もノードを追加するだけでよいので、サイジングが非常に楽だ。このほか、開発/テスト環境やビッグデータ分析などもDell XCシリーズの得意分野になるだろう。
なお、Dell XCシリーズでは、スペックの異なるモデルを混在させてもまったく問題ない。2015年の第1四半期には「Dell PowerEdge R730」をベースモデルとする新製品が投入される予定だが、現行の「Dell PowerEdge R720」ベースの製品と一緒に利用することができる。過去のIT投資の保護という面でも、Dell XCシリーズは優れている。
以上、本稿ではDell XCシリーズの仕組みと特徴を紹介した。分散型ストレージは企業には馴染みの薄い新しいカテゴリの製品だが、仮想化環境に最適化されたDell XCシリーズは、分散型ストレージを市場に定着させる原動力となるだろう。
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