AI時代を生き残るために日本企業が進めるべき本当の「改革」とは

近年、「AI」や「ロボット(RPA)」が、企業の間でにわかに脚光を浴びている。これらテクノロジーの導入が、業務の効率化や労働者の働き方の改革につながると期待する企業は多い。しかし、AIとロボット(RPA)の役割の違いを見極め、「データの利活用によるビジネスモデルの変革」までを視野に入れている企業はどれだけあるだろうか。企業の新規事業開発やAI導入に関するコンサルティングを提供するEYアドバイザリー・アンド・コンサルティングのアソシエートパートナーである園田展人氏は「こうしたテクノロジーの活用は、企業の生存をかけた経営戦略の一環として取り組むべき」と話す。同氏にその理由について聞いた。

園田展人氏
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
アソシエートパートナー
ジャパン・デジタルストラテジー・アンド・イノベーション
リーダー

キヤノン株式会社、株式会社日本総合研究所を経て、現職。 大手企業に対して、「デジタル戦略」「新規事業テーマ創造・開発」「技術戦略・イノベーション」「AI/IoT導入」「CVC設立・運営」などの支援を手掛ける。また、政府機関に対して、科学技術政策・産業政策の提言を手掛ける。 主要著書に、「人工知能の未来2018-2022」「IoTの未来2018-2027」「ロボットの未来2017-2026」「自動運転の未来2016-2020」「人工知能ビジネス2018」「自動運転ビジネス2018」「VR・AR・MRビジネス最前線」「文系でもわかる人工知能ビジネス」「世界トップ企業のAI戦略」(全て日経BP)がある。

現在、園田さんがEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング(以下、EYACC)で手がけておられる業務について教えてください。

 私はデジタルストラテジーとイノベーションの二つの領域で、企業の支援業務に携わっています。

 デジタルストラテジー領域では、大企業のCDOに対して、どこに投資すべきか、どこと協業すべきかなどをアドバイスしています。さらに課題解決の実行部隊としてEYACC内のAIエンジニアを組織し、クライアント企業様にAI/IoTの導入支援も行っています。特にディープラーニングについては、この技術がまだよく知られていない頃から、導入支援の実績があります。われわれがディープラーニングの導入支援をはじめた当時、その導入を指向していたのはごく限られた企業だけで、他の多くの企業に対してはこれがどんな技術なのか啓蒙するところからはじめないといけない状況でした。そこで我々は出版社と協力して、人工知能に関する書籍の執筆をはじめたわけです。私自身、学生時代に人工知能の研究をしていました。ディープラーニングが最初にブレイクスルーを起こしたのは画像処理の精度ですが、画像処理には、人間の目の機能に匹敵するロボットの目の開発を目指す"コンピュータビジョン"とよばれる領域が含まれます。それが私の研究領域でした。そういう背景があるので、私は、この領域の研究の最先端と研究者にもともと土地勘がありました。ディープラーニングを使ったビジネスケースの検討から、AI/IoTシステムの実装までを手掛けることができるのはそのおかげです。

 私のもう1つの業務が、イノベーション領域での支援です。新卒でメーカーの研究開発部門で働いていた経験を活かし、メーカーの新規事業のテーマ創造や、新規事業開発支援のコンサルティングを数多く手がけています。最近増えているのが、コーポレートベンチャーキャピタルの設立支援や運営支援ですね。オープンイノベーションが加速する中、コーポレートベンチャーキャピタルを立ち上げるケースが目立っていますが、この動きはメーカーに限らず、金融業界、保険業界、通信業界、物流業界、メディア・エンターテイメント業界など様々な業界でも見られます。そのため、我々の対応の幅も広がっています。

 クライアント企業のイノベーションを支援するのはもちろんですが、EYACCのデジタルストラテジー・アンド・イノベーションの組織自体のイノベーションも指向しています。というのも、旧来、企業向けのコンサルティングビジネスでは、産業別(自動車、製薬、電子など)、ケイパビリティ別(戦略、オペレーション、ITなど)に組織体制を敷き、展開する形が一般的でしたが、エマージング・ビジネスと呼ばれる新規産業創出に寄与するようなインパクトの大きいビジネスには、従来の産業別やケイパビリティ別の分類が当てはまらなくなっているからです。例えば、自動運転サービスに付随して今後生まれるビジネスは、エンタメ、ヘルスケア、ショッピングなどさまざまな領域に広がると想定されます。旧来式の自動車セクターだけで、この状況変化に対応することはできません。そのため、われわれデジタルストラテジー・アンド・イノベーション部門は、産業別、ケイパビリティ別の枠組みから独立した組織として活動し、クライアントにサービスを提供しています。実はこれは日本に限った動きではなく、グローバル全体で、EYはこのような取り組みを推進しています。

今、多くの日本企業が抱えている課題は何だと感じておられますか。

提供:EY Japan
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年12月31日
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