グローバル化による企業間競争が激化する中、世界的に技術水準の高い日本企業の技術が狙われて重要機密文書の流失が相次いでいる。企業競争力の原資となる機密情報の不正流失が続けば国際的な産業競争力の低下を招き、経営を左右するほどの大きな懸念材料となりうる。そのため今、IRMという技術の有効性が注目されている。3年連続で国内IRM市場ベンダー別出荷金額シェア第1位を獲得しているのが、日立ソリューションズのドキュメントセキュリティソリューション「活文 NAVIstaff」だ。
今回は、その技術的優位性を明らかにするとともに、IRMを導入して電子文書のセキュリティ強化を実現した2つの事例を紹介する。
海外への技術の不正流出を防ぐことで日本経済の発展を維持する
企業の重要機密情報の流出が最近目立っている。しかしながら、機密情報の漏洩が公開される事は非常に稀だ。機密情報は個人情報保護法のように公表の義務は無いため、公表してしまうと漏洩した機密が本当に重要なことを示唆してしまう事もあり、多くが表面化するケースが少ない。国内外で、元社員による不正な情報の持ち出し事件や、データ共有サービスへ社外秘資料や内部限定文書のデータがアップロードされるなどの問題が起きている。
さらに、重要な機密情報を狙って組織的、持続的に攻撃を続ける標的型のサイバー攻撃も頻発しており、企業が長年にわたり膨大な費用をつぎ込んで開発した技術やノウハウが誰も気が付かないうちに世界中に流出を続けているかもしれない。価値のある情報を多く持つ割に、リスク管理やセキュリティ対策が脆弱と言われている日本企業は、知らず知らずのうちに世界の攻撃者から格好の標的になっているのである。
コンテンツソリューション本部
第2部 部長
小山 善直 氏
「活文 NAVIstaffは国内IRMシェア第1位を3年連続で獲得している」と語る小山氏
そんな状況に業を煮やしているのが、日立ソリューションズ コンテンツソリューション本部 第2部 部長の小山善直氏だ。「世界的に水準の高い日本の高度で独創的な技術の保護に貢献することが私の使命だと思っています。資源の少ない日本だからこそ、海外への技術の不正流出を防ぐことで日本経済の発展を維持しなければなりません。しかし、どんなに注意をしていても事故は必ず起きるもの。そのため、私は重要機密情報の保護には、情報流出後の制御が必須と考えています。それを実現するための製品分野として『IRM』がありますが、ほとんどの『IRM』製品は、海外の生産拠点や社外との情報共有には向いていません。世界中との情報共有にはどんな環境でも標準的に使えるファイル形式での共有が不可欠です。PDFファイルによる共有をお勧めしている理由は、そんな不可抗力を前提にしているからなのです」と熱く訴える。
個々のファイル自身を制御するIRM機能
近年、重要機密情報を確実に保護する技術としてIRM(Information Rights Management)の有効性が注目されている。IRMとは、ファイル単位でアクセス制御を行い、閲覧期限や、操作制限、操作ログを取得できる仕組みのことだ。
一般的なアクセス制御の場合、ファイルサーバーや文書管理ポータルなどの置き場所の"入口"をログインで制御していたため、一旦ファイルがその置き場所を抜け出てしまうとアクセス制御が無効になってしまう。まさにそれこそが情報漏洩トラブルの根本的な原因のひとつになっている。
図1 一般的なアクセス制御とIRMによるファイル単位のアクセス制御の違い
一方のIRMでは、ファイル自身が個々にアクセス制御機能を備えていることが大きな違いだ。ファイルがどこに置かれていようとも構わない。いつでも、どこにあっても、誰に対しても、たとえ既に盗まれて外部に流出してしまったとしても、ファイル単位の細かなアクセス制御が半永久的に機能する。
そのIRM機能を実装した国内シェアトップ(※)の製品が、日立ソリューションズが提供するドキュメントセキュリティソリューション「活文 NAVIstaff」(かつぶん・ナビスタッフ)だ。
※:2010年度から2013年度において、日立ソリューションズは国内IRM市場ベンダー別出荷金額シェア第1位(出展:ITR Market View コンテンツ管理市場2013)