群を抜く運用管理機能
HP ProLiant サーバーには、運用管理の徹底した効率化とサーバーの可用性向上を両立させるHPならではの機能・サービスも用意されている。具体的には、以下の3つの仕組みが提供されており、HP ProLiantユーザーはサーバーの運用管理に煩わされることなく、システムの可用性を高いレベルで確保することが可能だ。
(1)HP通報サービス
(2)HP Insight Online
(3)Active Health System
このうち、(1)の「HP通報サービス」は、障害発生に対するプロアクティブ/早期対応を支援する365日24時間の遠隔監視・通報のサービスだ。ユーザーが利用するHP ProLiantに障害が発生すると、セキュアなインターネットを通じて、HPサポートセンターに自動で通報され、HPによる迅速な対処法の提示や対応を行うという仕組みである。
また、HP通報サービスで収集された情報は、(2)の「HP Insight Online」で管理できる。これは、HPの顧客ごとに用意された専用のオンライン・ページ上で、サーバーの運用管理情報を一括管理するサービスだ。オンライン・ページ上では、障害・アラート情報に加えて、ハードウェアの構成情報や健康状態(ヘルスステータス)、資産情報(シリアル番号、保守・保証)などすべてが管理できる。
さらに、上記(3)の「Active Health System」の働きにより、HP ProLiant サーバーでは内部の1,600以上のパラメータが絶えず自動的にロギングされる。「これは、かつてハイエンド製品だけが有していた機能で、サーバーの"フライトレコーダー"とも言える仕組みです。このシステムによって、ハードウェアに関する障害前後の状況が時系列に、かつ精緻に把握でき、問題原因を正確に特定できるようになるのです」と、木村氏は説く。
現在、Windows Server 2003のサポート切れを機に、同OS上のシステムをクラウド・プラットフォームへ移行しようとする動きがないわけではない。
もちろん、この選択が正解な場合もあるだろう。だが、例えば、ファイルサーバーのようなシステムをクラウドへ移行させると、かえってコスト高になるというのが一般的な見方だ。また、ファイルサーバーをクラウドへ移行させると、ネットワークの帯域幅がボトルネックとなり、実務に耐えうるパフォーマンスが得られないおそれも強い。
それに対し、Windows Server 2003を「Windows Server 2012R2」に切り替えれば、(クライアントが「Windows 8」の場合)最新プロトコル「Server Message Block(SMB) 3.0」の利用が可能になる。「これにより、仮に同スペックのサーバー/回線を用いても、ファイル・コピーの性能が20倍強にまでアップするとの結果が当社検証でも出ています」と、木村氏は話す。
加えて、最新のサーバー・ハードウェアの導入で、システム性能がさらに高まるうえ、消費電力も「最低でも3分の1に圧縮される」(木村氏)。そして、HP ProLiant サーバーならば、運用管理の自動化・効率化が実現され、サーバーのTCO(所有総コスト)も大きく削減できる。そう考えれば、やはりHP ProLiantのようなサーバーを用い、オンプレミスのシステム刷新・改変を進めるのが、現実的な最適解と言えるのである。
「とりわけ、ファイルサーバーのようなシステムは、障害での停止やパフォーマンスの劣化で日々の業務に大きなンパクトが与えられます。その意味でも、システムの性能と可用性はしっかりと確保すべきなのです」(木村氏)。