Hyper-V活用のアドバンテージ
もちろんこれまでも、サーバ仮想化製品による企業内ITの集約化は進展を見せてきた。だが、それはあくまでもサーバの仮想化であって、本当の意味でのプラベートクラウド化ではないと各務氏は語気を強める。
「他社の仮想化製品を利用してきた企業・組織の多くが、サーバの集約化(単なる仮想化)だけにとどまり、運用の自動化やサービスのカタログ化といった真のプライベートクラウド化まで進んでいません。これでは、プライベートクラウドの最終的な目的である運用のドラスティックな効率化やコスト削減は成しえないと言えるのです」
同氏によれば、マイクロソフトでは現在、「クラウドマネージャー育成講座」を展開しており、講座には多くの企業のクラウド企画の方々が参加しているという。つまり、単なるサーバの仮想化から、「真のプライベートクラウド」に移行しようとする機運は高まりを見せているというわけだ。
こうした流れを加速させるには、プライベートクラウド構築に必要なサービスを低コストで提供することが不可欠となる。だが、商用の仮想化ソフトウェアの中には、仮想化基盤自体のライセンス料が高額なうえに、運用の自動化を実現するために追加料金が発生するものもある。その投資に対して、費用対効果を明確にできないため、プライベートクラウドのゴールであるサービスカタログを作れず、まだまだ多くの企業が単なる仮想化で止まってしまっていると各務氏は指摘する。
翻ってマイクロソフトの場合、Windows Server 2012(および、Hyper-V)と、統合管理ツールの「Microsoft System Center」が一体となったパッケージによって、サービスのカタログ化に不可欠なサービス・レベルの可視化や、運用の自動化など、プライベートクラウド構築に必要な機能を廉価に提供しているため、ユーザーは目標としているターゲットコストとサービス・レベルのカタログを実現出来る。
「加えて、Hyper-Vに移行するだけで必要十分なコストダウンをでき、移行するツールも十分揃ってきている為、移行コストを含めても費用対効果が高い。それも、多くのお客様がHyper-Vに強い感心を寄せている理由の1つです」と、各務氏は話す。
Hyper-Vについてはかつて、先行する商用製品に比べて機能面で劣っているとの指摘もあった。しかしそれも過去の話なようだ。

飯島 徹氏
日本マイクロソフト
ビジネスプラットフォーム統括本部
Cloud OS技術部
テクノロジースペシャリスト
日本マイクロソフトのビジネスプラットフォーム統括本部 Cloud OS技術部で、テクノロジースペシャリストを務める飯島 徹氏は言う。
「Windows Server 2012 R2の時点で、Hyper-Vは、サーバ仮想化ソフトウェアに企業が求める機能要件(※1)をほぼすべて満たすに至っています。要するに、サーバ仮想化のために高額なソフトウェアを利用する必要性・必然性はもはやないと断言できるのです」
加えて、Hyper-Vは、パフォーマンス面でも他を凌駕していると各務氏は言う。
「サーバ仮想化の1つのネックとして、サーバの統合率を高めていくとホストプロセッサの利用効率が下がるという問題があります。しかし、Hyper-VとWindows Server 2012のコンビネーションならば、サーバの統合率を高めても、プロセッサ利用率の劣化が1%未満に抑えられます(図2参照)。そのため、Windows Server 2012とHyper-Vへの移行により、仮想環境におけるサーバの統合率を高め、トータルのサーバ・コストを下げていくことが可能になるのです」
Hyper-Vと他社製品とのWindows Server 2012 R2統合率の差
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※1)ここでいう機能要件には、物理サーバがダウンした際に、他のサーバが処理を引き継ぐハイアベイラビリティ機能や、システムを停止させることなく、稼働中の仮想マシンを別サーバへ移動させるライブマイグレーション機能、仮想マシンの集約化した際に、物理サーバに処理を分散化させる機能などが含まれる。