3ステップでスタートできるdashDB
それでは実際に、dashDBの始め方を説明しよう。dashDBは、次のように、たった3ステップで、誰でも簡単に使い始めることできる。実際に試してみれば、IT技術者でなくても、まるでオンラインソフトを使うように使えることを実感できるだろう。
【ステップ1】IBM Bluemixトライアル:サインアップでID登録する
IBM Bluemixトライアルは、リンク先からIDを無料登録できる。
【ステップ2】ログインして、dashDBを選択する
ID登録ができたら、IBM Bluemix - Japanでログインして「フリートライアル」に進む。そして、上部メニューで「カタログ」を選択したら、「サービス」-「データ&分析」にある「dashDB」アイコンをクリックする。
そして、dashDBの「使用」ボタンをクリックすると、40秒ほどでdashDBが使用可能になった(時間は、サービスの負荷などに寄って異なる)。
【ステップ3】dashDBを起動して、データをアップロードする
dashDBが使用可能になったら「LUANCH」ボタンをクリックするとdashDBが起動する。あとは、データをアップロードするだけだ。
データをアップロードするには、左側のメニューから「Home」-「Load」-「Load from Desktop」して、あとは画面の指示に従っていくだけでいい。
dashDBは分析機能も充実しているので、データさえロードすれば、すぐに分析を開始することができる。SQLやR言語を使用したり、ODBC経由でExcelやBIツールと接続することも可能だ。また、データベース内部で分析処理を実行するIn-DBアナリティクス機能や空間/地図分析(Spatial分析)なども備えている。
なお、dashDBのトライアルについては、こちらの記事も合わせて参考にして欲しい。
他のクラウドDBサービスと組み合わせて活用範囲を広げる
dashDBをはじめとするIBMのクラウドDBサービスは、他のデータベースとの接続性にも優れている。先ほどのデモでは、デスクトップPC上のデータをアップロードしたが、Netezzaテクノロジーを活用したDWHアプライアンス「PureData System for Analytics」や、AWSなど既存のクラウド環境と接続して分析するといった運用も可能になっている。これは、Bluemixの「DataWorks」で利用できる。
膨大な非構造化データを扱いたいといった場合には、NoSQLなクラウドDBサービスCloudantにデータを蓄積し、dashDBで分析するといった活用も可能だ。たとえば、工場の製造装置では、メーカーや装置のバージョンなどによって、出力されるデータのフォーマットが異なっている場合が少なくない。そこで、いったんCloudantにJSON形式でデータを蓄積しておき、あとはdashDBで「Home」-「Load」-「Sync from Cloudant」を選択するだけで、非構造化データの分析が可能になる。このとき、データの形式を解析し、スキーマーとテーブルを設定して、レプリケーションしたり同期したりといった作業が、すべて自動的に行われる。
なお、Cloudantの詳細を把握したい場合は、こちらの記事も合わせて参考にして欲しい。
スピードと柔軟性を活かすdashDBユーザー
dashDBを利用しているユーザーは、大きく2つのパターンに分かれるという。
まず最初のパターンは、モバイルゲーム事業者など、1日に膨大なデータを収集するサービスである。このようなサービスは、1年から1年半程度で利用者が変わっていく。そのため、いちいちアナリティクス環境を構築するのでは間に合わない。データをクラウドに蓄積しっぱなしにして、パッと分析するといった場合にdashDBは効果を発揮する。
もうひとつのパターンは、エンタープライズでの利用である。まだ全てのデータをクラウドに持っていけないため、オンプレミスのアナリティクス環境との使い分けが重要になる。そこで、どのような軸で分析すれば効果が出るのかを見極めるため、クラウドのアナリティクス環境をトライ&エラーを繰り返すために利用する。そして、分析軸が固まったところで、オンプレミス側で大々的に活用を始めるのだ。
どちらのパターンでも、データベースの運用管理を意識する必要がない点も、大きなアドバンテージになる。
様々な形式と出自を持つビッグデータを活用する場合、かつてないスピード感で柔軟に活用でき、データの相互運用性に優れたdashDBは、企業活動の強力な味方になるだろう。そして、その実力は、あなたも今すぐに試すことができるのだ。