重要な保存データを、読み込んだらエラー!の恐怖
企業内には顧客の個人情報から社外機密まで、実に数多くの重要なデータが存在している。こうしたデータの消失は、企業の存続自体にも関わる極めて重大かつ致命的な事件だ。だが、当たり前のように読み書きしているファイルが突然何の前触れもなく破損し、使用不可能になってしまうリスクを、日常業務の中で、どれだけ考慮できているだろうか。
決して特別なことではない。バックアップに保存しておいた圧縮ファイルの一部が破損しているようで、どうしても開かない--など、誰もが経験する場面を思い出せば、こうしたリスクは非常に身近なものであることに気づくはずだ。
こうした事態をどのように回避すべきか。そこで本稿は、イメーションが提供するアーカイブ用ストレージシステム「Assureon(アシュリオン)」を解決策の一つとして引用しながら、考察していきたい。
単にバックアップするだけでは不十分
そもそも、なぜデータは知らないうちに、目につきにくいところで壊れるのか。
まず想定されるのは、各種メディアやHDD/SSDなど記録媒体の物理的故障である。HDDがエラーを検出してくれればいいが、怖いのはエラーの検知なしにデータが壊れる場合だ。サイレント・データ・コラプションなどと呼ばれ、通常利用しているだけでも、一定の可能性でHDD上のデータが不安定になるおそれが指摘されている。ディスクの物理エラーだけでなく、ファイルの論理的破損も考慮すべきで、データの書き込み段階のメモリエラーや、ファイルシステムの不具合、エラー訂正のミスに伴う二次的なファイル破損など、書き込みデータが不完全になる要因はいくらでもある。
つまりこの問題は、「単にバックアップを取っていれば大丈夫」ではなく、読み出そうとするデータと、本来書き込まれたデータとの「同一性」を確保する専用のための仕組みがないと解決できないということなのだ。