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Conference X in 東京
事業継続のための“Change”~レポート2021.12.10(金)@東京カルチャーカルチャー

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するINDUSTRIAL-Xは12月10日、東京渋谷のカルチャーカルチャーでDXの具体策を議論するイベント「Conference X in 東京~事業継続のための“Change”~」を開催した。

テーマはキーワードに“チェンジ”を掲げ、「アプローチ」「組織カルチャー」「ストラテジー」「ビジネス」の4つのテーマでそれぞれのチェンジについて討議した。
「ストラテジー」においては、現代の企業に差し迫る喫緊の課題である「ESG経営」という注目トピックをテーマに加え、「DXを活用したESG経営」について討議した。
この記事では、その4つのセッションを紹介する。

セッション1:
DXアプローチ・チェンジ~今、取り組むべきDX実践施策と進め方

セッション1は「DXアプローチ・チェンジ~今、取り組むべきDX実践施策と進め方」がテーマだ。コロナ禍において急務だったのは、物理的制約の対処のためのDX。しかし、今重要なことは元の日常に戻るのを待つのではなく、新しい日常の中で生き残り、発展するためのDXであるという議論が交わされた。登壇者は以下の通り。

  • 田口紀成氏(株式会社コアコンセプト・テクノロジー 取締役CTO兼マーケティング本部長)
  • 近藤洋祐氏(株式会社電脳交通 代表取締役CEO)
  • 荒井善之氏(株式会社ツバメックス 開発部 課長)
  • モデレーター・八子知礼氏(株式会社INDUSTRIAL-X 代表取締役)

――現状のDXのトレンドをどうみているか?

ツバメックス・荒井氏:これまでのITトレンドの多くは部分最適なものだったが、今のDXでは特に全体最適を意識する必要があると感じる。

電脳交通・近藤氏:タクシー業界もようやくIT化されてきた。高齢化が進んでもIT技術と向き合い始めている。人材の調達が困難なこの業界で人もセットで運用支援していきたい。

CCT・田口氏:少し前は部分最適の依頼が多かったが、最近は事業分野ごとに横ぐしを通した形で、全体最適を心掛けるものが増えている。それに対応するための人材採用、育成に関する相談も増えている。

ここで、荒井氏はツバメックスの製造ラインを一気通貫するDX化の実例を紹介。近藤氏はタクシーの配車工程を自動化する話題を取り上げる。田口氏は製造業の製造工程を決める作業は人がしていることを上げ、タクシーの配車との共通点を上げた。

――デジタルでビジネスを推進する上での課題

CCT・田口氏:人材不足が一番の課題。

ツバメックス・荒井氏:あるスタッフは全労働時間のうちの2割はものを探す時間に費やしていた。そこでiPadを支給したことで、ものを探す時間を短縮した。ただし、現場の方の負担なく、業務が効率化されているという事象を作り出すのが肝です。

電脳交通・近藤氏:自治体主導でDXを使って効率化するプロジェクトなどでは、担当者が1~2年で交代してしまうと、そのあと進まなくなってしまうことが課題である。

――アプローチや取り組み方にどんな変化があったか?

ツバメックス・荒井氏:iPadを使うようになってから、職人さんたちのリテラシーが上がり、ITに積極的でない職人も、パソコンの活用に前向きになり始めた。

CCT・田口氏:コロナ禍でリモートになった。現場に行く必要がある時も、オンラインでの営業しており、そこで生まれる課題を解決する必要が出てきている。

電脳交通・近藤氏:タクシーの配車にかかる問題を複数のタクシー会社が共同で解決しようという動きも出てきた。そこにDXの需要が発生する。これが一番大きな動きだ。

――DXを進めていく上での今後の挑戦

ツバメックス・荒井氏:モノづくりに必要な情報を一気通貫で流すわれわれの仕組みを、金型業界に展開することを考えている。

CCT・田口氏:システムを内製化できるような組織構築の支援をしていきたい。

電脳交通・近藤氏:将来的に縮小が予想されているタクシー業界全体を少しでも底上げをするため、タクシー業界以外の人たちとも連携を深めていきたい。

――最後にオーディエンスにメッセージまとめ

CCT・田口氏:上場したとはいえ、まだ一人ではやっていけないので皆さんに協力をいただきたい。

電脳交通・近藤氏:この取り組みは非常に時間がかかる。これからの企業活動は公益性を考えなければならない。

ツバメックス・荒井氏:今日紹介した事例を構築するのは簡単ではない。しかし真似することはできるので、ぜひお声がけいただきたい。

八子氏:みなさんに共通しているのは、中長期で大義のある取り組みに目を向けていること。そういう目線で変革に取り組みたいと思いながら、話を伺っていた。

セッション2:
DX-ESG/CNストラテジー・チェンジ~ESG経営のためのDX、環境の可視化、ESGスコア対応

セッション2のテーマは、DX-ESG/CNストラテジー・チェンジ~ESG経営のためのDX、環境の可視化、ESGスコア対応だった。ESG(Environment Social Governance)経営、ESGスコア、CN(Carbon Neutral)などについて、目に見えないものを数値化するには、すべての状況をデータで把握していることが前提であり、ESGは企業の新たな価値基準であること、そしてESGにDXはもはや必要不可欠であることについて議論が交わされた。

  • 服部結花氏(インクルージョン・ジャパン株式会社 代表取締役)
  • 首藤聡一郎氏(日本オラクル株式会社 バイスプレジデント 事業戦略統括)
  • 渡慶次道隆氏(株式会社ゼロボード 代表取締役)
  • モデレーター・吉川剛史氏(株式会社INDUSTRIAL-X 取締役)

――ESGの現在の市況について

インクルージョン・ジャパン・服部氏:ESGの市況は盛り上がっている。世界のESG投資残高は毎年急成長し、2020年は運用総資産の4分の1強を占める。カーボンニュートラルなどの分野にお金が流れていく。

吉川氏:サステナブルな活動をしていないと投資はおろか融資もしてもらえなくなる。日本の企業が出遅れている感があるのはなぜか。

日本オラクル・首藤氏:欧州では法律で開示が定められていることが影響している。紛争鉱物・人権・ジェンダー、社会からの要請事項に応えられないとブランドが失墜する。

吉川氏:カーボンニュートラルということではどうか?

ゼロボード・渡慶次氏:環境問題は2015年以降、企業に対して金融市場から圧力をかけるように変わったのが変化。欧州は自分たちの得意分野に有利なルール作りしてきたという面がある。

吉川氏:中国ではCO2排出抑制の足りない外国企業にクレジットを買わせて、自国企業の競争力を高めている。同様のことはヨーロッパで実施されているのか。

ゼロボード・渡慶次氏:欧州でも既にクレジット市場はあるし、自社製品のCO2排出削減を価格に転嫁した形で、顧客に提示することが始まっている。CO2排出量の算出・数値化と報告を容易にし、企業価値が上がったメリットを享受できるようにする。これを使ってエコシステムを作っていこうとしている。

吉川氏:サプライチェーンには上場か非上場かは関係がない。DXを使ってCO2排出量の可視化をしなければサプライチェーンから外れてしまう。

インクルージョン・ジャパン・服部氏:市場に入るためにはSCOPE3(サプライチェーンを含めたその他の排出量)まで開示しなければならない。脱カーボンは自分たちの会社には関係ないと思っていても出さざるを得ない。

吉川氏:評価機関のトレンドについて解説してほしい。

インクルージョン・ジャパン・服部氏:いろんな評価機関があり、過渡期ではあるがデータは重要。ネスレは自社の商品の60%は「不健康」と判断されたことを開示した。これは「データがあり、改善する意思がある」ことを示していてネガティブな情報にはなっていない。

吉川氏:データがあることが重要。首藤さんの事例を紹介してほしい。

――ESG×DXの取り組みでの先進事例

日本オラクル・首藤氏:ユニリーバさんは荷物の積載量の効率化でトラックの台数を減らしてCO2排出量を削減している。環境など社会の持続性に対してどう貢献しているか、非財務指標の充実に経営資源を回した。結果、四半期ごとの決算をやめたのに株価は上がった。

吉川氏:業界ごとの対応について服部さんにご紹介いただきたい。

インクルージョン・ジャパン・服部氏:格付け機関のMSCIのWebページは、業界ごとに取り組むべきポイントはE・S・Gのうちどれなのかを表示している。例えばIT産業では、EよりS(個人情報などの保護)が重要となっている。

――今後の見通しと展望

吉川氏:渡慶次さんのところはE(環境)が専門だが、SとかGとかというところは何か取り組んでいるのか。

ゼロボード・渡慶次氏:ESGは企業の透明性を上げる。カーボンフットプリントという仕組みで、商品ごとにCO2排出量を明確にして次々と渡していく取り組みがされている。日本の企業は、金融市場との対話、スコアリング会社との対話をもっとすべき。

インクルージョン・ジャパン・服部氏:現在の評価基準はまちまち。世界では過渡期だ。ところが評価方法を決める席に日本の企業はほとんど入っていない。ここは問題だと思っている。

ゼロボード・渡慶次氏:今後はSCOPE3の実績値を出さないといけなくなるが日本企業でそれに対応できているところはほとんどない。上場企業は早急な対応を迫られると思う。

吉川氏:データの有無の確認作業が2022年に本格化していき、進捗度など開示が始まっていく流れになる予感がある。

――最後にオーディエンスにメッセージまとめ

日本オラクル・首藤氏:日本ではESG経営に関してやるべきことが増えてくる。人口も減るので、余剰な経営資源を今のうちに生み出していかなければならない。そのためのDX化、コスト構造を変えていくことが来年以降顕在化してくるだろう。

インクルージョン・ジャパン・服部氏:2022年は仕込みの年。いつまでに何をすべきかを考える。自社だけで無理な場合、外部やサプライチェーンと連携できた企業とできない企業とでは2023年に大きく差がでる。

ゼロボード・渡慶次氏:近い未来にカーボンプライシングや炭素税など企業にとっては確実に負のインパクトをもたらす制度が必ず出てくる。するとCO2排出量の少ない会社からモノを買うようになる。CO2排出量の可視化に取り組むと、企業価値が上がるということを認識するべきだ。

セッション3:組織カルチャー・チェンジ

提供:株式会社INDUSTRIAL-X
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