Conference X in 東京
事業継続のための“Change”~レポート2021.12.10(金)@東京カルチャーカルチャー

セッション3:
組織カルチャー・チェンジ~DXの本質を実現するために求められる組織カルチャーの変革~

セッション3の論点は次に通り。DXの本来の目的は、現行の効率化の先にある新しい産業の構築である。予測不可能な時代で、可変的な産業を構築する上で凝り固まった組織は変革を妨げる。芯が強く、かつしなやかに時代にフィットする、新たな組織カルチャーの形とは何か。

  • 明豊氏(株式会社日刊工業新聞社 執行役員デジタルメディア局長 DXプロジェクト担当)
  • 山﨑勇輝氏(ACAO SPA & RESORT株式会社 常務取締役・執行役員)
  • 黒川博史氏(株式会社ライオン DX推進部長)
  • モデレーター・八子知礼氏(株式会社INDUSTRIAL-X 代表取締役)

――トランスフォーメーションする上での組織課題

八子氏:DXに取り組む前にはどんな課題があったのか?

ACAO・山﨑氏:ホテル業の特性でもあるが、今までと同じサービスを提供することが美学で、新しい発想が生まれ難い環境だった。創業者の理念が薄くなっていくのを感じた。

ライオン・黒川氏:デジタルマーケットなどは修正する必要がないほど進んでいた。一方でAIを使えと言われても何をしたらいいかわからない部分もあるのが課題だった。

日刊工業新聞社・明氏:インターネットが壊したものは『マス』だった。しかし、マスメディアの組織は相変わらず続いている。変化が見られない。

八子氏:今まで持っていた課題に対してどのように取り組んだか?

ライオン・黒川氏:挑戦しているが、デジタルだけでは解決できない。マーケティングのデジタル化は進んでいるが他の部分が活用できない。部分最適に陥っている。

――課題克服のための工夫

日刊工業新聞社・明氏:このままでは新聞社の将来はないと思い、自分なりに考えたメディアの将来像を経営層に話してわかってもらえた。その時に、社内のいろんな部署から人を集め、今それが役に立っている。

ACAO・山﨑氏:施設の一部が老朽化するなか、変革は必要でした。手始めとして、既存部門を事業部に再編し、事業部長を全社員の中から公募しました。そうすると、本来は協力しあうべき同じ組織内に競合が生じた為、この課題を解決するため、事業部ごとの情報を共有する仕組みをデジタルで作りました。

――組織カルチャー変化の効果と懸念

ACAO・山﨑氏:事業部長を社内公募にしたことで、良くも悪くも「社内改革を自分ゴトとして捉えている人、そうでない人」が明確になりました。熱海の土石流事故の時にも安否確認やホテルでの受け入れにデジタルツールが活躍し、一体感が醸成された。これをきっかけに、デジタル技術を使った様々なホテルサービスをつくりはじめました。

ライオン・黒川氏:DX推進組織づくりは、組織内のキャリアのチェンジ・専用人材の採用・副業人材の活用などを行っている。多様性が必要。社内にいる人間だけではうまくいかない。難しいからこそ組み合わせる動きは社内としても新しいカルチャーとして根付いてきた。

日刊工業新聞社・明氏:まだ紙のメディアや広告に依存しているところがあり、ジレンマを感じるが、コロナ禍もありトップにも需要構造改革の意識が変わってきたというところもある。

――今後DXを進めるうえでの組織の展望

ACAO・山﨑氏:自分で仕事を作れる人、クリエイティブな提案ができる人が欲しい。感触や感覚を基にした発想からDXでデータ化したところからの提案のベースになるようにしていきたい。

日刊工業新聞社・明氏:新聞社の組織は紙のメディアを作るための組織から脱却していないので、これを変えたい。『顧客の顧客』が持つ課題を解決する意識を持てるかが重要だと思っている。

ライオン・黒川氏:DXの組織をなくすことが目標。トランスフォーメーションが終わればいらなくなる。日本全国でもDX推進組織はDX化が終われば発展的に解散をしていくのだろうと思っている。

――最後にオーディエンスにメッセージ

ライオン・黒川氏:まだまだDX推進はスタートライン。切磋琢磨して国内で発展をすべき。海外には負けたくない。

ACAO・山﨑氏:現在、ACAO SPA & RESORTは変革期であり、訪れるたびに表情を変える空間となっています。今後は更にDXを加速させ、世界に通用するリゾートを作っていくので、是非熱海にお越しください。

日刊工業新聞社・明氏:(会社組織が決めた社命ではなく、自ら決めた使命を胸に邁進する会社員の虎を指す)「トラリーマン」の条件に当てはまるなら、ぜひ変革にチャレンジしてほしい。他責主義をやめたときから変化が始まる。変革に挑戦していってほしい。

セッション4:
DXビジネス・チェンジ&チャレンジ

セッション4では、前の3つのセッションを振り返って、現時点の課題と来年の取組の展望を語る。これまでの当たり前が通用しない今。これまで以上に柔軟な変化対応組織能力(Dynamic Capability)が求められる。

  • 伊藤嘉明氏(X-TANKコンサルティング株式会社 代表取締役社長CEO)
  • 柴田寛文氏(中小企業庁 経営支援部経営支援課課長補佐(総括))
  • モデレーター・八子知礼氏(株式会社INDUSTRIAL-X 代表取締役)

――DXアプローチ・チェンジ

X-TANK・伊藤氏:DXは人とセットだというところが欠落した企業を見かける。DXは人とともにあるのが基本的な考え方。

中小企業庁・柴田氏:中小企業は自己変革力が必要。デジタルと人のバランスが大事。困難なので外から支える必要がある。

――DX-ESG/CNストラテジー・チェンジの論点

八子氏:ESG経営は日本の知らない間に相当進んでしまっているがその点ではどうか。

X-TANK・伊藤氏:環境と経営はコインの裏表。欧州の企業はESGへの取り組みをアピールしてトップを取ろうと躍起。日本では経営の一環として取り組んでステークホルダーに伝えることで違う目立ち方ができると思う。

中小企業庁・柴田氏:ESGは重要なテーマだが、関係の意識が欠けている。義務感だけがある。ポジティブなループにしないと元気が出ない。

――組織カルチャー・チェンジの論点

X-TANK・伊藤氏:TOPの考えは60%くらいしか下には伝わらないし、現場の考えもトップには全部伝わらない。何回も伝えなければならない。伝わらなければ外圧を使うのが組織変革の肝。

中小企業庁・柴田氏:慣れたやり方をやりたがる。人材が限られている中で変革するのは外部からの支援がなければ困難。補助金や税制での支援は対処療法でしかない。経営者が自分で未来を切り開けるようにする支援を考えている。

――これまでのDXの取り組みの課題とは?来年への期待とチャレンジとは?

X-TANK・伊藤氏:メンタリティとマインドセットに尽きる。役職員が当事者意識をもたないとどんなトランスフォーメーションもうまくいかないと思う。

中小企業庁・柴田氏:世の中には便利なITツールがたくさんあるのにやってみようとしない。そういうマインドを変えるように行政側から働きかけたい。

八子氏:来年に向けてのチャレンジは?

X-TANK・伊藤氏:差異力が大事。困難な時代を機会ととらえるかどうか。トランスフォーメーションは個人がどれだけ自分を変革し続けられるかに尽きる。

中小企業庁・柴田氏:経理DXを強力に推進していく1年になる。IT導入補助金を大規模に活用できるようにする。やがて大きな変化につながるということを皆さんと共有していきたい。

――最後にオーディエンスにメッセージを

X-TANK・伊藤氏:DXはできるかできないかではない。やるかやらないかだ。やらなければ何も変わらない。

中小企業庁・柴田氏:一歩踏み出すところからすべては始まる。でなければ進んでいかない。そういう人を支えていきたい。中小企業庁自身も文化を変えてDX化していきたい。

提供:株式会社INDUSTRIAL-X
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